超急速ガラス化保存したウシ胚(受精卵)の直接移植可能な方法の開発

2015年11月27日 | コンテンツ番号 5893

 秋田県畜産試験場では、超急速ガラス化保存したウシの低品質胚やバイオプシー胚の直接(ダイレクト)移植について、従来の緩慢凍結のダイレクト移植と同様に、移植用ストロー内で融解できる方法について研究し、新たな保存方法を開発しました。

 背景および成果:現在、家畜(牛)の繁殖分野では、胚(受精卵)移植技術を活用して、多くの優良牛が誕生しています。
 このウシ胚ですが、胚生産時に得られる低品質胚や、性判別などの遺伝子診断を行ったバイオプシー胚については、優秀な遺伝子を持っているものの、凍結保存すると融解後の生存性が低いため、これまで十分に活用されていませんでした。
 そのため、当場の研究グループでは、優良遺伝資源の効率的な利用を図ることを目的として、凍結に弱い胚でも、融解後の生存性が高い超急速ガラス化保存法(Vit.法)を用い、Vit.法では困難とされている胚移植用ストロー内で融解可能な保存方法を検討し、ウシ生産現場で簡便に利用できる方法を開発しました。
 これにより、活用が難しかった低品質胚やバイオプシー胚についても、新たに利用の可能性が広がりました。
 本法を利用して、県有種雄牛の候補牛が生産され(「義安平」号・「松糸華」号)、現場後代検定を実施中です。

写真:秋田畜試開発法で誕生した種雄候補牛

 また、一連の成果は、日本畜産学会大会や日本獣医師会大会、東日本家畜受精卵移植技術研究会大会などで発表したほか、特許出願も行いました。現在は実証試験を実施すると共に、本法をより良いものにするために、共同研究なども検討中です。