県民の声

受付日2018/8/15
受付番号304020
広聴形態知事への手紙
提案区分提言・要望
本文  仙北市の角館駅から北秋田市の鷹巣駅までを結ぶ秋田内陸線。沿線の人口減少や車社会の常態化等の影響から「廃止論」まで持ち上がっているのが現状です。しかし、生活路線や観光路線として、利用者の方々に大変重宝されてきました。
 まず、生活路線としての秋田内陸線ですが、自動車を持っていない、又は運転ができない沿線住民の通勤・通学・通院等の貴重な足となっている秋田内陸線ですが、内陸線からJR線を利用するには路線の起・終点である角館・鷹巣両駅でJR線への乗換えが必要になってきます。秋田内陸線利用者で角館駅から大曲方面へ、鷹巣駅から大館方面へ向かう利用者たちは「秋田内陸線からJR線に乗り入れられる直通の定期列車が走ってくれたらどんなに楽で便利になることだろうか。」と望んでいることと思います。
 次に、観光路線としての秋田内陸線ですが、沿線の雄大かつ豊かな大自然や素朴でのどかな姿を見せる田園風景、そして、それらが見せる四季折々の表情が織りなす、風光明媚な情景が利用者の心を大いに楽しませております。もしかしたら、ではありますが、その中で、「SL(蒸気機関車)牽引の列車が走ってくれたら本当に良いのにな・・・。」と思っている方々は多くいると思います。SL列車の車両は、客車は新造又はJRグループか私鉄の同業他社から譲渡を受ける形で調達するほか、SLについても実際に国鉄阿仁合・角館線時代の秋田内陸線を走り、現在は北秋田市の米代児童公園に展示されているC11型蒸気機関車372号機を部品交換等の改修を施した上で調達できると思います。
 そのためには莫大な費用が必要となりますが、県がその費用を補助、または全額を肩代わりするには、県の財政上の都合に加え、県民からの反対も予想されます。しかし、クラウドファンティングで県内外から幅広く資金を募るのであれば、県の財政負担も軽減される上に、県民の反発もほとんど無く穏便に資金調達を行えると思います。

県からの回答

処理区分実施困難
本文  秋田県では、秋田内陸縦貫鉄道株式会社が運営する秋田内陸線の持続的な運行を確保するため、車両や鉄道施設の更新などの安全対策への支援に努めているほか、鉄道の情報発信、沿線地域のPRなど、利用促進の取組を通じて鉄道を含めた地域の活性化のための施策を沿線市とともに進めております。また、会社では、これまで、JRと内陸線との接続や利便性の向上に向けて、春のダイヤ改正や共同企画乗車券の販売などに取り組んでまいりました。
 さて、いただいた一つ目の御提案である内陸線からJR線への乗入れについては、桜の開花時期やねぶたの開催時期には鷹巣駅から弘前駅や青森駅への乗入れを実施しておりますが、角館駅におきましては内陸線とJR線を結ぶ「渡り線」がないことなど、現在のところ乗入れは困難と考えております。
 二つ目の御提案であるSL(蒸気機関車)は魅力と集客力のある列車であり、内陸線でも過去に運行を検討した経緯がございます。しかし、蒸気機関車自体の重量や、多両編成による車両の重量増に一部の線路や橋梁が耐えられない可能性があるほか、機関車を転換させる転車台がなく折り返し運行ができないことや、長さ5.7kmに及ぶ「十二段トンネル」に排煙設備がないことなど、線路構造上における様々な要因により、運行は困難と考えております。
 一方で、内陸線では、平成28年度から秋田犬のデザインを内外装に施した「秋田犬列車」が運行されているほか、今年度はマタギや熊、狩猟犬をデザインしたお座敷列車「マタギ列車」の運行を開始したところであり、今後もリゾート列車風の内外装に車両を改修するなど、列車そのものの付加価値を高め、観光路線としての魅力の向上を図ってまいります。
 また、会社や支援団体では、これまで、阿仁合駅舎オーナーの募集や列車購入目的の募金活動を実施してまいりましたが、県としても、御提案いただきましたクラウドファンディングによる資金調達について検討してまいりたいと考えます。

事項名:交通ネットワーク