今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、諸般の報告と提出議案の説明を申し上げる前に、先般の熊本地震と千葉豪雨、さらに、最近の全国各地での大雨災害によりお亡くなりになられた方々に対しまして、秋田県民を代表し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 このように、全国的に自然災害が激甚化・頻発化する中、本県においても大雨や大雪による被害が相次いでおります。県としましては、ハード・ソフト両面からの防災・減災対策を強化してまいりますが、県民の皆様におかれましては、日頃からの備えを行っていただくとともに、いざという時には、身の安全の確保を最優先に、早めの避難行動を心がけていただくようお願い申し上げます。
 次に、総合計画の推進について申し上げます。
 新たな総合計画がこの春からスタートし、ターゲットの明確化と戦略的な情報発信等により、延べ宿泊者数や新規移住定住登録世帯数などは、着実に成果として現れつつある一方で、人口の社会減を巡っては、依然として厳しい局面が続いております。
 こうした深刻な現実に対しても、決して目を背けることなく、真正面から向き合い、果敢に挑んでいく姿勢が不可欠であります。
 このため、月単位でのきめ細かな進捗管理のもと、スピード感をもって事業手法の柔軟な見直しや次なる一手への展開を図り、施策の解像度と精度を高めながら、数値目標の達成に向け確実に歩みを進めてまいります。
 さらに、私自らが県内各地へと足を運び、県民の皆様との対話を通じて思いを分かち合い、的確に施策へ反映し、その先にある県民満足度の更なる向上につなげてまいります。
 次に、給付付き税額控除について申し上げます。
 先般、閣議決定された基本方針において、令和11年度から、所得に連動したきめ細かな給付を開始するとともに、それまでの経過措置として、来年度から、飲食料品に係る消費税率の引下げと先行的な給付を行うこととされております。
 消費税率の引下げは、地方の財政運営に大きな影響を与えることから、国の責任において、代替財源を確実に確保するとともに、給付の実施についても、先行導入分を含め、地方財政に十分に配慮することを前提に、実施主体に過度な事務負担が生じないシンプルかつ効率的な制度とするよう、国に強く働きかけてまいります。
 次に、港湾機能の強化について申し上げます。
 7月5日から12日にかけて、洋上風力発電関連企業の誘致を図るため、オランダ及びデンマークを訪問してまいりました。現地では、合成繊維ケーブルのメーカーであるファイバーマックス社との間で、本県への進出に向けた事業可能性調査を進める基本合意書を締結するとともに、風車の大手メーカーであるベスタス社に対し、本県のポテンシャルをアピールしたほか、世界最大級の洋上風力発電の基地港湾であるエスビアウ港を運営しているポート・エスビアウ社との間で、ノウハウや知見の共有を図るための覚書を締結することで合意してまいりました。
 今回の訪問では、広大な港湾エリアに、洋上風力発電の組立用地が整備され、周辺には電力ケーブルや建設・輸送などの関連企業が数多く立地している様子を目の当たりにし、港湾機能を整備することが地域の活性化に結びついていくものと、肌で強く感じました。
 先月27日には、広域的な資源循環の拠点となるサーキュラーエコノミーポートとして、秋田港、船川港、能代港が選定されたところであり、リサイクル原料となる資源の取扱実績や輸送環境、関連産業の集積状況などが高く評価された結果であると捉えております。
 このように、県の港湾を取り巻く環境は、今、大きな追い風を受けて着実に変化しております。この好機を逃すことなく、周辺エリアへの産業集積を図りながら、港湾機能の強化を力強く押し進め、総合的に活用していくことで、本県経済の飛躍的な発展に確実につなげてまいります。
 次に、観光誘客と県産品の販路拡大について申し上げます。
 5月15日から始まった秋田県得旅キャンペーンの第一弾では、「まだバレてない秋田県。」というキャッチコピーが共感を呼び、県内外からの誘客に結びつき、5月及び6月の延べ宿泊者数が、前年に比べ約25パーセント増加するなど、好調に推移しました。
 11月から来年2月にかけて実施する第二弾では、市町村やDMO、宿泊事業者等との協力体制を強化しながら、秋田の魅力が確実に価値として評価されるよう、より訴求力の高い商品開発を進め、全国に向けて冬の秋田を力強く発信してまいります。
 また、7月19日から23日にかけては、台湾と香港を訪問し、トップセールスを行ってまいりました。
台湾では、チャーター便の運航継続や秋田牛等の取扱拡大を強力に働きかけたほか、香港では、本県観光の魅力や県産品のPRを行い、関係者との対話の窓口を開き、新たな市場へとつながるチャネルを開拓してまいりました。
 特に、知事の訪問としては16年ぶりとなった香港では、人口規模に対して富裕層が多く、日本への関心も高いことを実感し、本県への観光誘客のみならず、県産品の販路拡大においても、台湾に次ぐ極めて有望かつ重要な市場であることを強く確信してまいりました。
 今後は、現地のニーズを的確に把握しながら、海外市場の取り込みに向けた戦略的な取組を重点的に展開してまいります。
 さらに、先月1日には、全国クルーズ活性化会議の会長に就任したところであり、本会議を力強くけん引するとともに、県内での受入態勢の充実を図りながら、クルーズ船の誘致を推進し、観光消費の拡大につなげてまいります。
 次に、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、アラブ首長国連邦駐日大使の来県についてであります。
 先般、国内最大級のAI向けデータセンターの建設計画が明らかとなったことを契機に、先月19日、同国のシハブ・アルファヒーム駐日大使が来県し、本県の豊富な再生可能エネルギー源をはじめ、豊かな食文化や農業、自然・文化など幅広い分野での連携について意見交換を行うとともに、秋田港周辺等を視察しました。
 同国の政府系ファンドが、プロジェクトへの投資を検討しているとのことであり、大使からは、本県の優れた事業環境や地域資源のポテンシャルについて高い評価をいただき、互いの強みを生かした多様な交流の推進に向けて、大きな一歩を踏み出すことができたものと考えております。
 次に、令和8年産の新米価格の動向について申し上げます。
 本年の水稲の生育は、七月以降の高温の影響等があったものの、全県の出穂期が平年どおりとなり、先月15日現在における作柄は前年並みと、順調に推移しております。
 他方で、主食用米の価格動向に目を向けますと、「令和の米騒動」と呼ばれた米価の高騰から一転し、令和8年産米の概算金は、全国的な需給緩和の影響等を受け、大幅に下落するものと把握しております。
 こうした米価の急激な変動は、生産計画の見通しを著しく不透明にし、農家の生産意欲の減退を招くなど、我が国の食料安全保障を支える本県農業の根幹を揺るがす深刻な懸念を生じさせております。
 県としましては、市場ニーズを的確に捉えた生産を後押しするとともに、全国有数の米どころの代表として、政府備蓄米の追加買い戻しの早急な実施のほか、今後は、需給緩和時の買い入れ等の弾力的な運用を図るなど、農家が将来に希望を持って農業経営を継続していけるよう、国に対し強く要望してまいります。
 次に、ツキノワグマによる被害防止対策について申し上げます。
 今年度は、春先から電気柵の設置や緩衝帯の整備、河川での伐木などを強化したことに加え、例年、クマの出没が増加し始める夏の対策では、ドローン等を活用した捜索・監視等の実証や、出没情報を共有するクマダスアプリによる情報発信の充実など、新たな技術も積極的に取り入れながら、切れ目のない措置を講じております。
 冬眠前に大量の餌を必要とする秋は、クマの活動が一段と活発化し、人里への出没が最も多くなる時期であり、今年度の対策の正念場を迎えております。
 現在、箱わな設置等の緊急支援体制の構築に向け、県建設業協会との連携を進めているほか、今後は、市町村における出没抑制や緊急銃猟等の捕獲体制の更なる強化に向けた取組を支援することにしており、県民の皆様の生命と平穏な暮らしを守ることを最優先に、あらゆる事態を想定しながら、万全を期してまいります。
 次に、「第五十回全国高等学校総合文化祭(あきた総文2026)」について申し上げます。
 先月1日に盛況のうちに幕を閉じた本大会は、県内外の多くの皆様に感動を与え、まさに、大会キーワードのごとく、輝きを放ち、成長し、次の時代へとつながる大変印象深いものでありました。
 開催に向け、中心となって活動した生徒実行委員会をはじめ、多大なご尽力をいただいた全ての関係各位に敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。
 全国から集まった多くの高校生により、地域の賑わいが生み出された様子を間近に見て、若者の県内定着や活躍できる環境整備への決意を新たにしたところであり、引き続き、施策の充実を図りながら力強く推進してまいります。
 次に、プロ野球東京ヤクルトスワローズの石川雅規投手の引退について申し上げます。
 石川投手は、秋田商業高校から大学での活躍を経てプロ野球の世界へ進み、これまでに通算188勝を挙げ、24年連続勝利の偉業を達成され、今シーズンをもって引退することを表明されました。長年ひたむきにマウンドに立ち、多くの県民に夢と感動、そして勇気を与えるとともに、平成22年のスポーツ大使就任以来、秋田の魅力を全国に発信し続けております。
 これまでの功績に対し、県民を代表して深く感謝の意を表しますとともに、新たなるステージでのご活躍をお祈り申し上げます。
 次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。
 はじめに補正予算案についてであります。
 今回の補正予算案は、県内経済の状況を踏まえ、引き続き取り組む必要がある物価高騰対策のほか、秋田県総合計画に基づく事業、公共事業等について計上しております。
 物価高騰対策については、食料品やエネルギーの価格高騰により影響を受けている県民の暮らしや事業活動の負担軽減を図るとともに、県内の消費喚起に向けた取組等を実施し、地域経済を下支えしてまいります。
 まず、生活者への対応として、県立学校における給食の食材料費に対して支援するほか、事業者への対応として、福祉施設や医療施設、保育所等に対し、光熱水費や食材料費等の負担増分を助成してまいります。
 また、商店街等が実施するイベントやクーポン発行などの取組を支援するとともに、県産日本酒のブランド力強化に向けた調査やプロモーションを実施してまいります。
 このほか、新たな制度融資として、経営安定資金に低利・低保証率の融資枠を設け、中東情勢の長期化の影響により厳しい経営環境にある県内中小企業の資金繰りの円滑化を図ってまいります。
 次に、総合計画に基づく事業については、林業・木材産業の収益性の向上を図り、稼げる産業へ成長させるため、AI等の先端技術を活用した実証や高度技術人材の育成を推進する森林産業クラスターの構築に向けた調査を実施してまいります。
 また、ツキノワグマによる被害を防止するため、警備会社による学校周辺の警戒活動を来年3月まで延長し、児童生徒の安全確保を図るとともに、県建設業協会との協定に基づき、大量出没時に建設業者が緊急支援業務を行う体制を整備するなど、今後の出没増加に備えて対応を強化してまいります。
 さらに、高校教育改革の推進に向け、先導的な拠点として国に計画が採択された能代高校定時制課程について、多様な学習ニーズを踏まえた指導体制の充実や遠隔授業用教室の整備等を行うとともに、来年4月に由利本荘市に開設を予定している衛生看護学院のサテライト施設について、オンライン授業に要する機器の整備等を進めてまいります。
 このほか、地方交付税により措置された地域未来基金費について地域活性化対策基金に積み立てし、産業クラスターの形成・拡大や地場産業の付加価値向上・販路開拓等に向けて取り組んでまいります。
 公共事業については、7月から8月にかけて発生した大雨の被害を受けた道路や河川等の復旧に要する経費を計上しております。
 一般会計補正額は、94億9,410万円であり、補正後の総額は、6,185億7,503万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県立衛生看護学院条例の一部を改正する条例案」は、秋田県立衛生看護学院における教育等に要する費用の適正な負担を確保するため、同学院の授業料等の額を引き上げようとするものであります。
 「秋田県中東情勢に係る中小企業経営安定臨時対策基金条例案」は、中東情勢の変化によりその経営に影響を受けた中小企業の経営の安定に資するため、金融機関からの借入れに対する支援を実施するための臨時の事業に充てる資金として、基金を設置しようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。