文部科学省では、毎年、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた方々を表彰するため、科学技術賞、若手科学者賞、研究支援賞、創意工夫功労者賞の4つの大臣表彰を定めています。
 そのうち創意工夫功労者賞では、鉱工、農林、水産、運輸、通信、建設、保健衛生、電力ガス等の業務に従事する勤労者のうち、工場等における職長以下の工員、農林水産業従事者、医療補助者、研究所における研究補助員、技能職員及びこれと同程度の者であって、優れた創意工夫によって各職域における技術の改善向上に貢献した方々を表彰しています。
 今年度は、全国で450名の方々の受賞が決定しましたが、このうち本県では5名の方が受賞され、令和7年4月16日(水)に表彰状の伝達式が行われました。
 
 R7集合写真

受賞者 JR東日本テクノロジー株式会社 車両事業本部秋田支店 今野 亨 氏
 
業績名  パンタグラフ専用架台の考案

創意工夫の概要
 鉄道車両部品である「パンタグラフ」は、電車に電気を取り入れる装置であり、当社では全18型式の修繕を担っています。それぞれ形状が異なるため、修繕に際しては作業台や脚立をその形状に合わせて配置を変える必要があり、作業台や脚立の昇降、クレーンを使用する等、身体への負担や作業効率が悪いという課題がありました。このため、1台で全型式の修繕に対応できる「パンタグラフ専用架台」を新規製作したことで、身体への負担軽減と作業ロスの削減を実現することができました。
 

 
受賞者 秋田指月株式会社 遠藤 淳也 氏
 
業績名 はんだ付け装置の考案
 
創意工夫の概要
 当社では自動車用部品であるコンデンサモジュール(複数のコンデンサを組み合わせた部品)の生産工程のひとつである、はんだ付け工程の一部(部品の次工程への移動及び製造番号の読み取り)を手作業で行っており、作業時間の短縮や読み取り忘れなどのヒューマンエラー発生が課題となっていました。そのため、多関節ロボットを導入するなど、一連の工程を自動で行う装置に変更しました。その結果、課題が解決され、生産面、品質面ともに向上させることができました。
 


受賞者 秋田製錬株式会社 佐々木 昌平 氏、田口 航 氏、保坂 達仁 氏

業績名 亜鉛残渣中の異物処理方法の改善

創意工夫の概要
 亜鉛製造工程のひとつであるヘマタイト工程において、中間生成物である亜鉛残渣を処理する際、塊状物やプラスチック片等の異物が混入することがあるため、異物が次工程に流入しないよう途中にストレーナを設けて除去しています。その異物には亜鉛残渣が付着し、そのままでは廃棄できないため、これまでは作業員が手洗浄等をしており、大きな作業負荷、安全上のリスクとなっていました。新たに延命化対策を施した自動洗浄機を導入することで、作業負荷軽減や安全性の改善、コスト削減につなげることができました。


 

外部リンク

令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等を決定しました