スーパー大区画ほ場でスマート農業の実証試験を実施

2021年07月16日 | コンテンツ番号 58804

 秋田県農地整備課では、スマート農業に対応した基盤整備の検討等を目的に、ほ場整備実施中のモデル地区において、スマート技術の効果を検証する実証試験を行っています。(スマート農業を支える基盤整備実証事業

 横手市の「横手地区」においては、県内最大級の区画である3.6ha区画のほ場が整備されており、令和3年5月に自動操舵農機による農作業が行われました。

①耕起作業(5月10日)

 耕起作業は自動操舵装置搭載の無人ロボットトラクターと、直進アシスト自動操舵装置搭載トラクター(有人)の2台を併用し実施しました。本地区では昨年度に国庫補助事業を活用し、RTK-GNSS基地局(位置補正情報を無線電波で送信)が設置されており、測位精度2~3cmの高精度の作業が可能となっています。

 有人トラクターに搭乗のオペレーターが、目視とタブレットにより無人トラクターの作業状況を常時監視しながら作業を行います。1人のオペレーターで2台のトラクターを監視操作できるため、労働力不足を補う効果が期待されるほか、それぞれ1台分空けて作業を行うことで旋回時の作業ロスが生じません。

 また、トラクターにはGPSロガー(移動経路記録装置)を取り付けており、走行の軌跡や時間を計測しています。ほ場間の移動が無く3.6haの作業が行えることから、作業時間の大幅な縮減が図られました。(代かきと田植えの具体的なデータについて最後に紹介します)

ロボトラと自動操舵トラクター(有人)
ロボトラ【左】と自動操舵トラクター(有人)
一台分空けて作業することでターンの作業ロスが生じない
一台分空けて作業することでターンの作業ロスが生じない

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

 

②代かき作業(5月21日)

 荒代かきを5月18日に実施しており、今回は田植え前の本代かき作業です。耕起作業同様にロボットトラクターと有人の自動操舵トラクターの2台を使用し、往復の代かき作業を行いました。この日は雨模様の天気でしたが、自動操舵(直線アシスト)のおかげでまっすぐ無駄なく順調に作業を進めていきました。なお、ロボットトラクターはもちろん旋回も自動運転で行います。

 テレビ局による取材もあり、省力化が期待されるスマート農業の効果をわかりやすく取り上げていただきました。

テレビ局による取材
テレビ局による取材
2台による代かき作業
2台による代かき作業

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

 

③田植え作業(5月24日)

 いよいよ田植え作業です。この日もテレビ局による取材があり、夕方の県内ニュースで放送されました。

 横手地区の3.6ha区画は、標準の1ha区画を約3枚分横につなげた形状となっているため、田植機の進行方向となる長辺が165m、横幅が220mの区画となっています。密苗移植栽培技術を導入しており、苗の補充は2往復に1回です。

 田植えは、直進も旋回も自動で行うオート田植機(8条植え)を使用し、特に旋回時は正確でスムーズな動作により、テンポ良く作業が進められていきました。途中休憩を挟みながら、正味6時間弱で3.6haの田植え作業を完了しました。 

旋回時はハンドル操作不要
旋回時はハンドル操作不要
正確で無駄のない作業が可能
正確で無駄のない作業が可能

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

 実証結果(途中報告)

 今回の各作業において、トラクターや田植機にはそれぞれGPSロガーを設置しており、農機の走行軌跡を記録しています。

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

実施年度
 R2
 R3
 R4


実施内容
 ○実施計画策定
○モデル地区実装(機器等の導入)
 ○実証
(データ収集・効果検証)
 ○整備基準の検討
○普及・啓発

  代かき作業と田植え作業について、その記録を分析した結果、走行軌跡から無駄なく等間隔な作業が終始行われていたことが確認できます。

 また、開始時間と終了時間から、

  ・代かき(1回目=往路) 3時間12分【ロボトラと有人トラクターの合計作業時間は5時間】

  ・代かき(2回目=復路) 3時間32分【ロボトラと有人トラクターの合計作業時間は5時間41分】

    合計 6時間44分

  ・田植え 5時間42分

であったことが確認できました(速報値)。それぞれ10aあたり10分程度の作業時間であったことから、かなり効率的に作業が行われたことがわかります。

 横手地区においては、1haや30a区画規模のほ場における作業時間と比較することで、スーパー大区画の有効性や今後の整備区画規模の検討を行っていくこととしています。(比較の結果は今後改めて紹介する予定です)

 

GPSロガーで記録した代かき作業の軌跡
GPSロガーで記録した代かき作業の軌跡(2回目(復路)も同様の軌跡となっている)
 
田植機の走行軌跡
田植機の走行軌跡