令和7年9月26日 金曜日 、秋田県立大学アグリビジネス学科1,2年生の54名が、農業生産基盤や農村の環境保全を支える技術を理解することを目的に、北秋田市内の農業水利施設及び区画整理後のほ場の現地研修を行いました。 

 

 はじめに、北秋田市米内沢の「本城頭首工」を見学しました。

 頭首工とは、河川から必要な農業用水を用水路に引き入れる施設のことです。頭首工は取水口、取水堰、魚道などの付帯施設と堰の管理を行う管理施設などからなります。

 本城頭首工は、一級河川阿仁川にかかる全堰長108.5mの巨大なコンクリート製の固定堰です。平成19年の豪雨の影響で被災しましたが、その後の災害復旧事業によって現在の形になりました。

 現地では、頭首工の形態や概要の説明をはじめ、新築された魚道(サケやアユなどの魚が遡上するために必要な通路)が生態系に考慮した設計になっていること等を学びました。

 学生からは、固定堰と可動堰の違いや、魚道の位置についてについて質問がありました。

 本城頭首工

本城頭首工を見学する学生の様子

 次に、平成28年度にほ場整備事業が完了した「本城地区」のほ場を見学しました。

 ほ場整備事業とは用排水路を整備し、農地を大区画化・汎用化することで、農業生産性を向上させることを目的とした事業です。

 本城地区の水田には、先に見学した本城頭首工から農業用水が供給されています。

 本城地区ではほ場整備事業の流れや事業の効果について学びました。加えて「高野尻地区」で行われているスマート農業についても学びました。高野尻地区では自動給水栓やターン農道を採用することで、農作業の省力化を目指しています。

ほ場整備事業の説明を聞く学生の様子

  最後に、令和6年度より工事が始まった「堂ヶ岱大堤ため池」を見学しました。

 ため池は農業用水の確保を主な機能とし、他に地域防災や生態系の保全といった多面的な機能を有してます。

 本ため池も、下流にあるほ場に農業用水の供給を行っていますが、洪水時には溢水や堤体が決壊するおそれがあるため早期の改修を目指しています。学生たちはため池を改修する重要性について学びました。

ため池改修事業の説明を聞く学生の様子

 

 今回の現地研修を通して、一人でも多くの学生が「農業農村整備」に興味を持っていただければ幸いです。

 

 来年もお待ちしております。