このたび提案いたしました議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、地方銀行の再編についてであります。
 来年1月の北都銀行と荘内銀行の合併による新たな銀行の発足に続いて、秋田銀行、プロクレアホールディングス及び岩手銀行の三行より、経営統合に向けた協議を開始する旨の発表がありました。
 「金利のある世界」への転換や金融インフラのボーダーレス化に加え、地方における急速な人口減少など、経済の流れや経営環境が大きく変化しております。
 こうした中での今回の決断は、将来を見据えて経営基盤と競争力を強化するための選択であると理解しており、スケールメリットを生かした大型投資案件への対応や、県内企業の生産性向上等に向けた広域的な支援などが期待されるものと捉えております。
 引き続き、地域に密着したサービスが維持され、県民生活や経済活動に大きな支障が生じることがないよう、今後の動向を注視してまいります。
 次に、エスビアウ港公社との覚書締結について申し上げます。
 一昨日、洋上風力発電の基地港湾であるデンマークのエスビアウ港を運営する同公社と、戦略的協力に関する覚書を締結いたしました。
 かつては漁港であったこの港は、わずか十数年で洋上風力発電の関連企業が集積する、世界最大級の拠点へと劇的な成長を遂げております。今後は、「東洋のエスビアウ港」を目指し、同公社が培ってきた知見を余すところなく吸収しながら、港湾機能の強化を図ることで関連産業の集積につなげ、地域の経済的利益に還元してまいります。
 次に、認定をお願いいたします令和7年度秋田県歳入歳出決算について申し上げます。
 一般会計歳入総額は6,542億300万円、歳出総額は6,360億3,139万円となり、事業繰越財源を差し引いた実質収支は、103億7,255万円の黒字となりました。
 令和7年度は、知事就任1年目として、まずは、県民満足度の向上を目指し、成果追求型へと職員の意識改革を図るとともに、新たに専任の組織を立ち上げ、マーケティング手法の導入により施策の解像度と精度を高めながら、人口減少をはじめとした諸課題の解決に向けて各施策を推進してまいりました。
 具体的には、顧客目線で企画立案することで施策・事業の実効性を高めるため、まず、首都圏に在住する本県出身の子育て世帯等を対象とした交流イベントや、外国人旅行者を対象としたオンラインアンケート等を実施し、本県への移住や観光に対するニーズの把握・分析を詳細に行いました。
 また、ターゲットの明確化や手法の最適化を図りながら、工場等の新増設に伴う設備投資への支援において、Aターン者の雇用を補助率の加算要件とする新たな制度を創設するとともに、趣味や各種体験等を切り口としてPRした出会いイベントの実施や、専門的な見地からの分析を踏まえた外国語版観光情報サイトの改修設計、国内産地の縮小等により需要が拡大している園芸品目の生産拡大などに取り組みました。
 さらに、ツキノワグマの大量出没を受け、人とクマの棲み分けに向けて、新たに管理強化ゾーンを設定し、捕獲や緩衝帯の整備を重点的に行うとともに、市町村に対する緊急銃猟の体制整備への支援や箱わなの貸与、警備会社による学校周辺の警戒活動を行うなど、県民の安全・安心を守り抜くことを最優先に考えながら、各般にわたって対策を強化しました。
 8月から9月にかけて相次いだ大雨や、県北部の7市町村に災害救助法を適用した記録的な大雪による被害対策として、被災された方の生活再建や被災施設の復旧に速やかに取り組んだほか、米価の高騰やエネルギー価格の上昇等に伴う物価高の影響を緩和するため、県民はもとより、幅広い分野における状況を踏まえてきめ細かく対応しました。
 このほか、SNSや大学生とのワークショップ、意見交換会等の多様な手法を活用し、未来を担う若い世代をはじめ、県民の声を広く反映した新たな総合計画を策定したところであります。
 よろしくご審議の上、認定いただきますようお願い申し上げます。