野上陳令日記第2巻

 秋田県公文書館では、旧秋田県立秋田図書館以来、秋田藩の藩政史料の翻刻・刊行事業を行っており、これまで『国典類抄』『御亀鑑』『渋江和光日記』『宇都宮孟綱日記』『岡本元朝日記』を刊行してきました。これに続くのが、寛政から弘化にかけて教学関係の役職を中心に多彩な役職を歴任し、最終的には明徳館の祭酒(学長)を勤めた野上陳令による約50年におよぶ日記です。
 
 今回刊行の第2巻は、文化11年(1814)5月から文政5年(1822)5月の間に表方役職を務めた際の記録である「御副役御用留書」「御評定方奉行御用留書」「町方御用留書」を収録しています。御副役就任から評定奉行に昇格し、刑罰に関わる法令の適否審判や遺跡(家督)相続の審理など、政治全般にわたり具体的な記録が残っています。また、昇格時に町奉行の兼帯(兼任)も命じられたため、久保田市中に加えて土崎湊の民政・警察職務などの執務内容も記録されています。
『野上陳令日記』第1巻~第2巻は、当館や県内図書館、各都道府県の公文書館・都道府県図書館等で御覧いただけます。
 
『野上陳令日記』刊行本は、頒布もしております(税込¥4,400)。
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