道路、鉄道、河川、公園などの公共事業のため土地が必要となった場合は、通常、事業の施行者(起業者)が土地所有者と話し合って、売買契約により土地を取得します。
  しかし、補償金の額などで折り合いがつかない場合、起業者は土地収用法の規定に基づいて、収用委員会に対して収用の裁決の申請をすることができます。
 収用委員会では、審理や調査、鑑定などの手続を経て、収用する土地の範囲、補償金の額などについて裁決します。こうした手続を経て、起業者は土地を取得し、その土地を公共事業のために使うことができます。

 

※土地収用法は、憲法で保障された個人の財産権と公共の利益との調整を図り、国土の適正で合理的な利用に寄与することを目的として、公共事業に必要な土地の収用(または使用)の要件、手続、効果、損失の補償などについて規定しています。
  使用とは土地に使用権を設定したり、権利制限することをいいます。使用も収用とほぼ同じ手続で行われますので、ここでは、収用の場合について説明します。