平成28年第2回定例会9月議会知事説明要旨(平成28年9月9日)

2016年09月09日 | コンテンツ番号 15787

今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件についてご審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに、このたびの内閣改造において、本県選出の金田勝年衆議院議員が法務大臣に、冨樫博之衆議院議員が総務大臣政務官に就任されましたことを、心よりお祝い申し上げます。
法務行政は、基本法制の整備や法秩序の維持、国民の権利擁護など国民の安全・安心の基盤となる重要な分野であり、金田大臣におかれましては、司法制度改革やきめ細かな人権救済の推進などについて、大いにその手腕を振るっていただくことを、また、冨樫政務官におかれましては、現下の重要課題である地方創生の推進、地方行財政の基盤強化等に向け、長く地方自治に携われた経験を活かし、存分にご活躍されますことを期待申し上げますとともに、今後もふるさと秋田の発展のため、お力添えを賜りますようお願いいたします。
次に、リオデジャネイロオリンピック競技大会に出場されました本県出身選手についてでありますが、カヌー競技の佐々木将太さんと翼さんのご兄弟、男子マラソンの佐々木悟さんは、残念ながら上位入賞は成らなかったものの、粘り強く最後まで諦めないその姿は、県民に大きな感動と勇気を与えてくれました。これまでのご努力に対し、心から敬意を表しますとともに、今後とも、益々ご活躍されますことを願っております。また、現在開会中のパラリンピック競技大会の車椅子バスケットボール競技に出場されている藤井新悟さんのご活躍も期待しております。
2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されますが、県としては、本県選手が一人でも多く出場できるよう、県体育協会や競技団体等とも十分連携しながら、トップアスリートの育成・強化に努めてまいります。
次に、国政を巡る状況について申し上げます。
我が国の経済は、雇用・所得環境の改善が見られる一方で、個人消費や民間投資は力強さを欠いており、さらに、中国をはじめとする新興国等の景気の下振れや英国のEU離脱問題による欧州の動揺など、世界経済の先行きの不透明さが増しております。
こうした中、先月2日に事業費ベースで28兆円、過去3番目の規模となる「未来への投資を実現する経済対策」が閣議決定されたところであります。
この経済対策では、内需を下支えしながら、高齢化社会を乗り越えるための潜在成長力の向上を目指し、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を講ずるとされております。
産業構造改革、働き方や労働市場の改革などに取り組みながら、未来への投資を加速させることにより、我が国が長年続いたデフレから脱却し、着実な成長軌道に乗ることを期待するとともに、本県を含めた地方公共団体の要望に沿って、新たな交付金の創設や生活密着型のインフラ整備など地域の元気を引き出す取組も盛り込まれたことは、地方創生の本格展開に向けた力強い支援になるものと考えております。
国においては、関係する補正予算を早期に成立させ、各般の施策を着実に実行していただきたいと思います。県としても、国の補正予算の成立状況を見極めながら、機動的に対応してまいります。
次に、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」について申し上げます。
平成26年度から29年度までを計画期間とする第2期プランは、開始から2年余りとなり、折り返しを経過したところでありますが、時代の潮流を踏まえながら、先駆的な取組を積極的に展開してきたことにより、様々な成果が現れております。
産業・エネルギー戦略については、自動車や航空機といった成長産業分野において、大手メーカーに直接部品を供給する、いわゆる一次サプライヤーなどの中核となる企業の誘致に成功したところであり、県内でのサプライチェーンの形成等が期待されるほか、航空機産業における国際的な認証を取得する企業が出ているなど受注拡大に向けた取組も進展してきております。
風力発電等の新エネルギー関連産業の創出・育成については、風力発電設備の新規導入量が平成26年度、27年度で全国トップとなるなど大幅に拡大しているほか、東北地方の風車メンテナンス拠点となる事業所の立地、秋田港及び能代港における洋上風力発電の事業化に向けた進展、県内の未利用間伐材チップ等を燃料とする東北最大級の木質バイオマス発電事業のスタートなど、新エネルギー供給拠点の形成や関連産業の集積が図られてきております。
農林水産戦略については、園芸メガ団地の整備等による、えだまめ・ねぎ・小(こ)菊(ぎく)等の産地の形成、新ブランド「秋田牛」のデビュー、秋泉やNAMAHAGEダリア等の県オリジナル品種の生産拡大など、「米依存からの脱却」に向けた取組が進展するとともに、首都圏や海外でのプロモーションの展開、大手企業と連携した青果物のマーケット拡大を図る物流システムの構築など、販売対策の強化にも取り組んでおります。
また、林業分野では、県産材を優先して利用する「ウッドファーストあきた」の推進により、需要の拡大や林業雇用の増大を図るとともに、東京オリンピック大会施設等への県産材の供給に向けて、森林認証の取得を推進したほか、CLTや木鉄ハイブリッドなど新たな複合木質部材の生産実証、さらには林業大学校の開設等による担い手の確保・育成も進めております。
観光・交通戦略については、大型観光キャンペーンによる県外誘客の拡大や受入環境の整備等、総合戦略産業としての観光を推進するとともに、国民文化祭やワールドカップ・モーグル大会の開催など、文化・スポーツ分野における交流人口の拡大を図ってきたほか、今月開催される「日本スポーツマスターズ」や来年実施予定のJR東日本重点販売地域キャンペーンに連動した県の集中プロモーションなどにより、新たな需要の喚起に努めながら、県外からの来訪者を拡大させる取組を推進しております。
インバウンド対策については、台湾、タイ、韓国を重点市場と位置づけ、誘客プロモーションを実施するとともに、地域と連携しながら外国人旅行者の受入態勢の整備を進めているところであり、外国人宿泊客数は着実に増加しているほか、トップセールスの実施等により、台湾からのチャーター便運航が安定的に確保されている状況にあります。
健康・医療・福祉戦略については、地域の中核的な医療機関である大曲厚生医療センターや湖東厚生病院の整備を支援するとともに、県立脳血管研究センターの循環器疾患分野の機能強化を図ったほか、医師確保についても、この4月から県内において初期臨床研修を開始している医師が、過去最高の八四人となるなど一定の成果が見えてきたところであります。
教育・人づくり戦略については、全国トップレベルにある小中学生の学力維持・向上に向けて、本県独自の30人程度学級を今年度から全ての学年で実施しているほか、統合高校の能代松陽高校、角館高校、大館桂桜高校の開校、秋田南高校を母体とする中高一貫教育校の開設など、良好で魅力ある学びの場づくりに取り組んできております。
地域力創造戦略については、第3子が生まれた場合の第2子からの保育料の無料化や多子世帯に対する新たな奨学金制度の創設など、全国トップレベルの子育て支援策の更なる充実を図るとともに、あきた結婚支援センターにおけるマッチング事業等により、その成婚報告者数が800人を超えたほか、移住に関する相談窓口の充実・強化やきめ細かな受入体制の整備、総合的な移住情報の発信等により、平成27年度の移住者数が前年度から大幅に増えたところであり、さらに今年度はそれを上回るペースで推移しております。
今後とも、「高質な田舎」秋田の実現を目指し、第2期プランに掲げた施策を着実に推進してまいります。
次に、県・市連携文化施設の整備について申し上げます。
昨年度策定した整備方針に基づき、今年度は、建設候補地である県民会館所在地の測量調査を実施した上で、県と秋田市で整備計画の原案を取りまとめ、県内3地区で県民との意見交換会を開催したほか、文化団体の関係者等とも意見交換を重ねてまいりました。
意見交換会では、整備計画の原案に関連し、一部異なる意見や提案もありましたが、音響の充実を求める声や千秋公園など周辺の環境にマッチした外観にすることなど、原案を前提とした具体的な意見が多く聞かれ、また、文化団体等からは、早期の整備を期待する旨の要望も寄せられたところであります。
こうしたご意見やご要望を踏まえ、このたび、具体的な施設機能や県民会館所在地への施設配置案等を盛り込んだ「県・市連携文化施設に関する整備計画(案)」をお示ししたところであります。
新たな文化施設は、2,000席の高機能型ホールと800席の舞台芸術型ホールを中心に、開場までの時間を楽しめるエントランスロビー、十分な数のリハーサル室や練習室などを備え、質の高い芸術発表・鑑賞の場や日常的な文化活動の拠点としての役割を果たすことはもとより、秋田駅からの徒歩圏内に位置し、バンケット機能を備えた宿泊施設に近接する県民会館所在地に整備することで、大規模な会議や大会の開催に加え、千秋公園や近隣の美術館等を周遊するまち歩き観光の新たなスポットとして、街のにぎわい創出にも貢献できるものと考えております。
今後、議会での広範なご議論を踏まえ、計画を成案化し、具体の整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、「国立公園満喫プロジェクト」における十和田八幡平国立公園の選定について申し上げます。
このプロジェクトは、国立公園について世界水準の「ナショナルパーク」としてのブランド化を図り、外国人の国立公園来訪者を2020年度までに1,000万人とすることを目指すものであり、全国32カ所の国立公園の中から十和田八幡平国立公園をはじめ8カ所がモデル事業の対象として選定されたところであります。
今年は、国立公園の指定から、十和田八甲田地域が80周年、八幡平地域が60周年という節目の年であり、本プロジェクトへの選定は、この地域の持つ魅力や地元の熱意が改めて評価されたものであり、今後の来訪者の増加に弾みがつくものと考えております。
今月中に、国、北東北3県、市町村、民間団体等で構成する地域協議会を設立し、年内には具体的な整備方針等を定めた「ステップアッププログラム」を策定することになっており、本県としても国の支援を受けながら関係する自治体等と連携して、プログラムに基づく来訪者の拡大に向けた様々な取組を展開することにしております。あわせて、本県独自の取組として、国定公園や県立自然公園にも外国人旅行者を呼び込むため、魅力的なツアープログラムの開発やガイドの育成、多言語による情報発信の強化など、自然公園全体の受入態勢を一体的に整備することにより、国内外からの誘客を積極的に促進してまいります。
次に、タイ・シンガポール・台湾への訪問について申し上げます。
6月25日から30日にかけてタイ及びシンガポールを、8月22日から26日にかけて台湾を、県内の市町村長や貿易関連団体、金融機関の関係者とともに訪問してまいりました。
タイでは、現地の有名俳優に「あきた観光大使」の委嘱状を交付し、秋田のPRについての協力をお願いしたほか、富裕層の多いバンコクの高級レストランで秋田フェアを開催し、観光や食に関するプロモーションを行ってまいりましたが、その中で特に秋田牛が大好評であったことから、今後の農林水産物の輸出及び販路拡大に大きな手応えを感じたところであります。
また、東京オリンピック・パラリンピックを見据えたスポーツ交流を推進するため、タイスポーツ庁において、年度内の包括的なスポーツ交流に関する基本合意に向けて意見交換を行ったほか、本県への教育旅行の実施など高校生を中心とした教育交流に関する覚書を現地の学校との間で締結してまいりました。
シンガポールでは、県と包括連携協定を締結している企業の和食レストランにおいて、1カ月間にわたり開催した「秋田メニューフェア」のキックオフイベントに参加し、秋田の食と酒を存分にアピールしてまいりました。
今後は、「秋田犬」をキラーコンテンツとした観光戦略の展開と、農林水産物や県産食品の輸出促進、さらにはバンコクに設置している「秋田県東南アジア経済・観光交流連絡デスク」を拠点とした本県企業へのサポートの充実などにより、アセアン地域における各分野の交流を一層進展させてまいります。
台湾については、急増している訪日観光客を東北地方にも呼び込み、東日本大震災によって落ち込んだ東北地方の観光需要を回復させるため、東北各県の知事等によるトップセールスや台湾政府への表敬訪問を行ったところであります。
今回は、秋田発着のチャーター便を利用して訪問したところであり、県内の市町村長等とともにチャーター便誘致のため航空会社を訪れたほか、高雄市と観光、教育、経済分野での交流を促進するための覚書を締結してまいりました。航空会社からは、この秋以降も本県へのチャーター便を運航させたいとの意向が示されたことから、冬の秋田の魅力を活用した旅行商品づくりを働きかけるなど、東北各県とも連携を図りながら、台湾からの誘客拡大に向けた取組を積極的に展開してまいります。
次に、奥羽・羽越両新幹線の整備に向けた取組について申し上げます。
今月7日に、整備促進に向けた推進母体として、県、市町村、経済団体等からなる「秋田県奥羽・羽越新幹線整備促進期成同盟会」を設立したところであります。
両新幹線のフル規格での整備は、県外との経済交流や人的交流の活発化が期待されるものであり、県民が秋田の未来に夢と希望を抱く契機になるものと考えております。その実現までには、多くの克服すべき課題がありますが、今後は、期成同盟会を中心に諸課題の研究やPR活動を活発化させるとともに、いよいよ我々の番だとの思いを強く持ちつつ、山形県等とも連携しながら、国やJR東日本に対して粘り強く要望活動を展開してまいります。
次に、第30回全国健康福祉祭「ねんりんピック秋田2017(にせんじゆうなな)」に向けた取組について申し上げます。
大会開催まで残すところ一年となり、明後日の11日には、秋田駅にカウントダウンボードを設置するほか、秋田市拠点センター「アルヴェ」において、大会のPRイベントを実施することにしております。
これを契機に、キャラバン隊の巡回などによる県民への広報活動を積極的に展開するとともに、高齢者をはじめ幅広い世代が参加する秋田らしい大会となるよう、その準備を着実に進めてまいります。
次に、提出議案の主なものについて説明申し上げます。
今回の補正予算案は、秋田の創生に向けた取組のほか、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業や公共事業等について計上しております。
秋田の創生に向けた取組については、海外からの個人旅行客の拡大を図るため、農山村風景や雪など本県ならではのコンテンツを活かしたプロモーションを展開するほか、十和田八幡平国立公園が「国立公園満喫プロジェクト」に選定されたことを契機に、本県の国定公園や県立自然公園の魅力を国内外に発信し、外国人観光客を中心とした誘客促進に結びつけるとともに、世界自然遺産「白神山地」の価値と魅力を将来にわたって守り伝えるため、エコツーリズムイベントの開催や環境教育に関する取組を推進してまいります。
「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業については、介護人材の確保及び職場定着を促進するため、介護従事者の処遇改善や人材育成等に積極的に取り組む事業所を認証・評価する制度を構築するとともに、医療需要に即した病床機能への転換を進めるため、県内病院が行う設備整備等に対し助成してまいります。また、5月の果樹・花き等の降ひょう被害農家の経営再建を支援するとともに、雇用増や地域産業の振興に結びつく企業の設備投資に対し助成してまいります。
公共事業については、豪雨により被害を受けた河川等の公共土木施設の復旧を行うとともに、熊本地震等を踏まえ、災害を未然に防止するためのインフラ整備等を実施してまいります。
一般会計補正額は、54億4,710万円であり、補正後の総額は、6,156億3,368万円となります。
次に、単行議案の主なものについて申し上げます。
「秋田県教育委員会の委員の任命について」及び「秋田県土地利用審査会の委員の任命について」は、委員の任期満了に伴う後任の任命について、議会の同意をお願いしようとするものであります。
「秋田県いじめ防止対策推進条例案」は、いじめ防止対策推進法の趣旨を踏まえ、いじめの防止等のための対策に関し、基本理念を定め、県等の責務を明らかにすることなどにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進しようとするものであります。
以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。