2008年8月.日本家禽学会秋季大会.「鶏の卵殻からのPCR増幅可能なDNA抽出手法の開発」

2014年01月22日 | コンテンツ番号 3298

目的

我々は2007年度春季大会において比内地鶏のDNA識別手法の開発について報告した。この技術の開発によって、比内地鶏肉と他の鶏肉をDNAで識別することが可能となった。しかし、鶏卵からのDNA抽出が困難であるため、比内地鶏卵のDNA識別は困難であった。そこで、本研究では卵殻からのDNA抽出手法を開発したので報告する。

方法

比内鶏、ロードアイランドレッド種および比内地鶏の卵合計24検体を調査に用いた。卵殻表面を洗浄し、卵殻膜を除去後、卵殻を粉砕した。粉砕した卵殻40mgを0.5モルのエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム(EDTA-2Na)溶液を用いて完全に脱灰した。その後、常法にしたがって、フェノール-クロロホルム抽出およびエタノール沈殿を行い、DNAを回収した。卵殻から抽出したゲノムDNAを鋳型として、比内地鶏のDNA識別に用いたZ染色体上の10個のマイクロサテライトマーカーについてPCR増幅を行った。増幅産物を、DNA自動シーケンサーを用いてキャピラリー電気泳動を行い、各個体各マーカーの遺伝子型を判定した。

結果

殻1mg当たりのサンプル回収量は12.5-42.2ngであった。1サンプル当たりの平均DNA回収量は813ngであり、従来法(Strausberger & Ashley 2001)よりも50倍効率的にDNAが回収できた。卵殻から得られた全てのDNAサンプルは、10個のマイクロサテライトマーカーのPCR増幅が可能であった。同マーカーにおける比内地鶏の卵の遺伝子型は、比内鶏と合致し、ロードアイランドレッドの卵は、比内鶏および比内地鶏の卵と簡単に識別することができた。以上の結果から、卵殻からの簡単かつ効率的なDNA抽出手法が確立したことにより、比内地鶏卵のDNA識別が可能になった。