県民の声

受付日 2022/2/24
受付番号 503
広聴形態 知事への手紙
提案区分 提言・要望
本文 県民が株主となる「県民参加型洋上風力発電」の提案
 新たな計画が次々と進んでいる洋上風力発電。近い将来、夕日が沈む日本海の景観が大きく変わるのは間違いない。地球温暖化防止の観点からは必要性を理解できるものの、納得できない思いを抱えながら計画を見守っている人も多いのではないか。そこで、日本海から吹き寄せる風を「県民の共有資産」と捉え、発電が続く限り県内に経済効果をもたらす仕組みを提案させていただきたい。
 「海の景観が壊される」という思いは、地元とほとんど関わりを持たなかった大手企業が突然やってきて(おそらく外国資本も含まれる)、私たちの見慣れた景観が壊され、利益を得ようとすることに対する反感もあると思う。だが、それが自分たちで建てた風車であればどうだろう。きっと「今日も風車が回って発電できているな」と、違った見え方に変わるのではないだろうか。自分たちが建てた風車は、子どもたちにも誇りにできるし、売電収入は県経済にとってもプラスに働くはずだ。
 ところが、実際に進んでいる計画をみると、必ずしもそういう仕組みにはなっていないと思う。というのは、期待される経済効果としては、関連部品工場や保守管理会社がつくられることにより雇用が生まれるが、部品工場の稼働率は当初高くても、設置が一巡すれば縮小するからだ。そのため、売電収入の多くを県外事業者が得ることになりかねない。県内にもできるだけ多くの経済効果をもたらす仕組みが必要だ。
 そこで提案したいのは、国が事業者に条件を義務づけるというもの。
(1)事業資金の一定割合(最大5割など)を県内優先の公開株式とし、個人や中小企業、地方公共団体などから優先的に調達させること
(2)岸から一定の距離を離すこと(1〜2kmなど)
 岸から離すことには「送電ロス」を理由に難色を示すかもしれないが、地元の理解を優先するべきだ。また、地元での株式調達は、事業者にとって利益が減ってしまうことになり抵抗が予想される。しかしその分、国策で進める洋上風力発電は比較的安定した投資先となって、老後の資金問題にも一役買うことが期待できる。
 地球温暖化防止に不可欠な再生可能エネルギー。日本海から吹き寄せる風を「県民の共有資産」として捉え、「県民参加型洋上風力発電」として実現させたい。

県からの回答

処理区分 調査・検討中
本文  一般海域における洋上風力発電事業は、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく 国の公募に係るものであり、応募事業者においては多額な事業資金を安定的に調達することが必要とされ、こうした資金調達については事業者自身が決めることとなります。 
 御提案にありますとおり、県内企業などからの出資については、洋上風力発電事業に県民自らが関わっているとの意識を育むとともに、出資に応じた経済効果を得ることにつながるものと考えております。
 このたび国が選定した事業者からは、現在、地域ファンドの構築による県民参画を計画中と伺っておりますが、これに加え、発電事業のための特別目的会社の設立にあたり、県内企業の出資についても検討されるよう事業者へ要請しているところであります。
 また、発電設備の整備にあたっては、「環境影響評価法」に基づ いて事業者が行う環境影響評価による調査・予測・評価結果を踏まえ、発生源から出る音が生活環境に影響を与えないような事業計画とするとともに、景観への影響についても低減されるよう、適切な配慮がなされるものと考えております。
 風況に恵まれ、我が国でも有数の洋上風力発電の適地とされている本県沖に加えて、近隣の県においても洋上風力発電の導入に向けた取組が進められていることから、本県が北日本における洋上風力発電関連産業の集積拠点となり、関連産業の振興や雇用創出を含めて、最大の経済効果が得られるよう引き続き取り組んでまいります。

 

事項名:新エネルギー・環境・リサイクル