秋田県漁協船川総括支所から変わったサケが漁獲されたと電話連絡があり精査したが、概要は以下のとおりである。

年月日

平成23年11月11日

採捕場所、漁具

男鹿市野石、定置網

魚体

2.0㎏、雄

魚体の概要

外観

全体的に黄色の色素が視認され、それは、眼窩の前後、腹部、口腔内などで顕著であったが、眼球は黒色であった(漁獲直後は全体的に黄色かったとのこと)。

その他

頭部の軟骨部位や骨に付着したゼラチン質様の物質が特に黄色く、筋肉についてもうっすらと黄色味がかっているように思われた。
内臓のうち肝臓が緑色を呈していた他、異常は認められず、精巣については、白色で、堅く、放精できるようになるまで、ある程度の期間を要するような個体であった。

日本海区水産研究所の所見 

日本海区水産研究所に写真を送付したところ、以下の回答を得た。

平成22年に新潟県沿岸でほぼ同様のサケ2尾が漁獲され、色素異常と思われるが、原因等はわからない。

なお、同研究所から平成23年11月1日付け北海道新聞に「斜里で黄金サケ」の報道があり、その中で、東京農業大学生物産業学部アクアバイオ学科松原准教授が「天然海域で育った黄色のサケは珍しく、生まれつきの突然変異ではなく、稚魚の時に脳がダメージを受けて脳内にある体色をコントロールするメラニン凝集ホルモンの作用が狂ってしまい、黄色くなったのではないか」とコメントした新聞の切り抜きをいただいた。

写真:黄色のサケ1写真:黄色のサケ2写真:黄色のサケ3

写真:黄色のサケ4写真:黄色のサケ5写真:黄色のサケ6