令和8年度政府予算案及び令和7年度補正予算にかかる知事コメント
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令和8年度政府予算案及び令和7年度補正予算は、「責任ある積極財政」という考えに基づき、現下の物価高対策のほか、物価上昇を上回る賃金・所得の増加を図るための中小企業の生産性向上や適正な価格転嫁による経営基盤強化に加え、官民連携の戦略的投資によるエネルギー・資源安全保障の強化、農林水産業の構造転換等を通じた食料安全保障の確立、持続可能な医療・介護サービス提供体制の構築、及び防災・減災・国土強靱化など、これまで本県が行ってきた政府への提案・要望の内容が反映されたものと受け止めている。
地方財政については、人件費の増加や物価高などを踏まえ、交付団体ベースで前年を上回る一般財源総額が確保されており、特に地方交付税総額が増額されたことについては高く評価する。
ガソリン税や軽油引取税の暫定税率廃止及び自動車税等の環境性能割廃止による地方の減収については、地方特例交付金により全額補填されることになったが、今後の行政サービスの提供に支障を来すことがないよう、国の責任において代替となる恒久財源を確保するよう強く求めるとともに、引き続き地方財政基盤の充実・強化について国に働きかけていく。
本県としては、国の総合経済対策と歩調を合わせつつ、補正予算において措置された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金等を有効に活用し、引き続き県民の暮らしを守るとともに、社会経済情勢の変化に柔軟に対応できる足腰の強い地域経済の構築に向けて、生産性の向上や成長分野への投資などに取り組んでいく。
また、「いわゆる教育無償化」が実現されたことについては、子どもたちの育ちや学びを支え、子育て家庭の経済的負担を軽減する観点から評価したい。実施に向けては、ナショナルスタンダードとして国が責任を持って検討を進め、地域の実情を反映した制度とするよう求めていく。
本県の重点施策との関連では、安心して働き暮らせる地方の生活環境や「稼げる」地方経済の創生、防災・減災・国土強靱化の推進などについて、次の予算が計上されている。
・地方の大きな伸び代と地域特性を最大限に生かし、「強い経済」と地方の暮らしの安定を実現するため、地方公共団体の自主性と創意工夫に基づく地域独自の取組を後押しするための予算
・地方創生の拠点となるアリーナの整備に充当可能な予算やインバウンドの地方誘客を促進するための予算
・農地の大区画化や共同利用施設の再編集約・合理化、輸出産地の育成等の「農業構造転換集中対策」に加え、米の安定供給に向けた環境整備やネット・ゼロ等の実現に向けた森林・林業・木材産業の推進を図るための予算
・省力化投資による生産性向上や価格転嫁対策など、中小企業の持続的な賃上げ環境の整備に加え、GXをはじめとする成長分野への戦略的投資の促進により、地域経済の活性化と基盤強化を図るための予算
・医師偏在対策や地域医療構想の推進、介護事業所の生産性向上や処遇改善など、持続可能な医療・介護サービス提供体制の確保のほか、生活困窮者や障害者支援など、共生社会の構築に向けた予算
・学校教育の質の向上につながる施策として、教員業務支援員や部活動指導員の配置等、多様な外部人材の活用を支援するための予算
・道路・河川管理施設の老朽化対策など、労務費・資材価格上昇等の影響も踏まえた防災・減災及び国土強靱化の推進を図るための公共事業予算
・クマ被害対策パッケージによる専門人材の育成・配置や緊急銃猟実施体制の構築支援など、指定管理鳥獣対策を強化するための予算
本県としては、こうした国の予算を効果的に活用しながら、人口減少問題の克服に向けた総合的な対策や、地域資源を最大限生かし、「稼ぐ力」の向上による強い地方経済の実現に向けた取組、さらには防災・減災力の強化やクマ被害防止対策といった県民の安心な暮らしを支える取組など、来年4月からスタートする秋田県総合計画に基づく各般の施策を着実に推進してまいりたい。
令和7年12月26日
秋田県知事 鈴木 健太