[県民の声] アニメーション、3DCGという新たな産業について
回答日:
担当部局:産業労働部
県民の声
受付日 | 2019/4/18 |
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受付番号 | 314004 |
広聴形態 | 知事への手紙 |
提案区分 | 提言・要望 |
本文 | 私が秋田県を出て進学、就職した理由は、これからの秋田の産業は、3DCGやTV等で使われるセルなどのアニメーションの映像技術等が担うだろうと考えたからです。 宮城県仙台市の専門学校で3DCGを2年間学び、その後東京でTVや映画、ゲームなどのアニメーション制作を行っている会社に就職し、いくつかの会社を経て、現在フリーランス(個人事業主)としてアニメーション制作の仕事を請け負っています。 東京でアニメや3DCGの映像制作をしていて、ここ数年思いを巡らせたことは、データの送受信が簡単になった現在において、地価が高い関東圏でアニメーション等の制作を行うより、人口減が著しい秋田で映像制作を行うことで、人口流出を防ぎ、地域の産業として、活性化につながるのではないかと頭に浮かぶようになりました。 現在、アニメーションや3DCG業界を取り巻く状況は危機的です。年々増え続ける作品の制作本数に対して、国内のクリエイターや現場を統括する管理側の人材養成が追いつかず、中国や韓国、東南アジア等の制作スタジオに仕事を依頼する流れが、ここ15年程で増大しました。また、本数が増えた影響で制作費が年々下がり、元々低賃金重労働と言われていた業界では、現場の崩壊など、経営環境がさらに悪化の一途をたどっています。 このような状況のため、若い人材が育たず、教える人間もいないため、使い捨てにされ、現場を担うべき20代後半から30代半ばの人材が枯渇し、空洞化している惨状です。 この状況を変えるには、業界企業と教育機関との連携が大切で、教育現場でアニメーションや3DCG、ゲーム制作などの指導を行う流れをつくることが必要と考えます。仁賀保高校の情報メディア科が「eスポーツ」、「CGデザインコース」等の教育に力を入れていますが、まだまだ活動は小さいと感じています。 現在、東京で生活していますが、秋田県の人口減少等には胸が締め付けられる思いです。私は、数年のうちに東京と秋田を行き来しながら、秋田でのアニメーション制作の下地を作りたいと考えていますが、こような業種で起業したいと考えるこれからの若い世代は、地元企業や県等の協力なくして、活動は難しいのではないかと考えます。地域の新しい産業として、秋田県が推進することで地域の活性化につながり、引いては東北全体の活性化につながっていくと考えます。 |
県からの回答
処理区分 | 実施中 |
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本文 | 御意見のありましたアニメーションや3DCG、ゲーム制作等のコンテンツ産業につきましては、本県においてその分野に取り組んでいる企業は小規模の事業者が数社見られるにとどまっており、仁賀保高校や専門学校等で学んでも、県内に雇用の受け皿がなく、残念ながら、県外に活躍の場を求める若者が多いのが実状です。 一方、最近では、自動車の組込系ソフトやセキュリティ分野のほか、業務アプリケーション開発を行う企業などを中心に、本県へのICT関連企業の新規立地が増加傾向にあることに加え、コンテンツ系企業についても、今のところ拠点化までには至っていないものの、アニメの背景画等を制作している企業が秋田公立美術大学で講座を開催するなど、当該分野の人材育成や人材確保に向けた新たな動きも出てきています。 御指摘のとおり、情報通信ネットワークの環境が整った今日においては、首都圏等でなく地方においても多様な事業活動が可能です。 現に秋田に進出しているICT企業においても首都圏等大都市に拠点を置くことにこだわらず、むしろ、優秀な人材の確保を目的に、本県への立地を決定した企業も多く見受けられます。 県としましては、コンテンツ系のICT企業等、若者や女性の活躍が期待できる分野について、引き続き誘致活動を行い、多様な雇用の拡大を図るとともに、とりわけ、未来の秋田を担う若い世代が、大胆な行動力とアイディアによって夢にチャレンジする社会こそが、新時代の秋田の元気創造の源泉となることから、今年度創設した「若者チャレンジ応援事業」等により、新規創業や地域の課題解決への取組を強力に支援してまいります。 近いうちに秋田でアニメーション制作を行える下地を作りたい、との御意向のようでありますので、是非、一度県の担当者と面談のうえ、意見交換等していただき、御計画の実現に向けて、県としてもお手伝いさせていただければと考えています。 |
事項名:企業支援・企業誘致