県では、競技団体等とのヒアリングや有識者等で構成する検討委員会の開催、県民意見の募集等を通じ、新県立体育館の整備に向け、基本方針や機能・規模、建設場所等について検討を重ねてまいりましたが、このたびその内容を「新県立体育館整備基本計画」としてとりまとめました。

 同計画の概要は、以下のとおりです。

※このページの下部より「新県立体育館整備基本計画」の全編がダウンロードできます。 

1 基本方針

 新県立体育館の整備に向けた基本方針は、以下のとおりとし、現施設の老朽化と地元チームのBリーグプレミアへの参入を考慮して、令和10年秋開館を目指します。
 また、整備運営手法は、民間の創意工夫を生かしてサービスの向上とコスト削減を図るPFI手法とし、整備業務と運営・維持管理業務(指定管理業務)を一括して民間事業者に発注します。
  •  「秋田の元気を創造する拠点」として、子供たちに夢を与え、選手と観客が躍動し、賑わいづくりにも貢献する施設とします。
  • 人口減少に対応し、現在の県立体育館とスポーツ科学センターを集約化・複合化することで、公共施設の効率的な運営を図るとともに、デジタル技術を活用し、未来志向の施設を整備します。
  • 建設場所となる都市公園の機能の向上を図る観点から、憩いの場となる緑地や遊具等の確保に配慮するとともに、公園全体の入口機能を担うロータリーを整備し、エントランス等を公園利用者に開放します。
  • トップスポーツや中体連・高体連の全県大会等の利用を優先しつつ、コンサート等にも対応できる施設とします。
  • アスリートが活躍し、競技力を高める拠点となる施設とします。 

2 機能

  「みる」アリーナ、「する」体育館、「ささえる」スポーツ医・科学の機能を備えます。

  • メインアリーナ(アリーナ)の機能として、Bプレミア基準を上回る6,000人以上の観客を収容します。
  • サブアリーナ(体育館)の機能として、バスケットボール公式規格で2面の広さを確保し、200人以上の観客を収容します。
  • スポーツ医・科学の機能として、アスリートを対象とするトレーニングや体力測定等を行える設備を整備します。
  • 映像・照明・音響装置や、それらを支える最先端デジタル技術等を導入します。

3 規模・事業費 

 「財政負担」と「未来への投資」のバランスに配慮しつつ、東北最高水準の施設を目指します。 

  • 施設規模:建築面積 1万㎡程度、延床面積 1.7万㎡程度
  • 整 備 費:約190億円(うち県負担96億円程度)
  • 運 営 費:年間約4億円

4 建設場所・アクセス  

 運動施設の集積や交通アクセス、賑わいづくり等を考慮し、八橋運動公園内に整備します。 

  • 建設場所は、既存の運動施設の移転等を伴わずに用地を確保できる丘の周辺とします。
  • アクセスは、公共交通機関を基本とし、バス・タクシーのロータリーを整備します。
  • 駐車場は、現県立体育館跡地・スポーツ科学センター跡地・気象台跡地で500台程度(有料)を整備します。
  • 建設場所にある緑地・遊具広場は、公園機能の維持・向上等を考慮して、現県立体育館跡地に再整備します。

 

5 主な施設等の概要

アリーナ

 すり鉢状の観客席、センターハングビジョンやリボンビジョン等の映像装置、音響設備など、プロスポーツ等を「みる」ことを重視して整備します。
 また、コンサートや展示会、学会等の開催も想定し、会場設営やイベントの運営が行いやすい構造とします。
  • 公式競技用規格として、バスケットボール2面、バレーボール2面、バドミントン10面、卓球17面以上をゆとりある寸法で確保できるサイズ
  • 「みる」アリーナとして多くの観客がフロア面に正対できる八角形又はスポーツ観戦に適した形状としてこれと同等のもの
  • プロバスケットボール興行時に6,000人以上の観客を収容
  • 演出を盛り上げる四面大型映像装置(センターハングビジョン)やリボンビジョンなどの映像装置、音響・照明装置を設置

体育館

 スポーツを「する」施設である体育館は、アマチュアのスポーツ大会や県民のスポーツ・レクリエーション利用等を想定して整備し、応援などの「みる」機能として、観客席を設けます。また、プロスポーツ興行時等の練習会場、各種イベント会場等としての活用も想定します。

  • 公式球技用規格として、バスケットボール2面、バレーボール2面、バドミントン8面、卓球10面をゆとりある寸法で確保できるサイズ
  • 異なる競技を安全かつ効果的に行うことができるようにするため、大型電動間仕切り設備を設置

体力測定室・トレーニング室

 トップスポーツ選手や児童生徒等が行うスポーツを医科学的視点から「ささえる」ため、体力測定室・トレーニング室を整備します。
 体力測定、トレーニングサポート、映像・ITサポート、動作分析、ゲーム分析などを行い、選手やチームの競技力向上を図るとともに、ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)との連携を目指します。

トイレ

 アリーナ、体育館、エントランス、管理スペース等に、それぞれ十分な数のトイレを設置します。
 エントランス付近のトイレは、公園利用者に開放することとし、男性用、女性用のほか多機能トイレを設けます。
 アリーナ内に設置されるトイレは、興行時の混雑が緩和されるよう動線に配慮するほか、男性用と女性用の仕切りを移動できる等、運用面で工夫できる構造とします。 

ユニバーサルデザインへの配慮

年齢、性別、身体の状況などの違いにかかわらず、誰もが快適で安全に利用できる施設とします。

<主な内容>

  • エレベーターの設置
  • 授乳室、キッズルーム、センサリールームの設置
  • 車いす使用者用観覧スペースの設置
  • 多機能トイレ、オストメイト対応器具等の設置
  • ロータリーや駐車スペースとの動線の配慮

デジタル関連設備

 「みる」「する」「ささえる」それぞれにデジタル技術を活用する「スマートアリーナ」を目指し、その基盤となる高密度Wi-Fiやローカル5Gなどの通信ネットワーク環境を整備します。

<主な内容>

  • プロスポーツ興行や大規模な競技大会、各種イベント等で非日常性の演出を可能とする映像設備(センターハングビジョン、リボンビジョン等)をアリーナに整備(再掲)
  • アスリートの動作分析等に活用するAIカメラや自由視点映像装置等を導入
  • 「稼ぐ施設」として、広告事業にも活用可能なデジタルサイネージを各所に配置

省エネルギー

 LED照明や、温室効果ガスの排出の少ない高効率空調設備等の導入、屋根・外壁等の断熱性への配慮により、ZEB Oriented相当以上の施設とします。

県産材の活用

 「あきた県産材利用推進方針」に基づき、スイート・ラウンジ等の内装などへの県産材の活用を図ります。

防災拠点

 新県立体育館は、6,000人超を収容できる屋内施設であり、個室であるスイート、飲食施設、医務室等が備わっているため、災害時における避難所としての活用が期待されます。
 現県立体育館は、秋田市の指定避難所となっており、建て替え後も、引き続き指定避難所となることを前提に、関係機関と調整を進めていきます。

6 配置の基本的な考え方

  • 新県立体育館は、八橋運動公園内の既存の運動施設に影響を及ぼさないよう、現県立体育館に隣接する丘の周辺に配置します。
  • この丘は、公園利用者や地域住民の憩いの場となっており、建設に当たっては、頂上部をできるだけ残し、新県立体育館の機能の一部として効果的に活用します。
  • 緑地、遊具広場や駐車場・ロータリー等の外構も整備し、八橋運動公園全体の公園機能の向上を図ります。
  • 緑地、遊具広場、駐車場・ロータリー等の整備においては、県児童会館や県立図書館等の近隣施設との回遊性にも配慮します。
  • 通常時にエントランスホールやトイレ等を一般開放することで、八橋運動公園全体の中核的機能を担うことになります。

7 地方創生・賑わいづくり

 新県立体育館は、機能面において東北最高水準の施設になるとともに、地域の賑わいづくりの拠点施設となります。

【期待される役割等】
  • 競技大会の決勝では、アリーナを1面で使用し、映像装置や照明装置を用いて演出を盛り上げるなど、中学生や高校生が「あの場所でプレーしたい」と思う憧れの舞台となります。
  • Bリーグプレミアなどのプロスポーツ等の開催時には、県内外から多くの観客が訪れ、鉄道やバス、タクシーなどの公共交通機関の利用増や宿泊需要の増大が見込まれるほか、試合後には、世代を超えてファン同士が周辺飲食施設等で一緒に盛り上がることができます。
  • 興行時に屋外で行われるイベントでは、観客はもちろんのこと、観客以外の公園利用者も楽しむことができます。
  • 興行時以外には、エントランスを開放し、誰もがくつろぐことができるほか、ここを拠点に、公園内でジョギングをしたり、緑地で一息ついたり、インクルーシブ遊具で思う存分遊ぶことができます。
  • 近隣の県立図書館、児童会館、生涯学習センターの利用者が、キッチンカーや新県立体育館の飲食店で昼食を摂り、午後はプロバスケットボールの試合で盛り上がるなど、終日楽しむことができます。

 このように、新県立体育館は、スポーツを「みる」「する」「ささえる」県民だけでなく、公園利用者や、周辺住民等が集う地方創生の拠点となることを目指します。

8 今後の主なスケジュール

  • 実施方針策定の見通しの公表   令和5年(2023年)12月
  • 実施方針及び要求水準書案の公表 令和6年(2024年)3月
  • 公募期間            令和6年(2024年)7月~11月
  • 落札者決定           令和6年(2024年)12月
  • 設計・施工           令和7年(2025年)4月~
  • 開館              令和10年(2028年)秋

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