【第4回ジバゼミ開催】「かわつら next 800」~秋田県漆器工業協同組合~

2018年09月20日 | コンテンツ番号 37468

つながる「ふるさと」、オガチの底ヂカラプロジェクト  趣旨

湯沢雄勝地域には川連漆器や稲庭うどん、清酒や味噌醤油など、秋田を代表する数多くの地場産業があります。また、国内外に誇るトップクラスの技術を有し、長年、地域とともにその歴史を刻んできた企業・事業所が多く存在しています。

このプロジェクトでは、湯沢雄勝の顔とも言える経営者らが、管内産業の魅力をより深く学び合うことで、地元企業や人物等の魅力を再認識するとともに、「ふるさと教育」を通して、地域の子どもたちや若者に、地元の良さや郷土への誇りを伝える土台を築くことを目指していきます。

ジバゼミ開催の概要 

ジバゼミ〖じばぜみ〗とは・・・

管内企業等や伝統産業の特長や強み、地域に根ざした事業展開の理由や意義等について学ぶ、交流勉強会のことです。

「社会科見学編」と「地場産業体験編」の二種類があります。

開催概要と講師

【開催日】平成30年9月4日
【講師】秋田県漆器工業協同組合 理事長 佐藤 慶太氏
【プロフィール】
株式会社佐藤商事代表取締役。2017年5月より秋田県漆器工業協同組合の理事長に就任(11代)。常に使う人の立場に立った製品の提供がモットー。産地の未来を考え、組合として川連漆器のPRや後継者の育成事業にあたっている。海外での販路開拓にも意欲的で、2018年9月には初めてロンドンで販路開拓プロジェクトを、また、11月にはパリの展示会にも出展予定。

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秋田県漆器工業協同組合 理事長 佐藤 慶太氏

この先100年、そして800年先のために 「川連漆器産地復興ビジョン~かわつらnext800~」

800年の歴史を持ち、国の伝統的工芸品にも指定されている川連漆器。川連地区の半径2キロ以内には、木地師、塗師、蒔絵師、沈金師など漆器に携わる職人や業者が200戸以上あり、一大産地を形成しています。
しかし、近年の生活様式等の変化に伴い、川連漆器の生産額はこの15年間で約25%減少し、さらに従事者数は約59%も減少しました。
昨年、秋田県漆器工業協同組合理事長に就任した佐藤理事長は、この現実に愕然とします。
「この成り行きに任せていては、川連漆器は衰退の一途を辿ることになりかねない」。今こそ、産地全体で川連漆器の将来を真剣に考えていきたいと、5年後、10年後を見据えた中長期ビジョン「川連漆器産地復興ビジョン~かわつらnext800~」を掲げるに至りました。

まずは、「川連漆器を知る」。

川連塗りは、原木の「木取り」からこだわります。
「横木取り」といって、例えば大きな菓子鉢などは外周部から、また、小さな器は中心部からと、原木から無駄なく木取りし、歩留まりに大変優れています。

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さらに『切り出した後も生き続ける』という木の特性をふまえ、燻煙しながらゆっくりと乾燥させることで、狂いや歪みが出るのを防いでいます。
こうして木地づくりに約1ヶ月をかけ、さらにその後の塗りや、加飾(沈金、蒔絵)など、いくつもの工程を経て仕上がる川連漆器。こうした職人の手作業が、「川連漆器」ならではの高いクオリティを保ってきたのです。

お値段が高い理由は、まさにここにあります。 

 

「つくり手ファースト」に込められたメッセージ 

伝統的工芸品の指定要件は大変厳しく、伝統的技術や技法が100年以上の歴史を有すること、原材料や基本的な技術・技法が今日まで継続していることなど、一定の基準をクリアする必要があります。
何かとやっかいな伝産法(※伝統的工芸品産業の振興に関する法律)ですが、その趣旨は「職人を守ることにある」と言います。
何段階もの工程を職人が分業しているのも、当川連地区の特徴。つまり、どの段階が欠けても産地は成り立たないことになります。
「川連漆器産地復興ビジョン~かわつらnext800~」が目指すもの。それは、文字通り、つくり手第一主義。つくり手を守ることは、すなわち、漆器業に携わる一人ひとりの幸福の追求へとつながっていくことなのです。

未来に伝えていきたい、本物の良さ

一般消費者は、ともすると樹脂やウレタンなどを使用した、価格が安い漆器製品につい手が伸びてしまいがち。売上の伸び悩みは、職人の収入にも直結します。
こうした現状を打破するため、組織を挙げた、販売力・営業力の強化は急務。佐藤理事長が海外展開に力を入れるのも、ここに理由があります。

近年の海外の和食ブームに目を付け、ロンドンの三つ星レストランで、実際にテーブルウェアとしての使い心地を体感してもらう『テストマーケティング』にも取り組みはじめました。

「小中学校の給食の器に川連漆器を使うことによって、柔らかな口当たりや、漆がもつ抗菌作用など、素晴らしい機能があることを、子どもたちや若いお母さんたちなど、いろんな世代に広く知ってほしい」と意欲的に語る佐藤理事長。

漆の植栽をはじめとして、職人の後継者育成にも力を入れています。
いま、まさにこの先800年先を見据え、着実な一歩を踏み出しています。

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(写真上)湯沢市稲川地区の小中学校で、学校給食に使用していた漆器の器(写真:平成28年撮影)

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(写真左上)産地を守るため、2年前から漆の植栽にも取り組んでいます。

参加者の感想 

・実際に蒔絵を体験し、技術の高さや製品としての価値を、改めて知ることが出来た。

・器のひとつひとつに職人の高い技術が凝縮されている。高い価格にナットクできるし、もっと価値に見合ったプライスでもよいと感じた。

・若きリーダー佐藤理事長のリーダーシップが素晴らしい。新たな取組には膨大なエネルギーを要するが、その強い信念と「つくり手ファースト」にたどりついたプロセスを皆が共有しているからこそ、支持されているのだと感じた。

・修理もできる川連漆器は、まさに一生もの。川連漆器の良さを知るきっかけをもっともっと増やしていけば、地域全体の盛り上げに結びつくのではないか。

・湯沢にある、地域内のブランド(酒造、稲庭うどん)とコラボすれば、いろんな相乗効果が生まれそう。


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  川連漆器が持つ力とは、何か。参加者全員で意見交換しました。

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  蒔絵体験にも挑戦しました。

 ジバゼミレポート

第4回ジバゼミレポート     

  ジバゼミ、今後の予定

次回(10月3日)の訪問先は、秋田木工株式会社です。

引き続き、レポートをお楽しみに。 

 プロジェクト早わかり


 つながるふるさと、オガチの底ヂカラプロジェクト実施要領

第一回実行委員会(キックオフイベント)の模様はこちら 

ジバゼミレポート1「相川ファーム編」はこちら

ジバゼミレポート2「秋田研磨工業編」はこちら

ジバゼミレポート3「和賀組編」はこちら

 

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