平成29年第1回定例会2月議会知事説明要旨(平成29年2月7日)

2017年02月07日 | コンテンツ番号 21712

 今議会におきましては、当初予算案及びその他の案件について御審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明を申し上げます前に、去る1月19日に御逝去された能登祐一議員に対しまして、謹んで哀悼の意を表したいと存じます。 
 能登議員は、平成3年の初当選以来、通算で6期21年余の長きにわたり、県議会において御活躍され、平成25年から27年までは県議会議長を務められました。多くの課題に立ち向かうべきこの時に、大局を見据え、高い人徳と卓越した識見をもって御指導くださる方を失いましたことは、本県にとって大きな痛手であり、痛惜の念に堪えません。ここに、能登議員の生前の御指導に深く感謝をいたしますとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。 
 次に、所信の一端を申し上げます。
 先月20日、アメリカ合衆国の第四十五代大統領にドナルド・トランプ氏が就任いたしました。
 政治経験や行政経験のない大統領はアメリカの歴史において初めてであり、その手腕や政策的スタンスについて期待と不安が交錯しております。「アメリカファースト」を主張し、TPPからの離脱や民間企業のグローバル戦略への介入を図るなど、自由貿易主義に異を唱える内向きの政治姿勢は、世界経済等に大きな影響を与えることが懸念されております。
 ヨーロッパでも昨年のイギリスのEUからの離脱表明に加え、今年実施されるフランスやドイツの総選挙などにおいて、反EU主義を掲げる政党の伸長が予想されるほか、韓国や中国、さらにはロシア、イスラム諸国の動向も見通せない状況であり、世界情勢はまさに混沌としております。
 一方、我が国の経済雇用情勢は、有効求人倍率が改善し、全ての都道府県で一倍を超えるなど、緩やかな回復傾向が続いておりますが、国内の賃金水準は必ずしも改善方向にあるとは言い難く、デフレマインドの完全な払拭には至っていないほか、東京一極集中が進む中で、人口減少が続く地方においては、人材不足が深刻化し、今後の成長の足かせになっていくことが懸念されます。
 こうしたことから、国においては、アメリカが打ち出す政策や中国をはじめとするアジア新興国等の経済状況、世界の金融資本市場の変動の影響など、世界経済の動向をこれまで以上に注視して経済運営を行っていく必要があるほか、大胆な規制改革などによる産業競争力の向上、地方拠点化税制の更なる拡充や首都圏の大学・学部の新増設の抑制など、経済の好循環と東京から地方への人の流れを確実にするための抜本的な対策を強力に展開していただきたいと考えております。
 本県経済は、12月の有効求人倍率が1・27倍と過去最高となっており、先般、横手第2工業団地に大規模情報サービス関連企業の立地が決定したほか、風力発電に関わるメンテナンス人材の育成拠点や航空機産業の一次サプライヤーの操業開始など、雇用創出に向けた動きも活発化してきております。しかしながら、製造業、建設業、福祉介護分野における技術者不足などの課題もあることから、県としては、産業基盤の充実や付加価値生産性の向上対策に加え、人材の確保・育成に力を入れてまいります。
 次に、インバウンド誘客を含めた交流人口の拡大について申し上げます。  
 韓国と本県を結ぶ国際定期便は平成27年12月から運休しているところでありますが、先月16日から今月6日まで18便のチャーター便が運航され、韓国から訪れた多くの方々が雪景色や温泉、秋田の食や伝統文化を体験しました。このたびのチャーター便の利用実績により秋田への潜在的な旅行需要が確認されたことから、大韓航空に対し、早期の定期便運航再開を強く働きかけてまいりたいと考えております。
 また、新たに旅行業の登録を受けた仙北市のわらび座は、先般、東南アジアなどに拠点を構えるタイの旅行業グループと業務提携に関する覚書を交わし、県内の宿泊、移動、食事などを手配するほか、本県ならではの魅力を詰め込んだ着地型旅行商品を売り込んでいくことになりました。本県への送客拡大に直結することが期待されるものであり、このような民間事業者の意欲的な取組と呼応しながら、タイはもとより台湾や中国などの重点市場における誘客対策をさらに強化してまいります。
 東京オリンピック・パラリンピック事前合宿誘致については、先月9日から11日にかけて、タイ王国バドミントン協会会長が来県し、事前合宿の受入予定地である美郷町を訪問されました。会長からは、国際大会開催基準を満たす体育館や宿泊施設等の受入環境が申し分ないとの高い評価をいただいたところであり、誘致の実現に向けて大きく前進したものと考えております。
 事前合宿誘致は、スポーツの振興のみならず、国際的な交流人口の拡大にも寄与することから、東京オリンピック・パラリンピック以降も見据え、今後とも、市町村と連携して積極的に取り組むとともに、文化や教育などの分野においても、学校や民間団体等による海外交流活動を支援するなど、幅広い視点で交流人口の拡大に向けた取組を進めてまいります。
 次に、県政運営と主要施策の方向性について申し上げます。 
 私は知事就任以来、時代の潮流や社会経済情勢を見極めつつ、県議会をはじめ、市町村、県民の皆様との「対話」を大切に、十分な議論・検討を重ねた上で、適切なタイミングで物事を決定し、実行に移してまいりました。
 その結果、産業分野においては、電子部品・デバイスが中心であったリーマンショック以前の産業構造を転換し、電子部品に加え、自動車、航空機、新エネルギーなどの成長分野を新たな産業の柱として育成してきたほか、農業分野においては、平成27年の農業産出額の伸び率が全国1位となるなど、これまで進めてきたメガ団地等の大規模園芸拠点や肉用牛等の大規模畜産団地の整備をはじめとする米依存からの脱却に向けた各種施策が着実に実を結んできたものと受け止めております。
 さらに、私自らが、国内外でのトップセールスを精力的に展開することにより多様な主体と連携・協力体制を築き、観光・文化・スポーツが一体となった交流人口の拡大を進めるとともに、全国トップレベルの子育て環境づくりや教育基盤の整備などに、おおよその道筋をつけ、具体的な成果を積み上げることができたと考えております。
 一方で、その先にある少子化に歯止めをかけることや女性・若者にとって真に魅力ある就業の場の創出等は未だ道半ばであります。
 残念ながら、当面は人口減少そのものを避けることはできませんが、先人が築き上げてきたふるさと秋田を将来にわたり守り伝え、発展させていくため、今まさに、本県にとって最重要課題である人口減少に真正面から向き合い、克服に向けた取組に全力を傾注していく必要があると考えております。
 本県の人口減少は、複層的な要因によるものでありますが、戦後から続く若者を中心とした就職・進学による県外への転出が、その最大の要因であります。
 若者が秋田に定着し賑わう地域づくりと、雇用を生み出す成長産業の育成、複合型大規模農業などの生産拠点づくりにより、まずは若者の社会減に歯止めをかけ、その上で、秋田に暮らす全ての人々が活気あふれる地域の中で、心豊かに過ごせるよう、観光・文化・スポーツを中心とした交流人口の拡大と多様な交流を支える交通基盤の整備、元気で長生きできる健康長寿社会づくり、世界に貢献できる人材づくりを併せて進める必要があります。
 このため、今後、力を入れていくべき施策としては、まず、「若者の定着」であります。県内就職率の向上に向けて、広範な業種・分野の企業でのインターンシップなどによる高校生と地元企業との相互理解の促進、新たな手法による個々の大学生等へのダイレクトな就職情報の提供、全国最大規模の奨学金返還助成制度の活用などとともに、若い女性の県内定着を進める観点から、ICTやデザインなど女性に魅力ある雇用の場の創出を進めてまいります。
 また、移住者による起業を目的としたドチャベン事業の更なる推進や、移住者が首都圏等で「秋田暮らし」の魅力を伝えるなど、民間主体の取組を促進するとともに、全国一手厚い保育料の助成制度や、全国トップレベルの学力を生み出す教育環境の充実などにより、移住・定住を一層強化することにしております。
 「成長産業の育成」については、航空機や自動車関連産業において、新規に立地した企業と県内企業がそれぞれの強みを発揮した生産拠点化を進めていくほか、風力、地熱、バイオマスなど、再生可能エネルギー発電の更なる導入拡大を図るとともに、風力発電に係るメンテナンス人材の育成システムの構築などにより、県内企業の参入を促進してまいります。
 さらに、各地域の中核となる企業と他の県内企業とのサプライチェーンを強化するほか、市町村と連携した新規立地を一層促進するなど、重層的な産業構造の構築を進めてまいります。
 農林水産業の成長産業化の促進については、大規模園芸拠点や肉用牛等の大規模畜産団地の全県展開に加え、「えだまめ」に続き日本一を目指す「しいたけ」の生産拡大、さらにはマーケットインの視点を重視した県産農産物のブランド化を進め、国内外への販路拡大を図るなど、収益性の高い複合型生産構造への転換に向けた取組を加速させるほか、人手不足の解消に向け、幅広い年齢層からの就農を支援し、担い手の確保・育成を図ってまいります。
 日本一のスギ資源の活用に向けては、複合木質部材や低投資型CLT等の開発・普及を促進するとともに、林業大学校を中心とした人材育成を強化することにしております。
 「交流人口の拡大と交通基盤の整備」については、今後も拡大が見込まれるインバウンド需要の取り込みに向け、海外で絶大な人気を誇る秋田犬に加え、農家民宿や雪国文化など、本県ならではの魅力的な誘客コンテンツをさらに磨き上げるとともに、東北各県が連携した外国人向け周遊ルートの構築や国内の主要空港からの二次誘客など、多様なルートからの観光流動を促進するほか、県内での滞留・宿泊拠点の充実を図ってまいります。さらに、クルーズ船の寄港拡大に対応し、官民一体となった誘致活動を積極的に展開しながら、ターミナルの整備等のハード面に加え、受入態勢の充実などソフト面の強化を図るとともに、秋田空港及び大館能代空港と国内外の路線を有する空港とを結ぶ、地域LCCの可能性について検討してまいります。
 また、本県文化の創造・発信拠点となる県・市連携文化施設については、平成33年度の完成を目指すとともに、将来のまちづくりを見据えながら、サッカースタジアムなど大規模スポーツ施設の整備のあり方について、地元市町村やスポーツ関係団体、経済団体などと検討を進めてまいります。
 こうした様々な交流等を支える交通基盤の整備については、国が進める地方創生回廊の一翼を担う奥羽・羽越両新幹線の整備に向けた県民運動を強力に展開するほか、県内高速道路の早期全線開通に向け、未着手区間の早期事業化と事業中区間の整備促進について、引き続き国に対し強く働きかけるとともに、本県と隣県、県内主要拠点を結ぶ幹線道路ネットワークの充実を図ってまいります。
 「県民の健康づくり」については、新たに「健康寿命日本一」を県政における大きな目標として掲げ、がんを含む生活習慣病対策全般に関わる県民運動を展開する組織を立ち上げ、歩行習慣の定着、減塩やバランスのとれた食習慣による生活改善、乳幼児から高齢者までの口腔ケアなど、県民の身近なところから気軽に健康づくりを始められる環境をつくり上げてまいります。
 また、若手医師をはじめとする医療従事者の確保・育成や在宅医療の充実、さらには脳卒中・循環器疾患対策の法制化も見据えた脳血管研究センターにおける総合的な医療提供体制の強化や、認知症疾患医療センターの全医療圏設置などにより、地域の実情に応じた、良質で適切な医療を効率的・安定的に提供するとともに、民・学・官の連携により自殺対策を強力に推進するほか、医療用ウィッグ等補正具の購入助成など、がん患者の就労や社会参画を支援することにしております。
 「秋田の未来を担う人材の育成」については、小中学校の30人程度学級を全学年で引き続き実施するとともに、高校においては、確かな学力と社会的・職業的自立に必要な資質・能力の向上に力を入れるほか、統合校の整備や老朽化した校舎の改築・改修を推進するなど、教育環境の更なる充実に努めてまいります。
 さらに、経済的に困窮する家庭の子どもに対する学習支援を新たに行うなど、地域ぐるみで子どもを育む環境を整備することにしております。
  こうした施策については、これまで部局横断的に取り組んできたところでありますが、人口減少の抑制に向けた取組の総合調整機能を強化するとともに、複数の所管部局で実施してきた、移住・定住や子育て支援、女性の活躍推進などの業務を一元的に推進していくための組織として、新たに「あきた未来創造部」を設置し、地域振興局を中心に市町村との連携を強化しながら、県民とともに本県の最重要課題に取り組む体制を整え、より強力に施策を展開してまいりたいと考えております。
 多くの若者が、結婚し、家庭を持ち、子どもを育てていきたいという希望を持ち続けています。
 私は、豊かな自然や地域に根ざした多様な文化、さらには、家族や地域の強いつながりなど、経済指標では測ることができない豊かさにあふれた秋田において、魅力ある多様な雇用の場を創出するとともに、生産性が高く、活力ある地域経済を確立することにより、若者の希望をかなえ、男性、女性、そして高齢者の誰もがその能力を発揮し、生き生きと活躍できる社会を築いていくことができると考えております。
  県人口は、今年中に100万人を割り込むと推測されております。この現実を受け止め、今後の人口減少に対応した社会システムを早急に構築するとともに、将来的には、人口減少の克服を目指し、そのための道筋をつけていかなければなりません。困難な課題でありますが、いつの時代にあっても逆境の中での懸命な努力により、新たな時代が生まれることを思えば、厳しい状況ではあるものの、決して悲観することなく、「ふるさと秋田の元気を創造し、高質な田舎を実現する」という気概を県民の皆様と共有しながら、更なる挑戦を続けてまいります。
 次に、平成29年度当初予算案について説明申し上げます。
 新年度予算案については、4月が知事改選期に当たることから、義務的経費を中心とした骨格予算とすることを基本にしながらも、県民生活の安定と安全・安心を支える事業のほか、これまで「あきた未来総合戦略」等において進めてきた施策・事業の流れを途切れさせないための継続事業や、年度当初からの着手が必要な事業を組み込み編成いたしました。
 なお、国の新年度予算を踏まえて対応すべきものや、新たに政策的対応が必要なものについては、肉付けとなる六月補正予算に計上することにしております。
 歳入面では、地方消費税関係の減や、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税の伸びが見込めない一方で、歳出面では、高止まりしている公債費や高齢化の進行等に伴う社会保障費の増などにより、依然として厳しい財政状況にあります。こうした中にあっても、プライマリーバランスの黒字や財政2基金残高を確保するなど、財政規律に配慮しつつ、元気な秋田を創造していくための事業、県民の暮らしに直結する事業は歩みを止めることなく推進することにしております。
 また、公共事業については、当初予算に、平成28年度から繰り越す額と肉付け補正を合わせた実質事業額は、前年度の規模を大きく上回る見込みであります。
 以下、当初予算案の主なものについて申し上げます。
 はじめに、「あきた未来総合戦略」の推進についてであります。
 「産業振興による仕事づくり」における「地域産業の競争力強化」については、産学官連携による秋田発の新たな航空機複合材の開発に取り組み航空機産業の製造拠点化を目指すとともに、新エネルギー先進県として、秋田港及び能代港における洋上風力発電の建設計画の早期事業化に向けて環境整備を進めてまいります。
 また、ICT関連の新たなソフトウエア等を開発する県内事業者を支援し、首都圏等の大規模マーケットへの県内企業の参入を促進するとともに、グローバル市場で勝ち抜くため、海外展開による販路開拓に積極的に挑戦する県内企業を支援するほか、自動車産業や航空機産業等の将来の担い手となる高校生を対象としたメーカーでの体験研修等を開催し、産業人材の育成を強化するとともに、経済団体、大学、行政機関等の連携体制を強化し、県内企業主体のインターンシップ受け入れに向けた取組を展開してまいります。
 「農林水産業の成長産業化の促進」については、激化する国内外の産地間競争に打ち勝つため、園芸メガ団地や複数団地のネットワーク化による園芸拠点の整備を強力に推進し、収益性の高い複合型生産構造への転換を加速させるとともに、えだまめや秋田牛等のブランド化を図り、国内外への売り込みを強化するほか、9月に宮城県で開催される全国和牛能力共進会に出品する秋田牛の上位入賞に向けた取組を支援してまいります。
 また、高齢化の進行等による担い手不足に対応するため、県外から農林水産業に移住就業する方に対し、機械設備の無償貸与や体験研修などハード・ソフト両面からの幅広い支援を行うなど、担い手人材の確保・育成を強化することにしております。
 さらに、平成31年に本県で開催される「第39回全国豊かな海づくり大会」に向け、市町村や漁業・観光業関係者等が協働で大会PRを行うなど機運の醸成を図るとともに、栽培漁業推進の拠点となる水産振興センターの整備を進めるほか、県産材の需要拡大に向けて、異業種や産学官が連携し、CLTなどの新たな木質部材の開発や実証普及に取り組んでまいります。
 「観光を中心とした交流人口の拡大」については、4月に大仙市で開催される「第16回国際花火シンポジウム」に対し助成するとともに、観光客の多様なニーズに対応するため、宿泊施設の魅力向上を支援するほか、世界的に知名度の高い秋田犬をキラーコンテンツとして打ち出す観光プロモーションを国内外で集中的に展開するとともに、海外に拠点を持つ民間事業者との連携を強化し、日本酒などの県産品の輸出拡大を促進してまいります。
 インバウンド対策については、台湾や韓国、タイなどの重点市場における誘客プロモーションや、台湾からのチャーター便の安定的な運航に向けた取組等を強化するとともに、県内市町村や東北各県と連携し、体験型プログラムを組み込んだ着地型旅行商品の売り込みなど、ターゲットを絞った誘客対策に取り組むほか、新たな外航クルーズ船の積極的な誘致活動を展開するとともに、ナショナルパークづくりを進めている十和田八幡平国立公園と県立自然公園の魅力を一体的に国内外に発信する秋田版自然公園満喫プロジェクトを展開し、一層の誘客促進を図ってまいります。
 加えて、本県の伝統芸能が一堂に会する「新・秋田の行事」を引き続き開催するほか、東京オリンピック・パラリンピックを見据え、市町村と連携したホストタウン登録を促進し、タイやインドネシア、フィジーなどの海外ナショナルチームの事前合宿誘致活動を強力に展開してまいります。
 さらに、「スポーツ立県あきた」を推進するため、ジュニア層を含めた強化に引き続き取り組むとともに、本県出身アスリートの育成強化を図るため、県内企業に就職したトップアスリートの競技活動を支援することにしております。
 また、県・市連携文化施設の整備を着実に進めるほか、将来の秋田の発展につながる奥羽・羽越両新幹線のフル規格での実現を目指し、整備促進に向けた機運の醸成を図ってまいります。
 「移住・定住対策」については、首都圏等からの移住を一層促進するため、移住希望者が求める多様なライフスタイルに対応する「くらし」と「しごと」をパッケージにした総合的な移住支援メニューを提供するなど、市町村や地域と一体となった取組を展開するほか、大卒・高卒者等の県内就職を促進するため、県内企業とのマッチングや職場定着の向上を図るための支援員を新たに配置するなど、若者の県内定着に向けた取組を強化してまいります。
 また、多様なメディアを活用し、全国トップレベルの教育・子育て環境などの本県の強みを全国に発信するとともに、本県の地域資源を活用した起業に取り組む移住希望者を支援する「ドチャベン事業」を引き続き実施してまいります。
 「少子化対策」については、子育てに係る経済的負担の軽減を図るため、乳幼児等に対する保育料や医療費の助成を継続するとともに、3人以上の子どもがいる世帯に対し、所得に関係なく、無利子で奨学金を貸与するほか、子育て世帯の住宅リフォームを引き続き支援することにしております。
 また、あきた結婚支援センターを中心に独身男女の出会いや結婚を積極的にサポートするとともに、地域における子ども・子育て支援に携わる人材の確保と資質の向上に取り組むほか、慢性的な保育士不足に対応するため、キャリアアップとセットで処遇改善を図るとともに、保育士が安心して仕事を続けられるよう産休代替等の職員を雇用する事業者に対し助成してまいります。
 さらに、家庭の経済状況等にかかわらず、高校進学に向けた基礎学力や学習習慣を身に付けるため、学校以外で学習機会を提供するとともに、教育分野と福祉分野をつなぐコーディネーターを養成し相談体制を充実するなど、子どもの貧困問題に関する取組を強化してまいります。
 「新たな地域社会の形成」については、高齢者を含めた多世代が交流し協働するまちづくりに向けた「秋田版CCRC」に取り組む民間事業者等に対し支援するとともに、長期的な視野に立った「あきた公共施設等総合管理計画」に基づく県有施設の計画的な更新や長寿命化などの取組を推進してまいります。
 また、若者や女性が個性と能力を生かしながら、地域や職場で活躍できる環境を整備するため、女性の活躍推進に取り組む企業のPRを実施するほか、若手技術者等のキャリアアップ研修など建設産業への就業促進を図り、担い手の確保・育成を強化することにしております。
 次に、「県民の生活を支える基盤づくりの推進」についてであります。
 「元気な長寿社会の実現」については、高齢化の進行により多様化する介護ニーズに対応し、新規就労者の確保や人材育成等に取り組む事業者を支援するほか、市町村が実施しているがん検診に対する支援をはじめ、がん診療連携拠点病院等の整備や緩和ケアの推進など総合的ながん医療対策を推進するとともに、「秋田県受動喫煙防止対策ガイドライン」に基づき、県内の施設管理者等の協力を得ながら受動喫煙防止対策を積極的に展開するほか、国の取組に呼応して「地域自殺対策推進センター」を設置し、民・学・官が一体となった自殺予防の取組を強化してまいります。
 また、選手と観客を合わせて約40万人の参加が見込まれる「第30回全国健康福祉祭(ねんりんピック)秋田大会」を9月に開催するほか、認知症の方や家族が住み慣れた地域で安心して生活を送れるよう、認知症疾患医療センターの設置を促進するとともに、脳・循環器疾患の総合的な医療提供体制の構築に向けた脳血管研究センターの増改築工事を着実に進めてまいります。
 「未来を担う人づくりの推進」については、全国トップレベルの学力をさらに向上させていくため、本県独自の少人数学級を義務教育において引き続き実施するとともに、工業系高校等において航空機関連のカリキュラムを導入するなど、地域産業を支える人材育成を推進してまいります。
 また、子どもの不登校やいじめ等の問題解決を図るため、スクールカウンセラーを県内の学校に配置するとともに、子どもの生活環境の改善等を支援するスクールソーシャルワーカーを増強することにしております。
 「県民の安全・安心の確保と生活環境の整備」については、土砂災害警戒区域等の指定や火山防災対策に取り組むとともに、八郎湖の水質保全に向け、湖内のアオコ対策や農地濁水対策等を充実強化するほか、9月に秋田市で開催される「第23回全国女性消防操法大会」の支援を通じて、本県における消防団員の確保と技術向上を図ってまいります。
 また、野生鳥獣の被害防止対策を進めるため、新たなモニタリング調査により、ツキノワグマのより正確な生息状況を把握するとともに、初心者向け狩猟研修会を開催するなど、狩猟者の確保・育成を図るほか、横手警察署の改築を着実に進めるとともに、高齢者をはじめとする県民の交通事故防止に向け、市町村や地域住民等と連携した総合的な交通安全対策を強化することにしております。
 このほか、北東アジア地区の経済交流等に関し、日本、中国、韓国、ロシア、モンゴルの各地方議会の代表が意見交換を行う「第8回北東アジア地区地方議会議長フォーラム」を本県で初めて開催するほか、県人会とのネットワークを活用し、県外における秋田の魅力発信等の取組を展開し、「全国に秋田がある」体制づくりを推進してまいります。
 以上、平成29年度当初予算案の主なものについて説明いたしましたが、一般会計予算案の総額は、5,635億5,800万円であり、前年度当初予算と比較いたしますと、6・2パーセントの減となります。
 次に、平成28年度2月補正予算案について申し上げます。
 このたびの補正予算案は、国の補正予算に対応した秋田の創生に向けた取組や公共事業のほか、決算見込みに伴う事業費の増減等について計上しております。
 秋田の創生に向けた取組については、インバウンド誘客を促進するため、外国人とのコミュニケーション能力向上に向けた取組や、伝統文化・工芸などニーズの高い体験型コンテンツの商品化と売り込みの強化を図ってまいります。
 また、あきた結婚支援センターにおいて、出張結婚相談の実施やマッチングシステムの機能強化を進めるほか、保育士資格の取得を目指す学生に対し、県内就職を要件とする返還免除付きの修学資金貸付制度を創設してまいります。
 さらに、市場ニーズに応じた農産物の生産・販売等を促進し、産地の収益性向上を図るため、加工施設の整備に対し助成するとともに、秋田牛の生産基盤の拡大を図るため、大規模肉用牛団地の整備を支援してまいります。
 公共事業については、農業生産基盤の強化を図る土地改良事業等を計上しております。
 このほか、決算見込み等に伴う補正を行うとともに、前年度決算剰余金の2分の1相当額を財政調整基金に積み立てることにしております。
 一般会計補正額は、175億3,513万円の減額であり、これにより平成28年度予算の補正後の総額は、6,204億6,110万円となります。
 次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
 「秋田県部設置条例の一部を改正する条例案」は、人口減少の抑制に向けた取組を強化し、女性及び若者等が活躍する秋田の未来を創造するため、移住及び定住、少子化対策、女性及び若者の活躍並びに地域振興に関する施策を一体的に推進する組織としてあきた未来創造部を設置しようとするものであります。
 「秋田県国民健康保険運営協議会条例案」は、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律の施行により、国民健康保険事業の運営に関する事項を審議する秋田県国民健康保険運営協議会を設置しようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。