文部科学省では、毎年、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた方々を表彰するため、科学技術賞、若手科学者賞、研究支援賞、創意工夫功労者賞の4つの大臣表彰を定めています。
 そのうち創意工夫功労者賞では、鉱工、農林、水産、運輸、通信、建設、保健衛生、電力ガス等の業務に従事する勤労者のうち、工場等における職長以下の工員、農林水産業従事者、医療補助者、研究所における研究補助員、技能職員及びこれと同程度の者であって、優れた創意工夫によって各職域における技術の改善向上に貢献した方々を表彰しています。
 今年度は、全国で473名の方々の受賞が決定しましたが、このうち本県では6名の方が受賞され、令和8年4月16日 木曜日 に表彰状の伝達式が行われました。

 
令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 創意工夫功労者賞の受賞者の皆様
 

受賞者 小坂精錬(株) 安保 祐里 氏

業績名 原料搬送コンベアシュート改良による作業環境改善
 
創意工夫の概要
 
鉛製錬の原料を製造する工程で、コンベア上での発塵や落鉱による作業環境への影響が問題となっており、調査の結果、コンベア乗り継ぎ部のシュート内で原料が落下した際に、コンベア上での跳ね返りや衝撃力によるベルトのたわみが生じ、隙間から発塵や落鉱が発生していることが原因とわかりました。そこでコンベア乗り継ぎ部のシュート内に傾斜付き邪魔板を多段で設け、落下する原料の勢いを吸収することで発塵や落鉱を抑制し環境改善に繋げました。
 

受賞者 小坂製錬(株) 児玉 雅弥 氏

業績名 高純度異常電着発生原因の対策による不良率改善

創意工夫の概要
 スズを金属地金として精製するための電解採取工程では、電気分解により溶液中のスズを電極板に析出させて回収していますが、電解中の異常な析出状態が原因で、隣り合う電極板同士が接触するショートが発生し、製品ロスが生まれていました。そこで、異常析出の発生が多い箇所の部品の一部をカットすることで、析出するスズの密着性向上と異常析出の低減を実現することができ、品質やコスト、作業や安全面まで多種の改善となりました。
 

受賞者 秋田製錬(株) 小林 結基 氏、松橋 大輔 氏

業績名 フィルタープレス洗浄によるろ布寿命改善

創意工夫の概要 
 亜鉛製造工程の一つであるリサイクル工程では、固液分離にフィルタープレスを使用しています。フィルタープレスは、ろ過板に取り付けたろ布を用いて固液分離を行う装置です。安定操業のため、定期的に高圧洗浄機によりろ布を洗浄し、交換していましたが、他の工程で使用している硫酸を含む工程液が洗浄に有効であったことから、配管や制御プログラムを変更し、これを用いて洗浄することで、交換頻度を大幅に下げ、購入コスト削減・交換時の作業負荷低減を達成しました。 

 

受賞者 宮腰精機(株)刈和野工場 佐々木 洋一 氏

業績名 多数個取り無人化加工治具の考案

創意工夫の概要
 印刷機の部品で、サイドレー軸受と呼ばれる部品は、多色刷り印刷の色ずれをなくして印刷精度を向上させる重要な部品です。これまでは部品を1個ずつバイスに挟んで中央部に幅3ミリ、深さ51ミリの細い溝加工を汎用フライス盤で13回に分けて少しずつ手作業で行っており、作業効率に課題がありました。これを6個取りできる治具を製作したことで、自動切込み装置が付いた機械で一度に無人加工できるようになり、生産性が大きく向上しました。


受賞者 JR東日本テクノロジー(株)秋田支社 竹内 祐一 氏

業績名 鉄道車両用穴あけ治具の考案

創意工夫の概要
 鉄道車両のデジタル無線工事における床下への電線管の新規増設では、電線管を固定する押えバンドを取付けるため、長時間上向きや前屈の姿勢で、金属部材に穴あけ作業が必要となり、作業者への負担が大きいことや作業効率が悪いという課題がありました。このため、立ち姿勢で穴あけできる車体ハリ部穴あけ用と車体へぶら下げて使用できる狭小スペース用の2種類の「鉄道車両用穴あけ治具」を考案したことで、作業者の負担が減り、作業効率も向上しました。
 

外部リンク

令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等を決定しました