今年1年を振り返ってみると、まれに見る激動の年と言っても過言ではないでしょう。
 ロシアのウクライナへの侵攻が2月末には1年となり、現在も一進一退の攻防が繰り広げられており、兵士はもとより、多くの民間人の犠牲も止まるところを知りません。
 国内では全国的に大雨災害が頻発し、特に本県では7月に秋田市と県北部を中心に、観測史上最大となる大雨により多くの河川が氾濫し、未曾有の水害に見舞われました。
 中には2年続きで同じ箇所が大きな被害を受けた町もあり、秋田市では中心市街地での内水氾濫や中規模河川の氾濫により基幹病院や福祉施設など多くの施設や家屋が被害を受け、冬を迎えた現在も家屋の浸水被害からの復旧が進まず、寒さ対策に苦慮している市民が大勢いる状態です。
 県内では、これまで風水害の被害は度々あったものの人命が失われることは極めてまれなことでしたが、南秋田では乗っている車ごと流され、お一人が犠牲になられるという痛ましい結果になりました。
 想像するに、水没する車に閉じ込められ、流れ込む水のなかで恐怖のうちに命を落とされた方を思うと胸が塞がれる思いで、ただただご冥福をお祈りする次第です。
 そうしている間に、盛夏に入り全国的に記録的な高温が続き、連日37~8度を超える酷暑となり、米作、野菜、花卉など農作物全般の生育に大きな影響が生じました。
 そして秋口になり、今度はツキノワグマの異常出没です。
 熊の出没は例年のことですが、今年は山里のみならず、どこを歩いて来たのかと思うような市街地にまで出没し、多くの方が傷付けられ、捕獲・駆除も桁違いな数となりました。
 過疎化が進み里山の荒廃により人間と熊の間のバッファエリアがなくなった、また今年の酷暑も影響し木の実類など山中の熊の餌が少なくなった、昨年は木の実類が豊作で多くの熊が生まれたなど、様々な説がありますが、猟友会の方々には大変なご苦労をおかけしましたし、怪我を負われた方の早期の回復をお祈りしております。
 いずれ、気候変動を見据えた抜本的な水害対策や農業対策、さらには熊対策など、今後しっかりと進めていかなければならない状況です。
 一方、イスラエルと反イスラエル組織との血で血を洗うような紛争が突如勃発しました。
 日本人には理解できないような歴史的、宗教的な背景があるにせよ、報道される多くの犠牲者や営々と築かれた街が廃墟に化す状況は見るに堪えず、特に無辜(むこ)の子供達が犠牲になる姿には心底悲しさしか感じません。
 戦う側には、相互にそれぞれ理由や言い分は様々にあろうと思いますが、兎にも角にも連日多くの命が失われる状況を見るにつけ、ウクライナや中東に1日も早く平和が訪れることを祈らずにはいられない気持ちで迎えた今年の師走です。
 

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