特集:すごいぞ地熱 知ろう!地熱の可能性
2023年06月29日 | コンテンツ番号 70488
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地熱は、発電のほかにも産業や観光の振興など、さまざまなことに利用されています。
私たちが暮らす地面の下にある、見えないけれども身近な地熱。その利用法や可能性を学んでみませんか。
地熱とは
地熱発電の仕組み
地表に降った雨や河川の水は、地下に入り込み、マグマの周囲にある岩盤の熱によって高温の蒸気や熱水になります。それらが溜まっている地下深部(地下1,000メートルから3,000メートルくらい)を「地熱貯留層」といい、地熱発電では、ここから高温の熱水や蒸気を取り出し、発電所のタービンを回転させて電気を起こしています。
季節や天候、時間帯に影響されずに、年間を通じて安定的に発電できます。
地球に優しい
発電で使い終わった熱水は、地中に戻します。熱水を繰り返し利用するため、地球に優しいエネルギーです。
また、地下の熱源を利用するため、化石燃料のように枯渇する心配がありません。
県内の活用事例
導入が進む地熱発電
県内には鹿角市と湯沢市に、合わせて5つの地熱発電所があり、地熱発電導入量の合計は約13.5万キロワットで全国第2位です。新たな地熱開発も複数計画されており、10年後には17万キロワットから18万キロワットとなる見込みです。
順位 | 都道府県 | 合計出力 |
---|---|---|
第1位 | 大分県 | 17.3万キロワット |
第2位 | 秋田県 | 13.5万キロワット |
第3位 | 岩手県 | 11.1万キロワット |
年度 | 合計出力(導入見込み) |
---|---|
令和4年度末 | 13.5万キロワット |
令和8年度末 | 15.1万キロワット |
令和12年度末 | 16.6万キロワット |
令和16年度末 | 18.1万キロワット |
地熱エネルギーの循環
- 蒸気・地熱
- 発電
- 蒸発
- 雨水
- 地下水
※1から5までを繰り返す(還元を繰り返す)。
暮らしの中の地熱(地中熱)
市街地では、「地中熱」というエネルギーも利用されています。
地中熱は、地熱に比べると地下の比較的浅い部分にある熱で、年間を通じて温度変化が小さいという性質があります。
この温度特性を生かし、県内では、道路の融雪や公共施設の冷暖房などに地中熱を利用する例があります。
<例>
- 道路の融雪(秋田市)
- 市庁舎の冷暖房(能代市)
地域産業への活用
県内では、乾燥野菜の製造や乳製品の加工など、地域産業に地熱を活用しています。
温泉水を利用したサンチュやパクチーなどの栽培では、温室ハウス内の暖房や、水耕栽培ベッド(水耕栽培に必要な機能を備えた専用の棚)の加温、ハウス周辺の融雪など、用途もさまざまです。
<例>
- パクチーのハウス栽培(湯沢市)
- 乾燥野菜の製造(湯沢市)
- 低温殺菌処理した乳製品(湯沢市)
観光地のにぎわい創出
県内には、全国的にも有名な温泉が数多くあり、地元の人や湯治客でにぎわっています。
温泉地周辺は、足湯を楽しんだり、温泉卵を味わう観光客も多く訪れます。
<例>
- 温泉旅館(仙北市)
- 足湯(湯沢市)
さらなる活躍に向けて
県内には豊富な地熱資源があり、500万キロワットもの地熱発電ポテンシャルがあるといわれています。
コスト面や技術面など、さまざまな課題も残されていますが、地熱は工夫次第で新たな産業や雇用を生み出す可能性を持っています。
県では、シンポジウムや勉強会を開催し、地域の皆さんと共に地熱の活用による地域活性化に取り組みます。
お問い合わせ先
県エネルギー・資源振興課 018-860-2282