漁海況モニタリング情報(スルメイカ関係)

平成26年6月5日
秋田県水産振興センター

平成26年6月2~3日、漁業調査指導船千秋丸で行った沖合海洋観測による水温測定結果から、次のような状況が明らかとなりました。

入道崎真西の線(定点1~5)の水深50mの水温は、平成24、25年6月初めの値と比較すると表1のとおりです。

表1 定点の水深50mの水温

表:定点の水深50mの水温

*表中の定点番号は下図のSt. 番号と同じです。

定点5で、低い水温が観測されており、低水温の水域の入り込みがありますが、それ以外の定点では、平成24、25年の観測値を上回る水温となっています。平成25年6月は降雨の日が少なく気温が高く推移したことも影響していると考えていますが、水温が高めであることから判断すると、スルメイカが秋田県沖合海域を北上していくのは速いと推察されます。

なお、4月30日発表の水産庁と(独)水産総合研究センターによる「平成26年第1回日本海スルメイカ長期漁況予報」では、5~7月の日本海におけるスルメイカ来遊量は、近年平均を下回り前年並み、漁期・漁場については、開始は平成25年より遅く、近年の平均並み、魚体の大きさは、前年および近年並みとなっています。

また、漁業情報サービスセンターによると、新潟県のイカ釣りによる5月18~26日までの漁獲量は23.8トンで、前年の1.5倍となっています。山形県では5月24日~30日までに73トン、前年同期91%の水揚げがあり、漁獲の開始が1旬程度遅れた模様です。

6月4日現在の水産振興センター地先水温は20℃で、椿漁港の沖合底びき網漁船による小イカの水揚げは120箱程度となっています。

図1 漁業調査指導船千秋丸による水温の観測定点

図:漁業調査指導船千秋丸による水温の観測定点