平成27年第2回定例会6月議会知事説明要旨(平成27年6月16日)

2015年06月17日 | コンテンツ番号 9720

  今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、「東北六魂祭2015秋田」について申し上げます。

 5月30日から31日までの2日間にわたって秋田市で開催された東北六魂祭には、県内外から約26万人ものお客様が来場され、特に、東北六魂祭としては初めて行われた夜のパレードでは、竿燈の灯(あか)りで会場全体が幻想的な雰囲気に包まれる中、差し手の妙技と相まって多くの観客を魅了し、大きな感動を与えることができました。
 この度の東北六魂祭を通じ、東日本大震災からの復興に向けて、東北が一丸となって取り組む決意を新たにするとともに、出演者と観客のそれぞれの思いをつなげ、一つの絆として結んでいく祭りの底力や、歴史に裏打ちされた伝統文化の力強さに、私自身改めて深い感動を覚えたところであります。
 全国最多を誇る国指定重要無形民俗文化財など、地域に根ざした伝統文化、日本の近代化に貢献した産業遺産、さらには、国内トップレベルのスポーツチームや約4,500人が参加する全県500歳野球大会など、本県は、人々を惹きつけ、大きな感動を生み出す豊かで多様な資源に恵まれております。
 全国で地方創生に向けた取組が進められていく中で、秋田ならではの地方創生を実現するためには、こうした本県独自の資源を磨き上げ、新たな価値を加えながら、「ユタカなアキタ」の魅力を国内外に発信し、交流拡大につなげていく姿勢が重要であることから、秋田の強みを最大限に活用するとともに、グローバルな見地から新たな成長分野への積極的な参入を図り、秋田の創生に向けて全力で取り組んでまいります。

 次に、地方創生を巡る状況について申し上げます。
 国では、昨年末に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の実現に向け、今後の地方創生の進め方について、「まち・ひと・しごと創生基本方針」を今月中に取りまとめ、観光や金融・産業などの政策分野毎の必要な方策とともに、地方の主体的な取組をさらに推し進めるための「新型交付金」の概要などを明らかにすることにしております。
 その内容によっては、今後の地方創生の取組に大きな影響を及ぼすものであることから、大胆な人口減少対策や企業の地方移転を促進する産業再配置など、国自らが地方創生の実現に向けた施策を強力に推進することを強く求めるとともに、地方の安定的な行財政運営に必要な一般財源総額を十分に確保しつつ、地方の創意工夫による力強い潮流をつくり出すための「新型交付金」の創設などについて、全国知事会を通じ、提言したところであります。
 また、先般、日本創成会議から提言のあった東京圏高齢者の地方移住についてでありますが、アクティブシニアと呼ばれる元気な高齢者の移住は、消費需要の喚起や雇用の維持・創出につながるものであり、本県においても、高齢者が生き甲斐を持ちながら暮らせる「秋田版CCRC構想」について、民間事業者とともに検討を進めているところでありますが、一方で、医療・介護需要の増加による自治体の財政負担や介護人材の育成・確保などの課題もあることから、「後期高齢者に対する介護保険の住所地特例」のさらなる拡充など、国の責任において、抜本的な見直しを含めた構造改革を積極的に進めるよう、強く要望してまいります。

 次に、「秋田県人口ビジョン」及び「秋田県まち・ひと・しごと創生総合戦略」について申し上げます。 県では、昨年度、人口減少要因の分析・検証を行い、人口の変化が将来に与える影響について「人口問題レポート」として取りまとめましたが、その分析・検証に基づき、本県の強みを活かした産業の振興による良質な雇用の創出や、多様な人材の移住・定住の推進、これまでにない多子世帯対策など、本県の持続的な発展に必要な施策の方向性について、この度、「秋田県人口ビジョン」の素案としてお示ししたところであります。
 こうした施策を踏まえたシミュレーションでは、2040年における本県の人口を、国立社会保障・人口問題研究所による推計値を約六万人上回る約76万人と想定しており、これを前提とすると2100年以降の県人口は52万人程度で推移することになります。
 また、今般、素案をお示しした「秋田県まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、県政の運営指針である「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」を基本に据えつつ、地域の活性化と人口減少の克服に向けて「地方創生」の観点から政策分野を整理し、「雇用創出のための産業振興」、「移住・定住対策」、「少子化対策」、「新たな地域社会の形成」の四つを基本目標として、本県が今後5年間で取り組む具体の施策を掲げております。

 まず、第一の基本目標である「雇用創出のための産業振興」については、他の基本目標の達成に向けてベースとなるものであることから、県内の各産業について、本県の強みが最大限発揮されるよう、その基盤強化を図っていくことが重要であると考えております。
 特に、県内経済への高い波及効果が見込まれる重点産業分野におけるチャレンジに対しては、官民共同プロジェクト的な発想により大胆な支援を行うなど、集中的に取り組んでまいります。
 高度技術産業でありながら労働集約型である航空機産業については、航空機メーカーとのマッチングを支援するとともに、国際機関による認証が必要となる特殊工程の導入を促進するほか、自動車産業や新エネルギー関連産業、情報関連産業など、今後成長が見込まれる分野についても、県内企業の積極的な参入促進に向け、企業連携によるサプライチェーンの形成を進め、受注体制の確保や県内企業への波及効果の増大を図りながら、生産性が高く、景気動向に左右されない、多様な産業を創出し、良質な雇用の確保につなげてまいります。
 また、こうした成長産業分野では、高度な専門的知識を持った人材が必要となることから、県内高校において、企業や大学などの専門人材を積極的に活用し、特別講義の実施や専門的なカリキュラムの導入を図るとともに、県内大学において、企業ニーズ等を踏まえた学科再編や社会人の能力開発を促進するなど、教育機関や民間企業と連携しながら産業人材の育成を進めてまいります。
 農林水産業の成長産業化については、農地中間管理機構を活用した経営の規模拡大や複合化などにより、地域農業を牽引する力強い経営体を育成するとともに、新たに、園芸メガ団地を核としたサテライト型の団地構想を推進するなど、米依存からの脱却に向け、園芸作物の生産を飛躍的に拡大してまいります。
 また、先月設置した「農産物流通販売戦略推進会議」における議論を踏まえながら、マーケットインを重視した生産力の強化と、枝豆や秋田牛など戦略作目のブランド化を一体的に推進するとともに、秋田の農産物を首都圏に強くアピールする総合的なプロモーション活動を展開するなど、生産と販売の両面にわたる取組を強化してまいります。
 さらに、日本一を誇るスギ資源の活用に向けて、県産材を優先して利用する「ウッドファーストあきた」を推進し、木材需要の拡大を図るとともに、秋田林業大学校における実践的な研修などにより、今後の林業・木材産業を支える新規就業者を育成・確保し、林業雇用の充実に努めてまいります。
 観光振興による交流人口の拡大については、横手市増田の内蔵(うちぐら)や小坂鉄道レールパークなど、多様な観光資源を活用して誘客促進を図るとともに、民間宿泊施設の魅力向上に対する支援を行うほか、「秋田の食」の首都圏や海外への売り込み強化、ICTの活用などにより、国内外の観光需要を積極的に取り込んでまいります。

 第二の目標は「移住・定住対策」であります。
 当面の人口減少が避けられない中で、地域活力の維持・強化を図るためには、県外からの移住推進に向け、他の地域との差別化を図った戦略的なプロモーションや、移住者一人ひとりのニーズに即したきめ細かな支援を行うとともに、キャリア教育の充実等により、若者の県内定着を促進することが重要であります。
 このため、動画共有サービス等を活用し、豊かな自然や多彩な食文化、全国トップレベルの教育力や子育て支援、安全で安心な生活環境など、都会にはない、秋田ならではの暮らしの魅力を首都圏等において戦略的に発信するとともに、移住に関する相談等にワンストップで対応するほか、雇用の場や住居の確保、さらには移住後のサポートなど、幅広い生活支援を行ってまいります。また、若者の県内定着を図るため、大学生等の県内就職を促す奨学金返還助成制度の創設について検討を進めてまいります。 

 第三の目標である「少子化対策」については、これまで、人口減少の歯止め策として、就学前の子育て世帯に対する保育料助成をはじめ、小学校卒業までの医療費助成など、子育て世帯への支援に取り組んでまいりましたが、人口減少を抑制するためには、誰もが安心して、結婚、妊娠・出産、子育てができる環境をつくり上げていく必要があります。
 このため、妊娠期から子育て期まで切れ目なく、子育て世代への支援を行う「子育て世代包括支援センター」の設置を促進するとともに、テレワークの導入など、仕事と子育ての両立を図る新たなワークスタイルへの取組を進めてまいります。
 また、子育て世帯の経済的負担を軽減し、子どもを産み育てやすい環境をつくるため、保育料や医療費に係る助成制度の拡充を図るほか、多子世帯を対象とする新たな奨学金制度の創設など、子育て世代のニーズに対応した支援策を検討してまいります。

 第四の目標は「新たな地域社会の形成」であります。
 人口減少下にあっても、人々が住み慣れた地域で、心豊かに安心して生活できる社会をつくり上げていくためには、自治体同士の連携強化により、行政サービスの提供体制を確保するとともに、地域の担い手となる多様な人材を育成し、地域の課題を地域で解決できる仕組みづくりを進めていくことが必要であります。
 このため、市町村との機能合体の推進や地域の課題解決に向けて活動する若者団体の育成、シニア人材への支援を行うほか、「秋田版CCRC構想」の実現に向けた取組を進めるとともに、シニアビジネスやヘルスケアビジネスなど新分野への県内企業の参入を促進してまいります。
 この度、素案をお示しした「人口ビジョン」及び「総合戦略」については、今後、さらに県民の皆様から幅広くご意見、ご提言をいただくとともに、議会でのご議論を踏まえながら、施策・事業をより深化させ、10月末までに、成案として取りまとめてまいります。

 次に、再生可能エネルギー関連産業の拠点化について申し上げます。  
 先月、出力1万キロワット以上の大規模な地熱(ちねつ)発電開発としては、国内で約20年ぶりとなる山葵沢地熱(わさびざわちねつ)発電所の建設工事がスタートしたほか、洋上風力発電についても、環境影響評価等の事前調査が準備段階に入るなど、エネルギー供給拠点としての本県の重要性が高まってきており、県内経済への波及効果についても大いに期待されているところであります。
 こうした中、先月、「あきた洋上風力発電関連産業フォーラム」を関連企業のみならず広く経済団体等も含め設立したところでありますが、今後、企業同士の連携を進め、メンテナンスや部品製造への県内企業の参入拡大を図るとともに、電力の安定供給に寄与する発電施設の集積を推進し、再生可能エネルギー産業の県内経済への波及効果をより一層高めてまいります。
 また、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向けて、地域内送電網の強化や首都圏までの基幹送電網の整備促進を図るほか、低炭素社会の構築やエネルギー供給源の多様化に大きく貢献する「水素社会の実現」を目指し、風力発電による水素の製造及び貯蔵等に関する実証事業を本県において実施するよう、国に対し強く要望してまいります。

 次に、教育委員会制度改革への対応について申し上げます。
 この度の制度改革を受け、先月、「総合教育会議」を開催し、本県の「教育、学術及び文化の振興に関する施策の大綱案」等について、協議を行ったところであります。
 大綱案には、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」や「第2期あきたの教育振興に関する基本計画」を土台にしつつ、地方創生に係る取組も盛り込んでおりますが、会議では、「地方創生につながる、ふるさと教育を踏まえたキャリア教育」や「真心や思いやりを持ち、人口減少社会でも生き抜く力を養う教育」の重要性などについて、活発な意見交換がなされた後、全員一致で大綱案を了承いたしました。
 今後、この大綱に基づき、ふるさと教育を基盤としたキャリア教育の充実や、学校における多様な国際教育の推進を図るとともに、企業等と連携し、地域産業を支える人材の育成に努めるなど、「教育・学術・文化による秋田の創生」を強力に推進してまいります。
 なお、先般、財務省から示された4万人を超える教職員の削減方針については、本県のこれまでの少人数学習による成果を踏まえると、機械的な削減は決して容認できるものではなく、引き続き国の責任において、教職員の加配定数を拡充するとともに、必要な財源を確保するよう、先週、私自ら首相官邸及び財務省を訪問し、強く要望してきたところであります。
 今後とも、教育委員会と連携を深めながら、本県の高い教育水準の維持・向上を図り、自らの力で未来を切り開き、国内外で活躍できる人づくりに努めてまいります。

 次に、女性の活躍推進について申し上げます。
 地域の活力を向上させていくためには、女性が地域で力を十分に発揮できる環境を整備していくことが重要であります。先月、経済団体や国、市町村等で構成する「あきた女性の活躍推進会議」を設立したところでありますが、今後は、この推進会議を核として、関係団体等のネットワーク化を図りながら、女性のキャリアアップや起業、再就職に向けた支援など、その個性と能力を最大限に発揮して活躍できる環境づくりを官民一丸となって進め、女性が輝く元気な秋田を実現してまいります。

 次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。
 今回の補正予算案は、地域における医療・介護の充実を図るための事業のほか、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業や公共事業等について計上しております。
 地域における医療・介護の充実に向けた事業については、エボラ出血熱等の感染症への対応力を強化するため、秋田大学医学部附属病院が行う第一種感染症指定医療機関の施設整備に対し助成してまいります。また、地域医療介護総合確保基金を活用して、社会福祉法人等が行う施設整備等に対し助成するほか、介護従事者の職場定着を促進するため、職場環境の改善やキャリアアップに対し支援してまいります。
 「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業については、秋田湾産業新拠点への企業立地の推進に向け、港湾計画の見直しを行うほか、秋田港の利便性の向上を図るため、港湾内への新たなふ頭用地の造成に向けた調査等を実施してまいります。
 また、県産農産物の販売力を強化するため、認知度やブランド力の向上に取り組むとともに、マーケットインの視点による生産拡大に向け、生産から流通販売までの総合的な体制を整えるほか、妊娠期から子育て期にわたる子育て世代の様々な相談等について、ワンストップで支援するため、男鹿市が設置する「子育て世代包括支援センター」の運営費等に対し助成してまいります。
 一般会計補正額は、62億6,539万円であり、補正後の総額は、6,077億8,940万円となります。

 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県収用委員会の委員及び予備委員の任命について」は、委員の任期満了に伴う一部委員の任命について、議会の同意をお願いしようとするものであります。
 「秋田県県税条例の一部を改正する条例案」は、社会福祉施設の整備及び医療の充実の財源に充てるため、法人の県民税に係る税率の特例措置の適用期間を延長しようとするものであります。
 「秋田県立高等学校設置条例の一部を改正する条例案」は、大館桂高等学校、大館工業高等学校及び大館高等学校の統合により、新たに大館桂桜(けいおう)高等学校を設置しようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。