秋を表す「天高く馬肥ゆる秋」という言葉があります。
 現在では、秋は、空が澄み程良い気候のため食欲が増し、馬が肥える、という意味にとらえていますが、語源をよく調べてみると、もともとは唐の詩人の杜審言(としんげん)が前漢時代のことを書いた詩の一節「雲浄くして妖星落ち、秋高くして塞馬肥ゆ」に基づいており、前漢の将軍・趙充国(ちょうじゅうこく)が言った言葉とされています。
 内容は物騒なもので、前漢の頃に北方民族「匈奴(きょうど)」が大きな勢力となり、秋になればよく育った草を食べたくましくなった馬に乗って攻めて来るので、警戒を怠るなという言葉であったとのことです。
 それはさておき、秋田は春夏秋冬の区別がはっきりしており、四季折々の美味しい物にあふれていますが、やはり秋の味覚がトップではないかと思います。
 王者の風格を感じる天然舞茸をはじめとした各種のきのこ類、炊きたての香り豊かな新米、今年は「あきたこまち」に加え、期待の「サキホコレ」がデビュー、そして初秋の北限の桃をスタートに、梨、ぶどう、りんご、秋の味覚の中でも自分が最も好きな「山内いものこ」、また秋田の秋冬に欠かせない新米のきりたんぽに「三関のセリ」、加えて各種の美味と相性の良い秋田清酒、そして近年生産量が増している県産蕎麦、海の幸も様々です。
 さらには、きりたんぽ鍋に付き物の比内地鶏に加え、秋田牛、県産豚、白神ラムと肉類も豊富になりました。
 当然に、私の場合には秋になれば、ベルトの穴一つは確実に広がる次第です。
 ところで、秋に限らず秋田の味覚に新たにプラス要素が加わったうれしい話を先日耳にしました。
 あきた芸術劇場ミルハスがグランドオープンし、連日著名なアーティストによるコンサートが開かれていますが、副次効果として、秋田市の川反を中心に他県のお客さんの予約が多くなり、大変に良かったという話を、私の行きつけの飲食店の店主から聞きました。
 著名なアーティストのコンサートには、必ず「追っかけ」という熱烈なファンが付いて回るということで、大半のコンサートは夜なので、市内に泊まることになります。
 そうすれば、その土地のおいしい物を食べたいと願うのは人情、街に繰り出し秋田の味覚を味わうことになります。
 また店主に聞いたら、秋田に来たついでに観光であちこち寄って行くというお客さんもいるそうです。
 ミルハスの芸術文化振興が、秋田の飲食業や観光の振興にもつながるとすればうれしい限り、これからも「追っかけ」が多数来秋するようなコンサートの誘致に、関係者一同連携して取り組んでいこうと改めて元気が沸いてきました。

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