平成29年第2回定例会 12月議会知事説明要旨(平成29年11月28日)

2017年11月28日 | コンテンツ番号 29731

 今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
 はじめに、国政の状況についてであります。
 先月行われた衆議院議員総選挙の結果、自民、公明両党が過半数を大きく上回る議席を獲得し、引き続き、政権を担うことになりました。今月1日に発足した第4次安倍内閣には、北朝鮮問題をはじめ、国際社会の平和と安定の確保に向けた外交努力を継続するとともに、経済の再生と財政健全化の両立はもとより、東京から地方への人の流れをつくる地方創生の実現に向け、国を挙げて各般の政策を力強く前に進めるよう期待するものであります。
 今月17日の所信表明演説において、安倍総理は、人工知能やIoTなど最先端のイノベーションの活用を図り、企業の生産性を押し上げ、更に賃金の上昇を目指す「生産性革命」と、幼児教育の無償化や介護人材の処遇改善などを進め、全世代型社会保障制度への転換を目指す「人づくり革命」の推進に向けて、年内に新たな経済政策パッケージを取りまとめ、これまで取り組んできた「アベノミクス」による経済の成長軌道を確かなものとし、我が国最大の課題である少子高齢化の克服に全力を尽くすという強い姿勢を示しました。
 一方、地方に目を向けると、依然として、進学や就職による東京圏への人口流出が続き、各分野において担い手不足の深刻さが増すとともに、市場規模の縮小による地域経済の減退につながるなど、人口減少による様々な影響が顕在化している状況にあります。
 こうした状況を踏まえると、「地方の発展なくして、我が国の発展はない」という地方創生の基本理念に、今一度立ち返りながら、国と地方が一体となって、東京圏への人口の過度の集中を是正し、地域経済の再生につながる様々な政策を大胆に展開していくことが重要であると考えております。
 そのため、今月15日、私自ら、菅官房長官をはじめ、関係閣僚を訪問し、地方創生の推進と地方財政基盤の充実・強化に加え、地域経済を牽引する中小企業の振興や農林水産業の持続的発展など、本県の実情を踏まえた政策の早期実現を強く要望したほか、24日に開催された政府主催の全国知事会議では、安倍総理に対し、全国知事会文教環境常任委員会委員長の立場から、東京一極集中の是正を図るため、地方大学の振興や、東京23区内における大学の定員の抑制に向けた法制化とともに、教育現場における学習指導の充実に向け、専科教員や専門スタッフの配置等について、直接要請したところであります。
 本県としましては、今後とも、国に対して、地方の実情を踏まえた抜本的な対策を講じるよう、様々な機会を捉えて政策の提言を行っていくとともに、国が進める「生産性革命」や「人づくり革命」などの動きを的確に捉えながら、秋田の創生と本県経済の持続的な成長に向けた取組を積極的に展開してまいります。
 次に、「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」について申し上げます。
 来年度からスタートする第3期プランについては、これまでの議会における議論や総合政策審議会からの提言等を踏まえながら、現在、鋭意、策定作業を進めているところであります。
 第3期プランでは、人口減少の克服を最重要課題に位置づけるとともに、今後4年間で重点的に推進する政策を六つの戦略として体系化し、県内産業の「稼ぐ力」の向上と質の高い雇用の創出や、交流人口の拡大と交通基盤の充実、健康で安心な生活の実現と未来を支える人づくりに集中的に取り組むことにより、県民が豊かさを実感しながら、生き生きと暮らすことができる「ふるさと秋田」を目指してまいります。
 まず、第一の戦略である「秋田の未来につながるふるさと定着回帰戦略」については、社会減の縮小に向けて、先進技術の導入や新しいサービス産業の振興などにより魅力ある雇用の場を創出し、女性や若者の県内定着を進めながら秋田への人の流れをつくるとともに、日本一子育てしやすい環境を整えることにより自然減を抑制するほか、人口減少下においても地域社会を維持することができる社会システムの構築を図ってまいります。
 「社会の変革へ果敢に挑む産業振興戦略」では、成長産業への県内企業の参入促進による付加価値生産性の向上や中小企業・小規模企業者の経営基盤の強化等により、女性や若者の働く場を拡げるとともに、第4次産業革命の進展によるイノベーションの導入を支援するほか、新たな産業や成長分野を支える人材を育成してまいります。
 「新時代を勝ち抜く攻めの農林水産戦略」では、移住を含め多様なルートから、幅広い年代の就業を促進するとともに、ロボティクス技術等の活用による快適な就業環境づくりを進めるほか、大規模生産拠点を全県域に展開し、複合型生産構造への転換を加速するなど、農林水産業の成長産業化に向けた取組を推進することにしております。
 「秋田の魅力が際立つ人・もの交流拡大戦略」では、地元の食や伝統・文化など秋田ならではのコンテンツを活用した観光地の魅力向上に努め、インバウンドを含む誘客を強化するほか、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした文化やスポーツによる交流人口の拡大と交流を支える交通ネットワークの確立を図ってまいります。
 「誰もが元気で活躍できる健康長寿・地域共生社会戦略」では、県民運動の展開により健康寿命日本一を目指し、生きがいと豊かさを実感しながら暮らせる健康長寿社会の形成とともに、全ての人々が地域で活躍し、共に支え合う地域共生社会の実現に向けた取組を推進してまいります。
 また、「ふるさとの未来を拓く人づくり戦略」では、将来の秋田を支え、未来を切り拓く気概に満ちた人材の育成を図るほか、県内産業や地域の発展に資する高等教育の振興に努めてまいります。
 こうした6つの戦略とともに、「県土の保全と防災力強化」、「環境保全対策の推進」、「安全・安心な生活環境の確保」、「ICTによる便利な暮らしと地域活性化の実現」を基本政策と位置づけ、県民の生命や財産を守る取組や基礎的な生活環境の整備などについても着実に進めることにしております。
 今議会におきましては、第3期プランの素案をお示しし、ご議論いただきたいと考えており、今後、パブリックコメントを行うなど、県民の皆様からご意見を伺いながら、3月には成案として取りまとめてまいります。
 次に、高校生の県内就職の促進について申し上げます。
 来春の県内高校卒業予定者への県内求人倍率は、10月末としては、平成元年以降で3番目に高い2,73倍となっており、また、県内就職を希望する生徒の割合も前年に比べ増加しております。
 これは、全国的に人材獲得競争が激化する中、採用枠の拡大や求人票の早期提出に向けた官民による働きかけを踏まえ、県内企業が選考や内定の動きを例年より早めていることに加え、成長分野での新たな事業展開にチャレンジする企業や、地域ならではの素材や固有の技術にこだわったビジネスに取り組む企業が増加するなど、高校生にとって魅力のある仕事が増えてきていることによるものと考えております。
 今後は、更なる企業の挑戦や、賃金、就労環境の改善を支援するとともに、地元企業との連携によるキャリア教育やインターンシップの充実に加え、企業説明会を通じて早い段階から企業に触れる機会を増やすなど、新規高卒者はもとより、県外進学者や、県内の大学、専修学校等の学生が、1人でも多く本県に定着・回帰できるよう取組を強化してまいります。
 次に、タイへの訪問について申し上げます。
 今月9日から12日にかけて、大館市長、美郷町長のほか、商工団体や貿易関連団体等の関係者とともに、タイを訪問し、観光スポーツ大臣との意見交換や秋田牛の販売促進プロモーションを行ってまいりました。
 これまで、タイ政府とは、平成25年に工業省と業務協力に関する覚書を締結するなど、経済活動を中心に交流を進めてまいりましたが、このたび、観光庁と、相互に観光交流を深めていく趣意書を交わしたほか、スポーツ庁とは、競技力向上などスポーツにおける交流を一層促進することで合意いたしました。本県が外国政府と、観光分野における協力について文書を取り交わすことは初めてであり、今後のインバウンド誘客に大きな弾みとなることから、観光を起点としながら、貿易や文化、教育など幅広い分野において一層の交流の拡大に努めてまいります。
 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、バドミントン・タイ代表チームの美郷町での事前合宿が決定しておりますが、今後は、様々な競技での交流を深め、バレーボールやカヌー競技などの事前合宿の誘致も目指してまいりたいと考えております。
 秋田牛の販売促進プロモーションについては、現地のレストランやマスコミ等の関係者に、タイの食材を使った秋田牛の創作料理を堪能していただくなど、私自ら、積極的な売り込みを行ってまいりました。現在、タイでは、秋田牛を取り扱う店舗が増加傾向にあり、今般の訪問を契機に、現地輸入会社との連携の強化を図り、県産農畜産物の一層の知名度向上と販路拡大に努めてまいります。
 次に、クルーズ船の誘致について申し上げます。
 これまで、国内外のクルーズ船会社に対し、角館や男鹿などの観光地をはじめ、なまはげや竿燈まつりなど、伝統文化の魅力を紹介しながら、本県への寄港を働きかけてきたことにより、本年の寄港数は、過去最高となる25回に上っているほか、先般、世界最大クラスの客船を保有する船舶会社が秋田港の調査に訪れるなど、クルーズ関係者の本県への関心が高まってきております。
 クルーズ船の誘致に当たり、課題となっていた受入施設・設備の充実と2次アクセスの確保については、新たなクルーズターミナルの整備や貨物線を活用した臨時列車の運行により、態勢を整えているところでありますが、今後は、更に、客船の大型化に対応できる設備の拡充を進めるとともに、国内外からのクルーズ船客を対象とした旅行商品の造成を支援するなど、秋田港が日本海北部におけるクルーズ観光の一大拠点となるよう、その機能性と魅力の向上に努めてまいります。
 次に、農作物の作柄概況について申し上げます。
 今年は春先から天候が安定せず、六月の低温や激甚災害に指定された7月の大雨被害をはじめ、気象災害が立て続けに発生するなど、農作物にとって厳しい生育条件となっており、10月15日現在の米の作況指数については、県全体で99の「平年並み」となったものの、大雨被害に見舞われた県南地域では、97の「やや不良」となっております。
 また、これまで、複合型の生産構造への転換を目指し、競争力の高いトップブランド品目として生産に力を入れてきた「えだまめ」については、3年連続の出荷量日本一を目指してまいりましたが、本年は、低温による生育の遅れや大雨の冠水被害等により、東京都中央卸売市場への出荷量は昨年を下回り、残念ながら、群馬県に次ぐ全国第二位となっております。
 一方、「ねぎ」については、JAを通じた販売額が過去最高を記録した昨年度を上回るペースで出荷が進んでいるほか、「えだまめ」に続き日本一を目指す「しいたけ」の出荷も概ね順調に推移しており、先日、JAグループとともに首都圏で行ったトップセールスでは、本県産「しいたけ」の品質に対する市場関係者や消費者の評価が高く、一層の販売拡大に向けて、確かな手応えを感じたところであります。
 今後は、引き続き、気象状況に対応した技術指導の徹底に努めるとともに、マーケットの動きを的確に捉え、県産農産物の更なる販売促進に努めてまいります。
 次に、大雨による災害復旧の状況について申し上げます。
 7月、8月の記録的な大雨により被災した農地・農業用施設や公共土木施設などの復旧については、被災直後から、国に対し、実情を踏まえた迅速な対応を求めてきたところでありますが、8月下旬から始まった国の災害査定が来月中旬までには完了する見込みとなっており、これまで査定が終了した被災箇所について、順次、復旧工事を進めているところであります。
 また、甚大な浸水被害のあった雄物川中流部については、国直轄による激甚災害対策特別緊急事業として改修工事が進められるほか、大仙市の淀川などの4河川についても国庫補助事業に採択される見込みとなっており、再度の災害発生を防止するため、災害復旧事業と併せて、改修工事等にも一体的かつ集中的に取り組むことにしております。
 今後も、国や市町村と十分に連携を図りながら、被害を受けた施設の早期復旧や県土の強靱化に向け、全力で取り組んでまいります。
 次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。
 今回の補正予算案は、今夏の大雨等災害に係る復旧及び今後の防災対策を進めていくほか、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業等について計上しております。
 第2期プランに基づく事業については、国の交付金を活用し、本県の技術資源や教育資源を活かした産業振興及び人材育成や、本県が誇る日本酒などの発酵食文化を活用した観光誘客力の強化などに取り組むほか、認知症疾患医療センターの設置や木材関連業者が行う木材乾燥機等の整備に対し助成してまいります。
 また、県・市連携文化施設について、実施設計に着手するとともに、用地の取得、埋蔵文化財の調査、県民会館の解体等に要する経費について継続費を設定しております。
 公共事業については、大雨による災害復旧及び今後の災害防止対策を加速するための補助事業等を中心に計上するとともに、前倒し発注を推進するため、いわゆる「雪国ゼロ国制度」による補助事業や県単独の道路事業などについて債務負担行為を設定しております。
 一般会計補正額は、38億7,131万円であり、補正後の総額は、6,152億2,580万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県人事委員会の委員の選任について」及び「秋田県教育委員会の委員の任命について」は、一部委員の任期満了に伴う後任の選任等について、議会の同意をお願いしようとするものであります。
 「一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案」は、人事委員会の勧告に鑑み、職員の期末手当及び勤勉手当の額の改定を行おうとするものであります。
 「秋田県国民健康保険条例案」は、県が行う国民健康保険に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。