このたび提案いたしました議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、国政を巡る状況についてであります。
 今月2日に発足した第4次安倍改造内閣は、我が国が直面する最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、子どもたちや子育て世代に大胆に投資するとともに、誰もが生涯にわたって活躍できる社会を実現することで、全ての世代が安心できる社会保障制度へと改革を進めるほか、地方創生を最重要課題と位置づけ、新たな挑戦を後押しする農林水産業全般にわたる改革や中小・小規模事業者の生産性革命、訪日外国人旅行客4,000万人の実現などにより、それぞれの地域の特色を生かしながら、チャンスあふれる地方を創り上げることにしております。
 新たな内閣において進めようとする政策の具体的な内容は、今後の予算編成等を通じて明らかになってくることから、国の動向を注視しつつ、地方の実情を踏まえた制度、予算となるよう積極的に提案を行い、国と一体となって「ふるさと秋田」の元気づくりに取り組んでまいります。
 次に、秋の大型観光キャンペーンについて申し上げます。
 先月1日の秋田駅と東京有楽町駅前広場でのオープニングイベントで幕を開けた秋の大型観光キャンペーンでは、これまで、大館市の「きりたんぽまつり」や大仙市の「大曲の花火・秋の章」など、観光客を魅了する多くのイベントが県内各地で開催されております。また、今月6日に仙北市角館において開催された「新・秋田の行事」では、ユネスコ無形文化遺産の角館、土崎、花輪の「山・鉾・屋台行事」をはじめ、地元仙北市に伝わる「小山田ささら」などが披露され、台風の影響により1日のみの開催となりましたが、県内外から訪れた約5万人の皆様に、秋田の祭りを心ゆくまで堪能していただけたものと思います。
 さらに、このたびのキャンペーンの目玉イベントの1つとして「SLこまち号」が、去る13日と14日の両日にわたり、秋田・湯沢間で運行され、煙を上げ力強く走る蒸気機関車の迫力ある姿を写真に収めようと、大勢の鉄道ファンが撮影スポットに殺到したほか、沿線では、多くの県民の皆様がSL列車に手を振り歓迎するなど、大変な盛り上がりを見せたところであります。
 11月末までのキャンペーンも折り返し点を迎えたところであり、今後とも、多くの観光客に訪れていただけるよう、県内各地で開催される様々なイベントや紅葉の見どころスポットなどの観光情報を積極的に発信し、更なる誘客の拡大に努めてまいります。
 次に、大型クルーズ船「MSCスプレンディダ」の初寄港について申し上げます。
 アジアを中心とするクルーズ市場の成長が続く中、本県においても官民一体となった取組により、クルーズ船の寄港が着実に増加しており、今月24日には、これまでで最大のクルーズ船となる「MSCスプレンディダ」が初めて秋田港に寄港いたします。
 一度に多くの旅行客を運ぶ大型クルーズ船の寄港は、本県の多彩な魅力を集中的にPRする絶好の機会であり、このたびの寄港で秋田を訪れる3,000人を超える乗客の皆様に対しても、県内各地の旬の味覚や見頃を迎える彩り豊かな紅葉などの情報を効果的に発信し、本県の秋の魅力を存分に堪能していただきたいと考えております。
 来年、秋田港には、「MSCスプレンディダ」が6回寄港するほか、世界で最も有名な豪華客船と言われ、人気の高い「クイーン・エリザベス」が東北の港としては初めて寄港することが決定するなど、クルーズ関係者の本県への関心は高まっており、旺盛なクルーズ需要の取込拡大に向けて、大型客船に対応した港湾の整備や乗客の利便性向上に取り組むなど、クルーズ拠点としての港の魅力アップに一層努めてまいります。
 次に、ブラウブリッツ秋田のJ2クラブライセンス取得について申し上げます。
 先月27日、Jリーグから、ブラウブリッツ秋田に対しJ2クラブライセンスを交付する旨の発表がありました。
 このたびのライセンス取得により、ブラウブリッツ秋田が次なるステージで活躍できる環境が整ったことを大変うれしく思っております。
 3月に開幕した2018シーズンは最終盤に差し掛かり、昇格争いが一段と厳しさを増す中、チームの皆様には、目標の実現に向け、最終節まで果敢に挑み続けていただくことを期待しております。
 次に、認定をお願いしております平成29年度秋田県歳入歳出決算について申し上げます。
 一般会計歳入総額は6,085億4,122万円、歳出総額は5,999億6,860万円となり、事業繰越財源を差し引いた実質収支は、53億1,545万円の黒字となりました。
 平成29年度は、人口減少社会を克服し秋田の創生を加速するため、地域産業の競争力強化や農林水産業の成長産業化、インバウンド対策などに引き続き取り組むとともに、各分野にわたる担い手・労働力不足に対応しつつ、良質な就業の場の創出や女性・若者の定着・回帰に向けた取組を強化したほか、最終年度を迎える「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく施策・事業、大雨による被害対策などに取り組んだところであります。
 よろしくご審議の上、認定いただきますようお願い申し上げます。