令和8年第1回定例会 6月議会知事説明要旨(令和8年6月9日)
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今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、はじめに、提出議案のうち、菅義偉氏を秋田県名誉県民に選定することについて申し上げます。
菅氏は、平成8年に衆議院議員に初当選、平成18年には総務大臣に就任され、ふるさと納税制度の創設を主導し、地方創生への大きな流れを生み出されました。その後、内閣官房長官として歴代最長となる7年8か月にわたり在任し、政策決定の迅速化や縦割り行政の打破、危機管理体制の強化などに手腕を発揮されました。
令和2年には、本県出身者として初めて内閣総理大臣に就任され、デジタル庁の新設により、我が国のデジタル化を強力に推進されたほか、携帯電話料金の引下げや不妊治療への公的医療保険の適用など、国民目線に立った施策に取り組まれました。
また、「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、脱炭素社会の実現に向けて確かな道筋を示されたことは、我が国のGXを加速させる契機となり、本県における再生可能エネルギー事業の進展にも大きく寄与したものと捉えております。
さらに、世界規模で猛威を振るい、人々の日常を一変させた新型コロナウイルス感染症への対応においては、ワクチン接種の加速化など、未曾有の国難に対し強い覚悟を持って臨まれ、その卓越した実行力は、国民に安心をもたらしました。
永年にわたり我が国の発展に尽力されるとともに、国政の最高責任者としての重責を担われたことは、郷土の大きな誇りであり、その多大なる功績をたたえ、名誉県民の称号を贈ることを提案するものであります。
次に、所信の一端を申し述べます。
私が知事に就任して1年が経過いたしました。この間、幅広い施策へのマーケティング手法の導入を積極的に進めたことで、庁内にマーケティングマインドが着実に浸透しており、ターゲットの明確化等による実効性の高い事業の企画立案や戦略的な情報発信が行われているという確かな手応えを感じているところであります。その結果として、例えば、本県への移住を検討している登録世帯数が増加しているほか、昨年度開催した出会いの機会を創出する全てのイベントにおいて、定員を超える応募があるなど、前向きな動きが見られております。
また、情報分野や再生可能エネルギー分野の企業の県内進出が相次ぎ、昨年度の企業誘致件数が、バブル経済の崩壊後では最多となる26件に達したほか、先般、本県のこどもの幸福感が全国トップであることが報じられるなど、未来を拓く明るい兆しが確実に現れてきております。
今年度は、「寛容・挑戦・安心」を基本理念に、「新時代に咲き誇る秋田」の実現を目指す新たな総合計画の初年度となります。施策の解像度と精度を更に向上させ、ターゲットとニーズを的確に見極めた事業を展開することで、顕在化しつつある変化の兆候を、県民の皆様が実感できる成果へと着実につなげてまいります。
他方で、国際情勢に目を向けますと、世界のエネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖されている影響は、本県の経済を支える中小企業や農林漁業者の足元にまで影を落とし、先行きの不透明感が一段と高まっております。
県内企業を対象に実施したアンケートでは、七割を超える企業が、燃料や資材等の価格高騰、あるいは供給の停滞などの影響があると回答しており、事態の長期化に伴う地域経済へのリスクが懸念されております。
このため、先月29日、国に対し、県内企業の窮状を訴え、石油由来製品等の安定供給や、企業の事業継続に対する支援を強く要望してまいりました。
県としましては、引き続き実態の把握に努めるとともに、先般成立した国の補正予算を効果的に活用し、県民生活や事業活動の安定に向けて、必要な対策を講じてまいります。
今後も、直面する諸課題に的確に対処するとともに、県民の声にしっかりと耳を傾けながら、総合計画に掲げた野心的な数値目標を必ずや達成すべく、私自らが先頭に立ち、機動的かつ果敢に挑戦してまいります。
次に、諸般の報告を申し上げます。
はじめに、ツキノワグマによる被害防止対策についてであります。
今年は春先からクマの出没が増加していることから、出没警報を発令し、注意喚起や対策方法の周知を行っているほか、市町村の鳥獣被害対策実施隊による管理捕獲をはじめ、電気柵の設置や緩衝帯の整備、河川等での伐木など、県を挙げて被害防止に取り組んでいるところであります。
しかしながら、なおも人の生活圏への出没が続き、新たに人身被害も発生するなど、県民生活の安全が脅かされていることは極めて重大な事態と受け止めております。
このため、更なる取組として、今月1日からは、警備会社による学校周辺での警戒活動を開始するとともに、警察においてもパトロール体制を一層強化したところであり、今後もあらゆる可能性を排除せず、より踏み込んだ対応を切れ目なく実施していくこととしております。
私たちの平穏な日常を取り戻すため、市町村との連携を更に強めるとともに、県民と一丸となって対策の実効性を高めてまいります。
次に、風力発電所における事故について申し上げます。
昨年5月に秋田市で発生した事故から1年を経過せずに、男鹿市内の風力発電所において、風車のブレードが折損・落下する事故が発生しました。また、男鹿市においては、別の事業者が小形風車の倒壊確認後、1か月以上経過してから地元自治体に報告するという事案も判明しました。
いずれも、風力発電事業に対する県民の信頼を揺るがす極めて憂慮すべき事態であり、国に対し、原因の早期究明や再発防止、重大事故発生時における地元自治体への報告の義務化等を強く求めてきたところであります。
風力発電の導入拡大は、エネルギー安全保障の強化やカーボンニュートラルの達成に必要不可欠であるとともに、本県が有する強みを経済的な利益に還元する重要な柱でもあります。当然のことながら、それは県民の安全・安心が土台にあってこそ成り立つものであり、引き続き、国と事業者に対して徹底した安全管理と情報共有を要請し、地域と風力発電事業が共生できる環境の整備に努めてまいります。
次に、新スタジアムの整備について申し上げます。
4月23日から、秋田市とブラウブリッツ秋田とのスタジアム整備に関する協議が再開され、先般、事業主体や施設規模、費用負担などの整備に関する基本方針案を三者で取りまとめたところであります。
今後は、県議会や県民の意見を踏まえながら、三者での協議を行い、正式な合意を目指してまいります。
次に、「第五十回全国高等学校総合文化祭(あきた総文2026)」について申し上げます。
開催までいよいよ一か月余りとなりました。来月26日のあきた芸術劇場ミルハスでの総合開会式を皮切りに、8月1日まで、県内8市において、全22部門の発表や競技が行われることとなっております。
これまで大会を盛り上げるため、生徒実行委員会が中心となって、秋田駅等での100日前イベントのほか、今月7日には50日前の広報活動などを行っており、多くの高校生が随所で活躍しております。
大会期間中は、県内外から約2万人の高校生が集い、関係者を含め、延べ10万人規模の人出が見込まれております。全国の高校生に本県の芸術文化はもとより、食や自然などの魅力を存分に体感していただく絶好の機会ともなることから、開催市や大会関係機関とともに、万全の運営体制を整え、更なる気運の醸成を図りながら成功に導いてまいります。
次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。
はじめに補正予算案についてであります。
今回の補正予算案は、物価高騰対策として早急に取り組む必要がある事業のほか、4月からスタートした秋田県総合計画に基づく事業、公共事業等について計上しております。
物価高騰対策については、各分野の状況の丁寧な把握に努めているところであり、幅広く効果が期待できるものを主として計上しております。
まず、家計に対する支援として、プレミアム付き商品券を追加発行し、引き続き県民生活を支えるとともに、県内の飲食・小売店等での消費拡大を図ってまいります。
また、先月から開始した「秋田県得旅キャンペーン」における、宿泊割引クーポンの取得が好調であることから、クーポンの原資を増額し、観光需要の更なる取り込みにつなげてまいります。
このほか、各分野における影響等を踏まえ、介護保険施設等に対し食材料費を助成するとともに、飼料の価格高騰の影響を受けている畜産経営体等の負担軽減に向けて支援するほか、省エネルギー化や省力化に向けた設備導入に要する経費を助成し、中小企業の生産性向上を後押ししてまいります。
今後とも、県内経済の状況や国の対応を注視しながら、必要な対策を講じてまいります。
次に、総合計画に基づく事業については、ツキノワグマによる被害を未然に防止するため、通学路や学校周辺において、警備会社による巡回等を実施し、児童生徒の安全を確保してまいります。
また、本県への移住や就職に関する情報サイトを利用者視点のデザインに改修し、機能の充実を図ることによってユーザーの利便性とターゲットへの訴求力を高め、移住・県内就職の増加につなげてまいります。
このほか、夜間・休日における小児医療の充実を図るため、オンラインを活用した診療体制を整備してまいります。
公共事業については、昨年8月の大雨によって被害が生じた檜木内川の改良復旧を実施するほか、遊佐象潟道路の整備など、国の内示による国庫補助事業等を計上しております。
一般会計補正額は、44億1,983万円であり、補正後の総額は、6,085億6,483万円となります。
次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
「秋田県監査委員の選任について」、「秋田県公安委員会の委員の任命について」及び「秋田県収用委員会の委員の任命について」は、一部委員の任期満了に伴う後任の選任等について、「秋田県土地利用審査会の委員の任命について」は、一部委員の辞任に伴う後任の任命について、それぞれ議会の同意をお願いしようとするものであります。
「秋田県立体育館条例案」は、新県立体育館の管理・運営に向けて、使用料の設定等を行おうとするものであります。
以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。