平成30年第1回定例会 6月議会 知事説明要旨(平成30年6月21日)

2018年06月21日 | コンテンツ番号 35343

 今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、大阪府北部を震源とする地震についてであります。
 今月18日に、大阪市などで、最大震度六弱を観測する地震が発生し、多くの死傷者が出るなど、甚大な被害がもたらされました。
 秋田県民を代表し、犠牲となられた方々に対しまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
 今後、被災地が速やかに復旧し、被災者の方々が1日も早く元の生活に戻られますようお祈り申し上げます。
 次に、大雨による被害状況等について申し上げます。
 先月18日から19日にかけて、東北地方に停滞した前線と低気圧の影響により、県内全域が大雨に見舞われ、秋田市で24時間降水量が観測史上最多となるなど、8割の観測地点で5月の最多降水量が記録されました。
 この大雨により、雄物川、新城川、馬踏川など、多くの河川が氾濫し、床上・床下浸水を中心に建物被害が760棟に及んだほか、道路の損壊や農地の冠水等による公共土木施設と農林水産関係の被害額は、合わせて75億円に上っております。
 被害に遭われた皆様に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
 県では、大雨警報が発令された5月18日朝から被害状況の把握に努め、孤立箇所の解消や物流の確保に向け、順次、路肩や法面が崩壊した道路の応急復旧を進めてまいりました。
 農業関係の被害については、損壊した水路等の応急対策への支援や被災農家に対する栽培管理指導など、被災現場の状況に応じ、機動的に対策を講じたほか、住宅関係の被害に対しては、市町村と連携し、災害見舞金の速やかな支給を行ってきております。
 併せて、被災地の迅速な復旧に向け、今月8日に、私自ら、菅官房長官をはじめ関係閣僚を訪問し、災害査定の速やかな実施と財政支援等について要望を行ったところであります。
 引き続き、国や市町村と十分連携を図りながら、道路、河川などの公共土木施設、農地・農業用施設等の早期復旧に万全を期すとともに、住宅の復旧支援や被災農家への営農支援を行うなど、被災された方々のサポートに全力で取り組んでまいります。
 次に、イージス・アショアについて申し上げます。
 今月1日に、福田防衛大臣政務官が本県を訪れ、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場をイージス・アショアの最適候補地とし、今年の夏以降にも調査に入りたいとの意向が示されました。
 国では、候補地の選定に当たり、速やかに配備することができる自衛隊の既存施設を対象に、レーダーの障害となる山などの遮蔽がない場所であるかどうか等の条件について検討した結果、同演習場が最適であると判断したとしておりますが、レーダーが発する電磁波による健康や生活への影響、テロや偶発的な事故の可能性等が懸念されることから、県民・市民からは不安の声が寄せられております。
 調査を進めるに当たっては、何よりも地域住民の理解が重要であることから、今月5日、私と秋田市長との連名で、速やかに住民説明会を開催するよう申し入れたところ、国では、14日に住民の代表である県議会・秋田市議会への説明を行い、さらに17日には地域住民代表に対する説明会を開催しております。
 他方で、国際情勢に目を向けますと、今年に入り、北朝鮮が外交において融和姿勢に転じ、南北首脳会談や米朝首脳会談において朝鮮半島の非核化の方針が確認されるなど、我が国を取り巻く安全保障環境は、昨年12月のイージス・アショア導入決定時とは異なる状況となっております。
 これまで国際社会の平和と安定を脅かしてきた北朝鮮の動向については、引き続き、冷静かつ慎重に見極める必要があるものの、このように北朝鮮を巡る情勢に変化の兆しが見られる中、イージス・アショアを早期に配備する必要性や市街地に隣接する新屋演習場を最適候補地としたことの合理性、地域住民の安全を確保するための具体的な方策などについては、いまだ十分な説明がなされているとは言い難い状況にあり、現状では、県として、極めて慎重に対応していかなければならないと考えております。
 国に対しては、今後も、住民の疑問や不安の解消に向け、説明会の開催等により、正確で詳細な情報を提供するとともに、安全対策など、より具体的な方策を提示するよう強く求めてまいります。
 次に、国政の動きについて申し上げます。
 今月15日に、当面の経済財政運営の基本方針となる「骨太の方針」が閣議決定され、プライマリーバランスの黒字化目標時期が五年先送りされましたが、国では、高齢化の進行に伴い、年金や医療・介護などの社会保障給付費が、2040年度には190兆円に達し、現在より70兆円増加するとの見通しを示しており、持続可能な社会保障制度を構築していくためには、財政健全化を着実に図る必要があります。
 安倍内閣においては、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針のもと、経済最優先で取り組んできたところであり、今後も、経済再生に向けて全力で取り組み、デフレからの脱却を確実なものにすることが、将来の財政再建につながっていくものと考えております。
 日本経済は緩やかな回復が続いているものの、地方においてはいまだ景気回復の力強さを実感するには至っておらず、今後、人口減少の進行と相まって、地域経済が縮小するといった悪循環に陥ることも懸念されることから、国において、経済の好循環が地方に広く行き渡るための思い切った対策を講じるよう強く求めてまいります。
 また、地方財政に関しては、基金残高の増加を背景に、地方財政に余裕があるかのような議論がなされ、持続的かつ安定的な財政運営に必要となる一般財源総額の抑制が懸念されていたところでありますが、地方が粘り強く要望活動を行ってきた結果、来年度からの3年間、今年度の地方財政計画を下回らないよう実質的に同水準を確保することとされました。
 一般財源総額の確保と併せ、地方の財政基盤の充実・強化にとって重要な地方法人課税における税源の偏在是正については、平成31年度税制改正において結論を得るとされており、地域間の財政力格差が拡大することのない適切な措置が講じられるよう、様々な機会を捉えて国に対して強く働きかけてまいります。
 さらに、「骨太の方針」と同時に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」では、東京一極集中の是正や地方における担い手の確保に向けて、ライフステージに応じた対策の充実・強化を図り、今後6年間で、UIJターンによる起業・就業者を6万人創出するとしております。
 地方創生の実現に向けては、息の長い取組が必要でありますが、東京一極集中の是正は、国と地方が一体となって取り組むべき喫緊の課題であります。
 今国会においては、地方大学の振興や東京23区における大学の定員増の抑制等を図るための新たな法律が制定されたところであり、今後とも、地方への人の流れが確かなものとなるよう、国に対して地方の声をしっかりと届けてまいります。
 次に、「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」の推進について申し上げます。
 この3月、国立社会保障・人口問題研究所から公表された「日本の地域別将来推計人口」では、2045年時点の本県の人口が約60万人とされ、2015年との比較で人口が半数以下になる市町村が13を数えるなど、地域の将来に危機感を抱かざるを得ない推計結果が示されております。
 高齢化の進行も急速に進み、本県では、65歳以上の人口割合が2045年に5割に達するとされているほか、15歳から64歳までの生産年齢人口が30年間で30万人以上減少するとされており、今後、労働力不足が一層深刻化し、IoTやAI、ロボティクス技術などに代表される第4次産業革命の進展と相まって、産業構造が劇的に変化を遂げていくものと考えております。
 しかしながら、大切なことは、こうしたデータを悲観的に捉えることなく、数字が持つ意味を、背景も含めて冷静かつ論理的に分析・考察し、時代の潮流を的確に見極めながら、必要な対策を講じていくことであり、今回の推計結果を踏まえると、人口減少の克服に向けた取組はもとより、人口減少下にあっても地域社会を維持・活性化する仕組みづくりに、これまで以上にスピード感を持って取り組んでいく必要があると考えております。
 こうしたことから、「時代の変化を捉え力強く未来を切り拓く秋田」の実現を目指し、今年四月から本格的に始動した第3期プランに掲げる施策・事業をベースとして、早期かつ強力に推進する取組を中心に、今般、「加速化パッケージ」を取りまとめ、人口減少の抑制を図る「攻め」の取組と人口減少社会にあっても県民の安全・安心な生活を確保する「守り」の取組に加えて、人口減少下においても地域の経済力を維持するため、今後の労働力不足や産業構造の変革への対応に向けた取組も進めていくことにしております。
 具体的には、幅広い分野におけるデジタルテクノロジーの導入促進や介護従事者の負担軽減等に資する機器の導入・開発支援に取り組むほか、産学官連携コンソーシアム等による、時代を先取りした省力化技術の研究開発に向けた取組や、現場における改善等を通じた生産性の向上にとどまらず、経営マネジメント全体の改革につなげていく取組、さらには、人口減少社会を前提とした課題解決型の製品やサービスの開発についての研究などを進めてまいります。
 また、人口減少の進行やインフラの老朽化など、行政を取り巻く環境が大きく変化していく中、将来にわたり行政サービスを安定的に提供していくためには、県と市町村、あるいは市町村間の協働・連携についても、柔軟かつ新たな発想で取り組んでいく必要があります。
 国では、有識者による研究会を設置し、2040年頃を見据えた自治体戦略について検討を進めておりますが、全国で最も速いスピードで人口減少が進行する本県が、国に先んじて、新たな行政運営モデルを構築すべく、先月開催した「秋田県・市町村協働政策会議」において、県と市町村が協力しながら更なる連携強化に向けて取り組んでいくことを確認したところであります。
 加えて、婚姻率・出生率が長期にわたって低迷している状況を踏まえ、これまでの経済的支援を中心とした子育てしやすい環境づくりや結婚・妊娠・出産へのサポートに加え、地域の特性などを考慮し、きめ細かな対策を講じる必要性を強く感じているところであり、まずは、市町村が取り組んでいる各種施策の状況を分析し、その成果を検証しつつ、地域の歴史や気候・風土、ライフスタイルなどの社会的要因と婚姻・出生との関係を分析することで、それぞれの地域の特性に応じた対策を打ち出せるよう検討を進めてまいります。
 今後、こうした取組を推進し、人口減少の克服を目指した第3期プランの加速化を図りながら、未来に向かって積極果敢に挑戦を続ける「ふるさと秋田」を創り上げてまいります。
 次に、秋田新幹線のトンネル整備構想について申し上げます。
 秋田新幹線は、本県と首都圏や仙台市等を結ぶ大動脈であり、国内外からの観光誘客のほか、県民生活や県経済を支える重要な交通インフラとして、本県の発展に大きく寄与するものであることから、これまでも、JR東日本に対して、運行の安定性や高速化など、更なる機能向上を要望してきたところであります。
 こうした中、昨年11月末、同社から本県と岩手県に対し、秋田新幹線の防災対策として、田沢湖駅と岩手県の赤渕駅の間に、新たなトンネルを整備する構想が示されました。
 急峻な山岳地帯を横断するトンネルの整備によって、秋田新幹線の安全性や、運行の安定性が向上するとともに、盛岡駅で接続する東北・北海道新幹線の定時性の確保につながるほか、所要時間も約七分短縮され、秋田・東京間が最速で3時間30分で結ばれるなど、県民の利便性向上はもとより、誘客面での効果も期待できるものであります。
 同社では、今後、事業化に向けた検討を進めることにしておりますが、その整備費用は多額に上ることから、国・地方自治体による支援が必要との認識を示しており、県としましては、来月設立予定の沿線自治体や経済団体等による期成同盟会に参画するとともに、岩手県とも連携しながら、国への要望活動を幅広く展開するなど、構想の早期実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、中国への訪問について申し上げます。
 先月24日から28日にかけて、県内の市長、町長をはじめ、商工団体等の関係者と共に、中国遼寧省の大連市を訪問してまいりました。
 現地では、市政府等を訪問し、本県との観光交流の促進や経済・教育などの幅広い分野での交流拡大について意見交換を行うとともに、旅行エージェントやメディアなどを招いて開催した「秋田県観光セミナー」において、地域に根づいた伝統行事など、本県ならではの魅力的な観光資源を強くアピールしたほか、国際的な観光イベントである「大連アカシア祭り」においても、秋田市竿燈会が竿燈を披露し、広く「日本の秋田」をPRしてまいりました。
 また、「北前船寄港地フォーラム in 大連」では、能代市、男鹿市、由利本荘市及びにかほ市の四市が、「北前船寄港地」として日本遺産に認定されたことが披露されたほか、幅広く意見交換が行われるなど、改めて、海外を含めた地域間交流の重要性を強く認識したところであります。
 このたびの訪問で、大連市長から、本県との交流への強い意欲が示され、8月の竿燈まつりには、市政府幹部のほか、旅行エージェントや小学生などが本県を訪問する予定となっており、これを足がかりに、今後の幅広い交流につなげてまいりたいと考えております。
 大連市は、中国でも対日感情が極めて良好な地域であることに加え、本県関係の企業が進出し、県人会も組織されており、発展著しい同市との交流を今後一層深めながら、訪日観光需要が旺盛な中国からの誘客拡大に向けて、官民一体となって取り組んでまいります。
 次に、秋田ノーザンハピネッツのB1リーグ復帰について申し上げます。
 本県のプロバスケットボールチーム「秋田ノーザンハピネッツ」は、先月13日、クラブ史上最多となる4、909人の大観衆が詰めかけたB2リーグ・プレーオフ準決勝で見事に勝利し、念願のB1リーグへの復帰を果たしました。
 このたびのB1リーグ復帰は、県民に大きな勇気と感動を与えるもので、「スポーツ立県あきた」を掲げる本県にとっても大変喜ばしいことであり、選手をはじめ、チーム関係者のたゆまぬご努力に敬意を表するとともに、来シーズンも大いに活躍されることを期待しております。
 次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。  
 今回の補正予算案は、5月の大雨による被害対策として緊急を要する事業のほか、第3期プラン加速化パッケージ関連事業、公共事業等について計上しております。
 大雨による被害対策については、被災した道路や河川等の復旧対策事業を速やかに実施するとともに、道路法面の落石防止等の防災・減災対策を進めるほか、農地・農業用施設の災害復旧に対する助成枠を増額し、生産基盤の速やかな復旧を支援してまいります。
 第3期プランの取組の加速化については、人口減少への対応として、マスメディアや県内市町村と協働で若者の県内定着・回帰を促進するキャンペーンを展開し、SNSの活用や保護者に向けた情報発信と併せ、様々なチャネルを通じて若者に県内企業情報や就職支援情報を届けていくとともに、工業高校への就職支援員の配置など、県内就職者の増加に向けた高等学校の取組を強化してまいります。
 また、県内企業に対し、人材獲得につながる情報発信スキルの向上を支援するほか、デジタルテクノロジーの導入に向けた意識啓発を促進し、第4次産業革命によるイノベーションの推進を支えるICT人材の育成・確保を進めてまいります。
 さらに、人口減少社会を踏まえた地域活性化への対応として、将来にわたって持続可能な暮らしを守るため、集落の枠を超えた新たなコミュニティの形成に向けて県民意識の醸成を図ってまいります。
 公共事業については、5月の大雨による被害対策のほか、この冬の豪雪による道路の損傷等への対応、国の内示による国庫補助事業等を計上しております。
 一般会計補正額は、167億4,839万円であり、補正後の総額は、5,970億839万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県監査委員の選任について」、「秋田県教育委員会の委員の任命について」及び「秋田県収用委員会の委員及び予備委員の任命について」は、一部委員の任期満了等に伴う後任の選任等について、議会の同意をお願いしようとするものであります。
 「秋田県県税条例等の一部を改正する条例案」は、地方税法の一部改正に伴い、個人県民税の基礎控除等の見直し及び県たばこ税の税率の引き上げ等を行おうとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。