秋田オリジナルワカメ成長記
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秋田オリジナルワカメ成長記《H27.3.30分更新》
秋田県沿岸、特に男鹿半島では冬期間、ワカメ養殖が行われています。水産振興センターでは、秋田の海に生育する天然のワカメ(甘くて、柔らかくて、特にネカブが美味しいのですが、通常の養殖ワカメよりも小さいのが悩みです。)の中から大きな物を選抜し交配して育成、更にその中から再び大きな物を選抜し交配することを繰り返し行い、大きなワカメ(秋田オリジナルワカメ)の性質を受け継ぐ種を育てています。秋田オジナルワカメは今年で6代目になり、当初の天然ワカメに比べて2倍程度(5代目段階)まで大きくなりました。
本ページでは当センターで養殖試験をしている秋田オリジナルワカメの成長について、随時皆様にお知らせしていきます。
なお、当センターのワカメ関連ページはこちらです。併せてご覧下さい。
- ワカメの種糸を漁業者の皆さんにお渡ししました(平成26年11月11日)
- ラジオ局から秋田オリジナルワカメの取材(平成26年4月8日)
- ワカメの養殖が始まりました(平成25年11月5日)
- ワカメ養殖の省力化機器開発!(平成23年11月17日)
平成26年11月6日(木)
水産振興センターの水槽内で育てた秋田オリジナルワカメの種糸(ワカメの芽の付いた直径1mm程度の糸)を沖合の養殖用ロープに取り付けました。これから海中での養殖試験開始です。
芽の大きさはまだ1mm程度ですが、これからどんどん大きくなり、3月下旬~4月上旬の刈り取りの頃には大きいもので長さ3m以上になり、根の部分には大きなネカブがつきます。
平成27年1月21日(水)
養殖試験中のワカメを確認したところ、平均全長は約55cmまで育っており、順調に成長しています(通常は、3月に入るとグンと大きくなります)。
養殖ロープに付くワカメの本数が多い(密度が高い)と小さいワカメがたくさんできることになり、ネカブも小さくなり、逆に密度が低いとそれぞれのワカメは大きくなっても全体の収穫量が少なくなります。今年の密度はこれまでの経験から最適と思われ、今後の成長に期待しているところです。
平成27年2月5日(木)
養殖試験中のワカメの確認の2回目を行いました。
平均全長は55cmから90cmに、重さは養殖ロープ1mあたり0.3kgから0.7kgと1月21日に行った1回目の確認から、約2週間で2倍程度まで成長していました。
平成27年2月25日(水)
養殖試験中のワカメの3回目の確認を行いました。
平均全長は90cmから154cmに、重さは養殖ロープ1mあたり0.7kgから3.2kgと、2月5日に行った2回目の確認から、20日間で重さは4倍以上に成長していました。
平成27年3月16日(月)
養殖試験中のワカメの4回目の確認を行いました。
平均全長は前回(2月25日)の154cmから188cmに、重さは養殖ロープ1mあたり3.2kgから9.0kgと約20日間で約2.8倍に増えていました。測定方法は養殖ロープ1mの長さの区間に生えているワカメ5本の長さの平均値と、その全ての生の重量を用いています。
ナンブ系ワカメに比べて、小さいのが悩みの秋田オリジナルワカメですが、同じ日に確認したナンブ系ワカメは平均全長281cm、ロープ1mあたり11.8kgでした。
平成27年3月30日(月)
養殖試験中の秋田オリジナルワカメの5回目の確認を行いました。今回の確認が最後となります。
平均で全長は前回(3月16日)の188cmから241cmに、体重は養殖ロープ1m当たりで9.0kgから15.4kgに増えていました。同じ日に確認したナンブ系ワカメは平均で全長334cm、体重は養殖ロープ1m当たり22.2kgでした。
試験を開始した当初(H21年)にはオリジナルワカメの養殖ロープ1m当たりの収穫量は、ナンブ系ワカメの約35%しかありませんでしたが、6代目になる今年は約70%と当初の倍にまで増加しました(図1)。写真のとおり、オリジナルワカメの葉の部分の収穫量はナンブ系ワカメにおよびませんが、メカブの量は逆にナンブ系よりも多いのがわかります。しかも、オリジナルワカメのメカブは甘くて、粘りが強く美味しいので、収穫量の増加を目指した来年の試験に向けて期待が高まっています。
収穫期を迎え、県産の養殖ワカメが店頭に並び始めました。秋田オリジナルワカメは今年がデビューとなります。店頭で見かけた際には、是非手に取っていただき、秋田の新しい春の味をご賞味ください。