「美しい花には棘がある」という諺があります。この解釈として一般的なものは、外見の美しさに惑わされずに内面の危うさにも注意を払うべきという教訓です。しかしながら芸術の世界においては、この「棘」(ハッとするような意外な表現やモチーフに込められた辛辣なメッセージ性など)は、作家自身の嗜好や主張を表現するため積極的に作品に取り入れられてきたといえるでしょう。そして不思議なことに、美しい物を見た時の感動にも負けないくらい、私たちの記憶に強く刻み込まれる事もあるのです。

  本展では当館所蔵の作品から、これらの「棘」に着目し焦点を当てることで、作家の創作意図や造形の工夫に迫ります。美しさだけではない、「棘」の魅力もこの機会に是非お楽しみください。

会     場 :秋田県立近代美術館6階展示室(秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46 秋田ふるさと村内)

会     期 :令和8年1月8日 木曜日 ~ 4月12日 日曜日

休 館 日:令和8年1月20日 火曜日 ~ 1月29日 木曜日

開 館 時 間 :午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

      ※~3月19日 木曜日 までの平日は午後4時閉館(入館は午後3時30分まで)

観   覧   料 : 無料

出品作品および展示構成 :

【第1~第3展示室】華と棘
  結城素明「不老富貴」制作年不詳、寺崎廣業「小野小町」1899(明治32)頃、
  山村耕花「お七吉三」1910年代、玉村方久斗「書斎(仮題)」1931(昭和6)頃、
  福田豊四郎「氷原」1958(昭和33)、小松均「春の最上川」1974(昭和49)、
  浜松小源太「作品」1930年代後半、佐々木良三「北部日本海の異変」1991(平成3)、
  佐藤忠良「うれ」1959(昭和34)、舟越保武「原の城」1971(昭和46)  ほか
                  日本画18点・洋画18点・彫刻6点  計42点
会期中に展示する秋田蘭画作品
   小田野直武《富嶽図》1770年代【展示期間:1/8 木曜日 ~2/24 日曜日 】
   小田野直武《鱒図》(制作年不詳)【展示期間:2/25 月曜日 ~4/12 日曜日 】
 

令和7年年第3期コレクション展「華と棘」チラシ画像 [336KB]