平成30年第1回定例会 2月議会 知事説明要旨(平成30年2月14日)

2018年02月14日 | コンテンツ番号 31497

今議会におきましては、当初予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べます。
 日本経済は、大規模な金融緩和による低金利や円安を追い風として輸出企業を中心に業績が回復するとともに、平成29年平均の有効求人倍率が統計開始以来2番目に高い1.50倍に達しているほか、景気の回復期間が高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超えたとされております。
 しかしながら、地方においては、若者の首都圏への流出が続き、東京一極集中に依然として歯止めがかかっていないほか、地域産業の担い手不足や都市との賃金格差の拡大など、アベノミクスが目指す「経済の好循環」が、地方まで広がっているとは言い難い状況にあります。
  こうした中、安倍総理は、今国会における施政方針演説において、誰もがその能力を発揮できる柔軟な労働制度への転換を図るとともに、人材に対する投資と中小・小規模企業者の生産性向上に向けた取組を推進し、景気回復の波を全国へ拡大するほか、地方への若者の流れを生み出す地方創生を力強く進めるという姿勢を打ち出しております。
 このような国の動きは、地域経済の活性化や地方創生の実現などを求める地方の声を踏まえたものであり、一定の評価はできるものの、東京一極集中が加速する中にあって、国においては、東京から地方への人の流れと経済の好循環につながる、更に一歩踏み込んだ政策を大胆に展開していく必要があると考えております。
 国では、東京23区内の大学の定員増を原則10年間禁止する「地方大学振興法案」を、今国会に提出しましたが、これは、昨年、私が全国知事会文教環境常任委員長として行った法制化の要望に応えたもので、併せて要望した地方大学の振興についても、新たな交付金制度の創設などが盛り込まれております。
 真の地方創生の実現に向け、県レベルでは解決できない課題が多いことから、今後とも、地方の実情に即した抜本的な政策を展開するよう、国に対し強く働きかけてまいります。
 さて、今後の県政運営の指針となる「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」についてでありますが、これまで、県議会や総合政策審議会をはじめ、県民の皆様からご意見を伺いながら、策定作業を進めてきたところであります。
 今議会におきましても、プランの成案化に向け、ご議論をいただきたいと考えておりますが、新たなプランに込めた私の基本的な考えを述べさせていただきます。
 はじめに、人口減少の克服についてであります。
 昨年4月、本県の人口が100万人を割り込むなど、当面の人口減少は避けられない状況にありますが、地域経済の規模の縮小や地域活力の低下など、人口減少に伴う様々な課題に真正面から向き合いながら、「人口減少の克服」に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  直接的な人口減少対策としては、若者の県内定着・回帰と移住の促進を図る社会減対策とともに、結婚支援や子育て支援などによる自然減対策に併せて取り組むことが重要であり、これらの取組を一体的に展開することによって、秋田に定着した若者が、子どもを産み育て、次の世代も秋田に暮らしていくサイクルが確立され、人口減少の抑制に大きな効果が期待できるものであります。
  こうした世代間にわたる定着サイクルの確立に向け、まず取り組むべきことは、女性や若者に魅力的な雇用の場を創出することであり、幅広い分野において、積極的な産業振興策を講じ、働く場を増やすとともに、賃金などの処遇の改善や働きやすい環境の整備により、若い世代が意欲を持って働ける質の高い雇用を官民一体となって創り出していきたいと考えております。
  また、新規高卒者の県内定着を促進するとともに、県外進学者の県内回帰に向けたマッチング機会の提供や相談体制の充実・強化を図るほか、ここ数年大きな伸びを見せている移住者の受け入れを一層推進することにより、若者の定着・回帰の流れを創り上げてまいります。
  さらには、保育料助成など、全国トップレベルの子育て支援策の一層の充実を図り、秋田で結婚し、秋田で子どもを産み育てるという思いが叶う、日本一の子育て環境づくりを進めてまいります。
  このような取組と併せて、人口減少下にあっても、地域交通の確保や買い物支援など、安全・安心に暮らせる地域社会システムの構築を進めながら、「攻め」と「守り」の両面から、人口減少を克服してまいります。
 次に、産業振興についてであります。
 人工知能やIoTなどに代表される「第4次産業革命」が世界的に進展しつつあり、近い将来には、あらゆる産業において、劇的な変革をもたらすとされております。
 例えば、自動車産業においては、自動運転など次世代技術の進展や電気自動車の生産拡大が見込まれておりますが、今後は、従来の自動車製造に必要とされた技術ではなく、それに代わる新たな技術が求められることから、本県製造業を牽引してきた電子部品・デバイスや素材産業にとって、これまで蓄積されてきた高い技術力を最大限に生かしながら、次世代自動車製造などの新たな分野への進出や事業規模拡大に向けてまたとない好機になるものであります。
 今後、本県産業が競争力を高めていくためには、県経済の持続的な発展や雇用の確保に重要な役割を担っている中小・小規模企業者の活性化と生産性向上を図るとともに、最新のイノベーションを大胆に取り込みながら、時代の変化に迅速に対応していくことが肝要であり、県としても、商工団体等と連携しつつ、中小企業者等の新たなビジネス展開への挑戦を強力に後押ししてまいりたいと考えております。
 第四次産業革命は、生産性や付加価値の向上による賃金の上昇や人手不足の解消などに寄与する一方、今後ますます需要が高まるICT人材の不足や、省力化が進む分野において人員の余剰が生じることも懸念されることから、こうした点についても十分踏まえながら、ICT人材の確保と育成、イノベーションを生かした新ビジネスの創出など、様々な分野における可能性を追求してまいります。
 農業においては、米政策の見直し等に伴う産地間競争の激化や全国的な人口減少を背景とした労働力不足など、社会情勢の変化に的確に対応しながら、生産から流通・販売にわたる構造改革に積極的に取り組み、本県農業の成長産業化を図る必要があります。
 このため、農業産出額の伸びが2年連続で全国トップクラスになるなど、着実に成果が現れている複合型生産構造への転換を更に加速し、園芸や畜産等の大規模生産拠点を全県域に展開するとともに、「えだまめ」や「しいたけ」、秋田牛など県産農畜産物のブランド化を図りながら、国内外への売り込みを一層強化してまいります。
 さらに、次代のプライスリーダーとなる食味に優れた米の新品種のデビュー対策にも取り組むほか、ロボティクス技術等の活用により省力化と軽労化を進め、新しい時代を勝ち抜く、労働生産性に優れた次世代型の農業構造の確立に努めてまいります。
 次に、交流人口の拡大についてであります。
  貨物鉄道の路線を旅客用に転用するという発想の転換が、大きく秋田の観光を変えようとしております。
 昨年、魅力的な船旅を顕彰する「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2017」の特別賞に、「秋田港クルーズ列車トライアル運行」などに取り組んだ「あきたクルーズ振興協議会」が選ばれました。
 2次アクセスが課題となっている本県にとって、クルーズ列車の運行により、数千人規模のクルーズ船の乗客を、秋田市の中心市街地や県内主要観光地に送ることができるほか、鉄道と船を組み合わせた旅行商品の提供が可能になるなど、今後のクルーズ船の誘致に大きなインセンティブとなるものであります。
  今あるものを掘り起こし、それを磨き上げ、地域の活性化につなげていく、こうした取組こそ、地方創生の原点であります。
 本県には、世界的に人気の高い秋田犬、風土に根ざした日本酒や漬け物などの発酵食文化、四季を通じて各地で開催される様々な伝統行事や祭りなど、秋田ならではの魅力ある資源が豊富にあります。
  こうしたコンテンツの付加価値を更に高めながら、国内外でのプロモーション活動を積極的に展開するとともに、観光客の視点に立って受入態勢を整備することにより、総合的な誘客力を強化してまいります。
  また、我が国を訪れる外国人旅行者数は、五年連続で過去最高を更新するなど右肩上がりに増えており、日本への関心の高まりや格安航空会社の普及などを背景に、なお一層の増加が見込まれております。
 本県においても、昨年11月までの外国人宿泊客数が対前年比で45パーセント増と高い伸びを示しているほか、今年度の台湾からのチャーター便が過去最高の120便予定されており、今後とも、急速に成長するアジアをはじめとするインバウンド需要を積極的に取り込みながら、交流人口の拡大を図ってまいります。
 次に、誰もが元気で活躍できる社会づくりについてであります。
 生涯にわたって、心身ともに健やかに、生きがいを持って暮らしていくことは、県民等しく願うところであります。そのためには、子どもからお年寄りまで県民一人ひとりが健康意識を高め、自らが主体的に行動することが大切であり、県や市町村、企業、経済団体など多様な主体が力を結集して、幅広く県民運動を展開し、10年後の健康寿命日本一を目指してまいります。
 また、高齢者が生きがいを持って暮らすためには、地域との交流や様々な分野で活躍できる機会を広げることが重要であり、高齢者の潜在的な労働意欲を喚起しつつ、高齢者が有する豊かな知識と経験を最大限に生かし、地域社会の担い手として、活躍できる環境づくりにも取り組んでまいります。
 次に、未来を支える人材の育成についてであります。
 時代が大きく変革していく中にあって、社会に求められる資質や能力を兼ね備えつつ、秋田の将来を支えながら、自らの未来を力強く切り拓く気概に満ちた人材を育成することが重要であります。
 このため、学校、家庭、地域などが十分に連携し、本県の将来を担う子どもたちが、郷土の自然や文化、社会、産業などに触れながら学ぶ「ふるさと教育」の充実を図るとともに、地元企業とのネットワークを生かしながら、ふるさと秋田を学びのフィールドとする「キャリア教育」を展開してまいります。
 また、第四次産業革命の進展に伴い、働く人に求められる能力や技術が大きく変化するものと見込まれることから、県内の高等教育機関等において、地域の産業界のニーズを踏まえた実践的な知識・技能を修得する教育機会を拡大するとともに、女性の復職や個人のキャリアアップなどに向けた学び直しができるよう環境づくりを進めてまいります。
 最後に、地域課題への対応についてであります。
 高齢化が急速に進む地域においては、身近な商店の廃業や公共交通網の縮小など、日常生活に欠かせないサービス機能が低下しつつあり、高齢者をはじめとする地域住民にとって、住み慣れた地域で安心して暮らしていく上で、様々な課題が顕在化してきております。
 こうした日々の暮らしに直結する地域課題の解決に当たっては、地域において知恵を出し合い、創意工夫を重ねながら、住民による共助の取組や、行政と企業、NPOなどが連携して取組を進めていくことが重要であり、県としては、地域の実情に応じた社会システムの構築を支援してまいりたいと考えております。
 一方で、最新のイノベーションを活用し、様々な生活課題の解決に結びつけようとする動きも出てきており、かつては遠い将来の技術と思われていた自動運転など新たなテクノロジーは、今日では、その実用化を見据えて、県内各地において、ベンチャー企業などによる実証実験が行われております。
 イノベーションを活用した様々な取組は、地域課題の解決に結びつくことはもとより、本県が実験のフィールドとなることによって、先進的なモデル地域として、本県の新たな可能性を生み出すことにもつながるため、今後とも、このような未来投資型の取組の誘致に力を入れてまいります。
  こうした思いを込めながら策定する第3期プランでは、これまでの取組の成果を生かしつつ、「秋田の未来につながるふるさと定着回帰戦略」など6つの重点戦略とともに、地域防災力の強化や環境保全対策などの基本政策を推進することにより、「時代の変化を捉え力強く未来を切り拓く秋田」の実現を目指してまいります。
 人口減少や少子高齢化をはじめ、本県を取り巻く環境には厳しいものがありますが、これまで幾多の困難を克服し、先人が築き上げてきたふるさと秋田をしっかりと次代に引き継いでいくためには、決して悲観することなく、県民一丸となって困難に立ち向かい、必ずやこれを乗り越えていくという強い気概を持つことが大切であり、私自身その先頭に立って、秋田の未来を切り拓いてまいります。
 次に県政を巡る最近の状況について申し上げます。
 まず、JA秋田おばこにおける不適正な会計処理についてであります。
 先般、JA秋田おばこが、米の直接販売を巡って不適正な会計処理を繰り返し、多額の累積赤字と未収金が生じていることが明らかになりました。この問題は、これまで生産者の方々が積み上げてきた努力に水を差すばかりでなく、JAグループ全体に対する信用を大きく損ねるものであり、極めて遺憾であります。
 県としては、このたびの問題に関し、職員を派遣するなど、事実関係の把握に努めてきたところでありますが、今後、速やかに全容を明らかにした上で、経営改善に向けた実効性のある計画を策定するよう、指導を強化してまいります。
 次に、イージス・アショアについて申し上げます。
 北朝鮮による挑発がエスカレートする中、国では、抑止力の強化を図るため、イージス・アショアを導入することにしております。その配備先については、国の公式発表はないものの、秋田市が候補地との報道もなされ、地域には不安の声もあることから、国に対しては、仮に秋田市が候補地となった場合には、事前に十分な説明が不可欠であることを伝えているところであります。今後とも、国会での議論や国の動きを注視しつつ、必要な対応に努めてまいります。
 次に、スタジアムの整備について申し上げます。
 昨シーズン、ブラウブリッツ秋田がJ3制覇を成し遂げ、県民のJ2昇格への期待が高まっていることを受け、私としても、チームや多くの県民の希望に応えたいと考えております。そのため、クラブのJ2ライセンスの申請に当たり必要となる、秋田市が行う八橋陸上競技場の改修事業に対し、県としても一定の支援を行うことといたしました。
 また、新たなスタジアムの整備については、改修後の八橋陸上競技場をホームスタジアムとして、安定したクラブ経営のもと、チームがJ2で活躍を続けていくことが基本となりますが、施設の機能や規模、実施主体、財源など、整理すべき課題が多く、県民の間にも様々な意見があることから、秋田市などのホームタウン、秋田商工会議所とともに協議会を設置し、幅広く調査・研究を行いながら、その整備の方向性について、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、平昌オリンピック・パラリンピック競技大会への本県出身選手の出場について申し上げます。
 現在開催されている平昌冬季オリンピックのバイアスロン競技に、小坂町出身の立崎幹人選手と北秋田市出身の立崎芙由子選手が夫婦揃って出場されております。これまでの競技では厳しい戦いを強いられておりますが、お二人の健闘を心から称えるとともに、残された種目で、持てる力を遺憾なく発揮されるよう願っております。
 また、来月9日から開催されるパラリンピックには、スキーのクロスカントリーとバイアスロン競技に、仙北市出身の高村和人選手が選出されております。高村選手は、初めてのパラリンピック出場となりますが、世界の大きな舞台で、これまでの練習の成果と実力を存分に発揮し、大いに活躍されることを期待しております。
 次に、由利工業高等学校の第90回記念選抜高等学校野球大会への出場について申し上げます。
 来月開幕する本大会に、21世紀枠で由利工業高校が選出されたことは誠に喜ばしく、選手や保護者をはじめ、関係者の皆様に心からお祝いを申し上げます。
 同校は春夏を通じて初めての甲子園出場でありますが、その選考に当たっては、秋季大会での戦績に加え、「地域に愛される学校」を目指し、野球部員が率先してあいさつ運動などに取り組んできたことが高く評価されたものであります。選手の皆さんには、粘り強くひたむきなプレーで甲子園に旋風を巻き起こすことを期待しております。
 次に、交通ネットワークの整備について申し上げます。
 日本海沿岸東北自動車道「鷹巣大館道路」のうち「大館能代空港インターチェンジ」から「鷹巣インターチェンジ」までの約1.7キロメートルが来月21日に開通することが決定いたしました。
 今回の供用開始により、大館能代空港が高速道路と直接つながることとなり、空港を起点とした広域周遊観光ルートの充実や地域産業の一層の活性化が期待されるものであります。高速道路ネットワークは、県民生活や本県経済を支える重要な基盤であることから、事業中区間の早期完成について、今後とも、国に対し強く働きかけるとともに、鷹巣西道路など、県土の骨格を形成する道路網の整備を推進してまいります。
 次に、平成30年度当初予算案について説明申し上げます。
 歳入面では、臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税が前年度を下回る一方で、歳出面では、公債費や社会保障費の高止まりに加え、公共施設やインフラの維持管理経費の増などにより、依然として厳しい財政状況にあります。こうした中にあっても、プライマリーバランスの黒字や財政二基金残高の一定の確保を図り、将来の負担を拡大させることのないよう財政規律に配慮しつつ、第3期プランのスタートの年として、6つの戦略に基づく施策・事業を中心に推進することとしております。
 以下、当初予算案の主なものについて申し上げます。
 はじめに、「秋田の未来につながるふるさと定着回帰戦略」についてであります。
 社会減を抑制し、秋田への人の流れをつくるため、首都圏新卒者等に対する県内企業・就職情報の提供やインターンシップ・先輩社会人との交流等を通じた県内就職への意識醸成のほか、企業とのマッチング・就職相談体制の強化、県内企業への就職者に対する奨学金返還助成など、若者の県内定着・回帰に向けた取組を進めてまいります。
 また、近年伸びている本県への移住の更なる拡大を目指し、各種メディアを活用して秋田暮らしの魅力を積極的に発信するほか、仕事を含めた秋田の暮らし方全般に関する総合的な移住相談会を開催するとともに、市町村や民間団体等、多様な主体と連携して受入体制の充実を図ることで、移住者のニーズに応じたきめ細かな対策を講じてまいります。
 さらに、子育てに対する支援として、保育料助成制度を拡充することにより、一定の所得基準内において、新たに生まれた第2子以降の保育料を全額助成することとしたほか、新たに第3子以降が生まれた場合、助成対象となる所得基準を緩和するとともに、一時預かり等の利用料を助成してまいります。
 加えて、女性の活躍推進とワーク・ライフ・バランスの実現に向け、経済団体と連携した「あきた女性活躍・両立支援センター(仮称)」を設置し、アドバイザーの派遣等、県内企業が行う女性の活躍や仕事と育児・家庭の両立支援に資する取組をサポートしてまいります。
 第2の「社会の変革へ果敢に挑む産業振興戦略」についてであります。
 世界的に高い成長が見込まれる航空機産業への参入と拡大を目指し、産学官の連携により、複合材の製造・検査技術の研究開発や制御システムの電動化に関する研究等を進めるほか、新エネルギー産業分野では、本県周辺への立地が著しい風力発電事業の展開に応じ、県内企業による部品供給に必要な認証取得やメンテナンス人材の育成を支援するなど、新エネルギー産業の創出・育成に取り組んでまいります。
 さらに、第4次産業革命のイノベーションに的確に対応していくため、県内産業におけるIoTやロボット技術等の導入を促進するとともに、デジタルテクノロジーを活用できる人材を確保・育成し、県内ICT産業を強化することにより、本県産業の付加価値生産性の向上を目指していくほか、県民生活に身近な幅広い分野においてICT等の利活用を推進し、地域の活性化や県民生活の利便性向上を図ってまいります。
 第3の「新時代を勝ち抜く攻めの農林水産戦略」についてであります。
 国の農政改革等により激化する産地間競争を勝ち抜くため、園芸メガ団地等の整備を進め、「えだまめ」や「しいたけ」等の更なる生産拡大を図るほか、畜産についても、秋田牛生産拡大の基盤となる畜産団地の整備や比内地鶏の大規模経営体の育成等を推進し、本県農業の複合型生産構造への転換を加速してまいります。
 また、基幹となる米については、食味に優れた新品種を平成34年に市場デビューさせるため、品種特性を発揮できる栽培技術の確立やブランド戦略の策定を進めてまいります。
 さらに、漁業については、急減しているハタハタ資源量の回復を図るため、引き続き、ふ化放流による増産に取り組むとともに、漁業者と連携して資源管理体制を強化するほか、林業については、川上から川下まで競争力の高い木材・木製品の安定的な供給体制の整備を進めることに加え、素材生産企業と中小木材加工企業が木材情報を共有する流通システムの構築について支援してまいります。
 第4の「秋田の魅力が際立つ 人・もの交流拡大戦略」についてであります。
 近年のインバウンドの増加を追い風として、選ばれる観光地を目指し、世界的に人気が沸騰している秋田犬と実際にふれあえる機会を創出するなど、本県ならではの魅力が際立つ体験型コンテンツづくりや、様々な旅行者ニーズに対応した魅力ある宿泊施設づくりなど、受入環境の整備を支援してまいります。
 また、台湾、韓国及び中国に対し、定期便化を見据えたチャーター便の増便や新規就航に向けたセールスを強化し、国内外からの誘客に拍車をかけるとともに、台湾、タイを中心に、日本酒などの県産品の輸出拡大に引き続き取り組んでまいります。
 さらに、東京都と連携し、東京オリンピック・パラリンピックに関連した文化プログラムを県内で開催するほか、県民会館の閉館中も県内の文化活動が活発に行われるよう、文化団体の発表の場や鑑賞機会を確保するとともに、市町村と協働したコンサートを行ってまいります。
 このほか、国内初の開催となるバドミントンの世界大会「ジャパンマスターズ二〇一八(仮称)」の本県での開催を支援するとともに、新スタジアムについては、整備構想の具体化に向け、ホームタウンや関係団体による検討の場を設置し、「スタジアム整備のあり方検討委員会」の意見なども参考にしながら、調査研究を行ってまいります。
 第5の「誰もが元気で活躍できる健康長寿・地域共生社会戦略」についてであります。
 生涯にわたって元気で健やかに暮らせる「健康寿命日本一」の実現に向け、特に「運動、減塩、たばこ対策」を健康づくりの3本柱と位置づけ、県民一人ひとりの意識を高め、総ぐるみでの実践となるよう、県民運動を展開してまいります。
 また、引き続き医師や看護師などの地域医療を支える人材の育成・確保を図るとともに、中高年齢者を対象とした介護分野への新規就労の促進や潜在的有資格者の再就職支援を行うなど、高齢者が福祉分野で活躍できる環境の整備を進めるほか、障害者に対する理解と配慮を促し、差別を解消する意識啓発を推進するとともに、「SOSの出し方教育」を実施するなど児童・生徒の自殺予防を図ってまいります。
 第6の「ふるさとの未来を拓く人づくり戦略」についてであります。
 県内の私立大学・短期大学・専修学校による、県内産業の即戦力となる人材の育成、学生の県内定着を図る取組を支援するとともに、現在、小・中学校で実施している少人数学習を新たに高等学校にも導入し、生徒の多様な学習ニーズや習熟度に応じた指導、教育の充実を図るほか、大規模小学校に教員の事務的サポートを行う「スクール・サポート・スタッフ」を配置し、教員の負担軽減に努めてまいります。
 さらに、良好な学びの場づくりについては、比内支援学校の建設工事に着手するとともに、新たに横手高等学校の整備に向けた基本・実施設計等を行ってまいります。
 これらの重点戦略に加え、県民の暮らしを支える基本政策として、地域の災害対応力の強化に向け自助、共助、公助それぞれの能力向上を図るほか、火山防災対策として、秋田焼山、鳥海山及び栗駒山に係る避難計画の策定等を行うこととしております。
  また、近年、県内各地において目撃情報が急増し、住宅地等での出没も頻発しているクマの被害防止対策については、クマと人との棲み分けの明確化を図るゾーニング管理の促進などを行うほか、有害鳥獣捕獲の人材を育成・確保するため、狩猟免許取得への支援や狩猟技術の維持向上を図る訓練施設の整備にも取り組んでまいります。
 公共事業については、農業生産基盤の整備や災害関連の河川改修等、補助事業の大幅な増を見込み、肉付後である前年度6月補正後予算に比し、16.2パーセント増となる906億円としております。
 以上、平成30年度当初予算案の主なものについて説明いたしました。
 一般会計予算額は、5,802億6,000万円であり、前年度6月補正後予算と比較しますと、83億17万円の減となります。
 次に、平成29年度2月補正予算案について申し上げます。
 昨年夏の大雨災害に係る査定結果を踏まえ、復旧及び今後の防災対策に係る事業について増額するほか、米政策の見直しなど農業政策の大転換期を迎え、農家の複合経営に向けた意欲ある取組を後押しするとともに、本県農林水産業の成長産業化に必要な施策を集中的かつ機動的に実施するため、秋田県農林漁業振興臨時対策基金に積み増しを行います。
 また、ブラウブリッツ秋田のJ2昇格に向け、秋田市が行う八橋陸上競技場の改修に対し助成いたします。
 このほか決算見込み等に伴う補正を行うとともに、前年度決算剰余金の2分の1相当額を財政調整基金に積み立てることとしております。
 一般会計補正額は82億2,927万円の減額であり、これにより平成29年度予算の補正後の総額は6,069億9,653万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県農林漁業振興臨時対策基金条例の一部を改正する条例案」は、国の米政策の見直し、農林漁業における労働力不足の顕在化、技術革新の進展その他の社会経済情勢の変化に的確に対応するため、同基金の設置期限を延長しようとするものであります。
 「秋田県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例案」は、国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令の一部改正に伴い、基金事業交付金の交付に係る特別の事情を定めようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。