画像:広報紙あきたびじょん2023年1・2月号 特集 新春特別対談若者たちの挑戦が、秋田の未来をつくる

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(※ 以下、固有名詞の後ろに、読み仮名を記載している箇所があります。)

 秋田県が実施している「若者チャレンジ応援事業」に採択され、オリジナルハードサイダー(リンゴなどから作る発泡性果実酒)の開発、販売を実現させた阿部 円香(まどか)さんが、佐竹知事と対談を行いました。
 阿部さんは、現在、横手市十文字町で、ゲストハウス&発酵バル「Hostel&Bar CAMOSIBA(カモシバ)」の経営や横手産のりんごを使ったハードサイダーの製造などを行う株式会社杢(もく)の代表を務めています。

秋田に出会いを「醸す」場を

知事:阿部さんは、大学時代に1年間休学して、世界各国を旅したと聞きました。「CAMOSIBA」を立ち上げたのは、海外の旅がきっかけですか?

阿部:はい。在学中に約30カ国を旅しました。旅先のゲストハウスで現地の人と友達になったり、旅行者同士で情報交換するなど、出会いに恵まれました。そんな場所が地元秋田にもあったらいいなと、横手に残る築約100年の古民家を改装して「CAMOSIBA」を始めました。名前の由来は「醸す場」です。横手の発酵文化や、私の実家がこうじ屋であることにちなみ、旅人と秋田に暮らす人が交流し、さまざまな化学反応が起こる場になってほしいとの思いを込めています。

知事:いろいろな国の文化や歴史に触れ、何かを学び取ろうとする姿勢が素晴らしい。海外を巡ったことも事業を始めたことも、度胸がありますね。

阿部:ありがとうございます。

地元への思いが変化

知事:秋田で事業をやろうと思ったきっかけは?

阿部:「秋田には何もない」と悲観して東京の大学を選びましたし、大学卒業後も都内の就職を検討しました。しかし、自分が本当にやりたいことはなにかと考えた結果、自分の理想に一番近いのは、地元でゲストハウスを開くことではないかと感じました。

知事:海外で過ごしたことも、秋田への思いの変化に影響しているのかな?

阿部:秋田を俯瞰的(ふかんてき)に捉えるようになったと感じます。秋田のコミュニティーの密接さや人の関係性の近さは窮屈だと言われがちですが、私はマイナスには思っていません。開業から現在に至るまで、事業を応援してくださる地元の方々も多くいました。

知事:何もやらなければ、応援してくれる人は出てこない。でも、一歩踏み出すと、助けてくれる人が出てくるんですよね。何かに挑戦する人を熱く応援する人が、秋田にはたくさんいます。若者たちには、失敗を恐れず「まずやってみる」の精神で、阿部さんのように積極的に一歩を踏み出してほしいですね。

県の支援で本場アメリカへ

知事:今春には、ハードサイダーの醸造所を開く予定だそうですね。これもまた、大きな挑戦ですね。

阿部:県の「若者チャレンジ応援事業」に採択され、約1カ月間、アメリカの醸造所で技術を学ぶことができました。帰国し、ハードサイダーのブランド「OK,ADAM(オーケーアダム)」を立ち上げ、県内外の醸造所の設備を借りて製造。20種類ほどの商品を開発しました。今年は自分たちの醸造所のほか、サウナ付きの一棟貸切宿も始める予定です。

知事:すごいね!醸造所まで造るなんて、なかなかできないこと。人生誰でも一度きり。この一回をどう生きるか。失敗してもいい。失敗を経験に前に進むことが大切。攻めの姿勢で挑戦することも必要ですよね。

若者の挑戦が地域を動かす

阿部:アメリカでハードサイダーの製造や販売、文化の普及に携わる人たちと出会った縁で、昨年7月に現地を再訪し、横手産リンゴ「紅(くれない)の夢」の果汁を空輸し、向こうで仕込みました。「紅の夢」は栽培が難しいのですが、それでも、栽培を続ける横手の農家さんたちの存在が事業の原動力になっています。人や地域とのつながりから受ける影響は、すごく大きいです。

知事:横手の方々にとっても、良い刺激になりますね。若者の挑戦から刺激を受けて、地域が明るくなる。これがまさに、若者応援の事業を始めた狙いなんです。

阿部:ハードサイダーを始めたのも、宿で地元の果樹農家さんと出会い、横手産リンゴの魅力を教えてもらったことがきっかけでした。

知事:日本では融資を受ける際に、企業の歴史や実績が重視されますが、海外では若者やベンチャーへの投資が盛んで、世界をけん引する大企業も、元々は若者が立ち上げた小さな組織だったりしますよね。歴史、実績にとらわれない支援は、やはり必要だと思うんです。新しい挑戦や発想がなければ、何事も前に進まない。若者のチャレンジ精神こそ秋田を動かすエンジンだし、若者たちが何かに挑むことで、人とのつながりが地域に生まれ、つながりの中から新しい発想が膨らんでいく。これこそが地域活性だと思います。

阿部:醸造所やサウナが稼働したら、また新たなつながりが生まれるはず。楽しみにしています。

知事:「秋田には何もない」と言われますが、何かに挑戦する人がいる限り、「ない」ではないんだな。阿部さんのように地元で挑戦する若者の存在は、地域と秋田の子どもたちに夢と希望を与えると思いますね。頑張ってください。

備考

株式会社 杢(もく)

 令和3年設立。横手市十文字町で、「Hostel&Bar CAMOSIBA」(平成29年開業)とハードサイダーブランド「OK,ADAM」(令和2年立ち上げ)を経営。
 代表の阿部 円香さんは、平成2年横手市十文字町生まれ。経済産業省の補助金を活用し、今年新たに、「OK,ADAM」の醸造所とサウナ付きの一棟貸切宿を稼働予定。

Hostel & Bar CAMOSIBA
〒019-0525 横手市十文字町曙町7-3
TEL:0182-23-5336

若者チャレンジ応援事業

 次代を担う若者の夢の実現に向けたチャレンジを支援することによって、若い世代の地域活性化に向けた戦略的な取り組みを促進し、地域の元気創出につなげるため、令和元年度に創設。これまでに、延べ123件の応募の中から、19件を採択しました。

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阿部:
Hostel&Bar CAMOSIBA(カモシバ)