令和7年11月18日知事記者会見
コンテンツ番号:92731
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●知事発表
(1)秋田県進学相談会セミナーについて
●幹事社質問
(1)ツキノワグマによる被害防止対策について
●その他質問
(1)捕獲者奨励金について
(2)自衛隊派遣に関する課題等について
(3)鳥獣保護対策に関わる職員の増員について
(4)県内経済への影響に対する県の対応について
(5)怪我等を防ぐための防具の開発について
(6)環境省からの専門家派遣について
(7)ガバメントハンターについて
(8)客観的な情報発信について
(9)三菱商事との秋田の未来づくり会議準備会議等について
(幹事社)
今月の幹事社のNHKです。よろしくお願いいたします。
(知 事)
はい、よろしくお願いします。
(幹事社)
初めに、冒頭、知事の方から発表事項等がございましたらよろしくお願いします。
(知 事)
秋田県進学相談会セミナーを開催することといたしましたので、発表させていただきます。県内の大学・短大・専門学校等の高等教育機関が一堂に会して、高校生や保護者向けに、その魅力をお伝えしたい、将来の進路選択の参考にしていただきたいというイベントであります。高校を卒業してから進学段階で県外に出られる方が非常に多いです。ただ、県内には、案外魅力的な進学先もありますので、まずそのラインアップを知っていただくということで、県内高等教育機関の28校が秋田拠点センター「アルヴェ」に集まります。12月21日、冬休みの最初の日曜日ということでありますので、ぜひ多くの皆さんにご参加いただきたいと思います。県北・県南地域からは無料のバスも出ておりますので、ぜひ皆様にお越しいただいて、まずは県内にどういう進学先があるのかということを知っていただいて、参考にしていただければと思います。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
以上です。
(幹事社)
この件について何かご質問がある会社の皆さんいらっしゃいますでしょうか。
では、幹事社質問の方に移らせていただきます。
(知 事)
はい。
(幹事社)
初めに、猟友会への支援などを盛り込んだ補正予算案を、今日、県政協議会で知事は説明されました。改めて、この補正予算案の狙いや受け止めといったものをお願いします。また、県政協議会では、クマ対策の追加提案についても知事の方から言及があったかと思います。これについて、現段階で想定される内容ですとかお考えがございましたらお願いいたします。
(知 事)
まずやっぱり、何といっても喫緊の課題でありますこのクマ対策を、これまでも実は予備費による対応を様々してきましたが、このたび12月議会ということで改めて補正予算として、今までちょっと手をつけられていなかった部分について着手をさせていただきたいということです。それに加えて医療保健福祉計画の推進事業であったり、洋上風力発電も、チャレンジしたけども、今回撤退の影響を受けてしまったという方に対するご支援であったり、このタイミングで補正予算として提出するのが適切であろうと思うものについて、まずは計上させていただきました。
で、今、クマ対策についての追加というお話がありましたけど、「追加提案」とは、たしか言ってないです。追加で出せるか、出せないか、まだちょっと分からないので、今、国の方から対策パッケージを出していただきましたが、この段階でその財源措置だとか具体的なことまではちょっとまだ示されていませんので、これについては、可能な限り早く対応したいと思っておりますけども、今後の課題とさせていただきたいと思います。
(幹事社)
ありがとうございます。今、知事の方からありましたが、クマ対策のパッケージが政府の方から出たということなんですけど、この対策パッケージについての知事の受け止めっていうのをお願いします。
(知 事)
率直に言って早いなと思いました。まだ高市政権が発足して1か月たってないぐらいですよね。で、その間に防衛省に申入れをして、自衛隊が実際にもう動いていると。その間に閣僚会議に格上げをしてもらってから、年度内ぐらいに対策パッケージが出るのかなと思ってたらもう出てきたということですね。ちょっと行政側の率直な印象としては非常に早く、まずは出していただけたなと思っています。
で、申し上げたとおり、その具体的に緻密に詰めれないというのも仕方ない話ですので、大体の方向性だけでもこうやって出していただいたというのは、私たちとしては非常にありがたかったと思ってます。
(幹事社)
そのパッケージについての内容面の評価と、あと、このパッケージは人材確保や箱わなの設置、ハード対策など、いろいろあると思うんですけども、県としてどのように活用されていくか、お考えをお願いいたします。
(知 事)
まずは網羅的に、ある程度、緊急、短期、それから中・長期というふうな整理をしていただいております。もちろん、私どもの秋田県が一番全国で被害も多く、自衛隊も秋田でしか活動してませんし、様々な面で、まあいい意味ではないですけども、最先進県でありますから、そこの現場の状況というものはしっかりと、これに肉づけするような形で、私たちが考えていかないといけないなと思っております。その中で例えば、ドローンの規制緩和とか、まだあまり記載のない部分については、こちらからも更なる積極的な提言をしていきたいなと考えております。
いずれこのパッケージとして出していただいたその方向性に対して、現場の実情を私たちがすり合わせながら、具体的な施策・事業に落とし込んでいくという作業を、できる限り速やかにやっていきたいと思います。
(幹事社)
ありがとうございます。最後になのですが、明後日、知事は東京で行われる秋の政府予算要望があると思うのですけど、ここで、クマ支援については、政府に対して県としてどのようなことを要望していくおつもりか、お考えをお願いいたします。
(知 事)
もう要望については、かなりの部分がこの対策パッケージに載せていただいておりますけれども、それは改めてしっかりとした財源措置であったり、様々な制度の運用とか改善というところについて、さらに細かいところまでお話をさせていただきたいなと思います。
(幹事社)
分かりました。幹事社質問は以上になります。
このクマの件につきまして何か質問がある社の方は。
(記 者)
猟友会に向けての奨励金ということで7,000円という金額も提案として出されましたけれども、今現状で、この猟友会に対してのこの報酬の部分で、十分なものと考えていらっしゃるかどうかと、この7,000円に込めた思いみたいなところを教えていただければと思います。
(知 事)
もちろん、要は現場の負担であったり、出動の状況、そういったものを私も聞いていますので、これで十分とは全く思っておりません。しかしながら、先ほど県政協議会でもお話ししたとおり、制度の立て付けとして、国の財源措置が市町村が行うものについて出るものでありまして、県がやってもそれはつかないということになります。その中で、市町村によって非常にばらつきがありますので、ここに関しては、県として一律にやれる限界点はどのあたりかということを検討した結果、この水準にならざるを得なかったというのが正直なところです。一昨年と同様ということになります、金額は。
(記 者)
現場の負担というのはどういうふうに感じてらっしゃいますか。話を聞く限り。
(知 事)
まず出動回数であり、危険度であったり、また銃猟物を扱う負担であったりですね、非常に厳しいものがあると思っています。駆除だけじゃなくて、その後も大変です。解体処理というところまでいくと、非常に夜遅くまで頑張って、また次の日に出動と、土曜も日曜も何もないというようなお話も重々聞いております。非常に、この制度がやっぱり、今、国も本腰を入れ始めましたけれども、そもそも年に何回もあることではなく、猟師の皆さんが基本は趣味でやっている、その狩猟免許をお持ちの方に特別にお願いをして、低廉で半分ボランティアみたいな待遇ではあるけれどもお願いしてきたという経緯がありますから、この制度自体を見直すべき時期に来ているんじゃないかなと思っています。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
自衛隊派遣から約2週間がたちました。活動も広がってると思うんですけど、自衛隊の活動実績を踏まえて、成果と感じてる部分、反対に実際に受け入れてみて、課題とか感じたところがあれば教えていただきたいと思います。
(知 事)
そうですね、まずいち早く鹿角市でスタートをして、そのスタートの反応からいきますと、大変駆除の現場では助かっているというありがたい声を多数いただいています。やっぱり箱わなの重いものであったり、その後の運搬、見回りといった、決してその免許がなくてもできる部分の負担というのが大きかったという話、だからこそ、この後方支援をお願いしたんですけれども、それは大変役に立っていると、感謝の声というものをお聞きしています。
実際に現場に行ってる部隊のその対応ですよね、指揮官から隊員と現地のハンターさんたちとのやりとりも、すごくやっぱり親身になってやってくれてるという声をいただいてますので、そういう意味では非常に成果のある取組だったのかなと思っています。
また、地域住民の受け止めもかなり好意的だなと聞いてます。やはりああいう、非常に物々しいといえば物々しいんですけども、ああいう服装とか車両、ある程度の人数が山の近くに行って活動してるということ自体の、やっぱり人のプレゼンスというか、あれも結構クマの出没抑止には役立ってるんではないかなと思いますし、住民の皆さん、その自衛隊が来てくれたという安心感の提供というのは、結構無視はできないんじゃないかなと思います。
一方、課題もですね、やはり当初から、普通の災害派遣みたいに来たら取りあえず人命救助をやって、道路啓開してと、みんながこういうことをやってくれるという共通理解があったわけではないところからなので、「草刈りしてくれるんじゃないか」とか、「通学路を見守ってくれるんじゃないか」とか、様々な期待が地元の方からはありましたが、そういうものじゃないというところのギャップ感というのは、ちょっと課題として残ったのかなと思います。
(記 者)
ありがとうございます。もう一点、今の草刈りの話なんですが、結構、自衛隊に木の伐採とか草刈りを要望したかったところも多かったようで、そこに関しては県として今後どう計画的に進めていく予定ですか。
(知 事)
もちろん自衛隊にやってもらうべき話ではないので、そこの費用とマンパワーの確保というのは、これからしっかり県、市町村と協議をしながら、また国の対策パッケージの中でどのような財源措置がされるのか。草刈りとか木の伐採といっても極めて重要かつ膨大ですので、しっかりとした国からの支援をいただかなければ、そういった出没抑止につながる環境整備というのは難しいと思いますから、それもしっかり要望の際に実情をお届けしておきたいと思います。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
よろしくお願いします。
今の自衛隊派遣の絡みで、要望に訪れる直前まで、知事は三要件などを挙げて、難しいんじゃないかという認識を示されていたかと思います。
(知 事)
はい。
(記 者)
その直後の要請ということだったので、こちらも驚いたところがあるんですけども、改めて、なぜそこで自衛隊にお願いをしたのかというところ、改めて何がきっかけだったのかというところを教えてください。
(知 事)
まずきっかけは、やっぱり高市政権が発足してからの防衛大臣が小泉進次郎さんになったということがあります。で、私もかねてより、その災害派遣という枠組みで考えていましたので、非代替性の要件は厳しいのかなという見解を常々公言しておりましたが、今回、防衛省も案外可能性としてはあるなと分かってからお話ししているうちに、災害派遣ではない枠組み、今回の土木工事等の受託という自衛隊法100条の枠組みで出せるんじゃないかというお話でしたので、そういう手があったのかということで、要望、そういう意味では、その災害派遣という頭しかなかったところから可能性が広がったという意味です。
何よりも一番は、県内の状況です。私たちがやれることをやってるけれども、もう被害がとどまらないという状況で、まさにわらをもつかむといいますか、そういう判断で自衛隊に、正直ちょっと本当に駄目もとと言えばあれですけれども、できるという確信も持てないままに要望させていただいたということです。
(記 者)
分かりました。あと、今日の午前中の県政協議会で、「麻酔銃を扱える人材を」というところで、鳥獣保護対策に関わる職員の増員について言及されていましたが、今3人ということですけれども。
(知 事)
今はですね、はい。
(記 者)
具体的な時期とか規模とか、どういうふうにお考えか教えてください。
(知 事)
まさに検討中であります。来年度スタートできるがごとく考えたいなとは思っています。
(記 者)
分かりました。すいません、最後にもう一点。これも今日の県政協議会で出てたんですけども、飲食店だったり、観光地だったりですね、クマの影響で人出が減って、収益減がすごくてコロナ禍のようだというような声も事業者の方から聞こえてくるんですけども、今、呼ぶようなことができないというお話も午前中されてましたけれども、事業者への支援であったりとか、その点、対策パッケージとかにも入ってないところではありますが、県としてどのように対策していくか、お考えをお聞かせください。
(知 事)
まずは状況の把握、様々な声を集めてからかなと思っています。
(記 者)
すいません、よろしくお願いします。
自衛隊関係で追加なんですけれども、自衛隊の任務としては、わなの設置、見回り、回収、解体の補助みたいなことかと思いますけれども、具体的な成果として、わなを何か所設置して、回収を何か所やってっていうふうな、そういう具体的な数字をいただけるとありがたいです。
あともう一つですけれども、自衛隊が任務に当たるに当たって、具体的に何か危険な状態に陥ったようなことがあるかどうか。報告は上がってないかもしれませんけれども、もしあったらご紹介いただければと思います。
(知 事)
部局からいいですか。
(自然保護課)
自然保護課です。
具体的な成果につきましては、これからいろいろと報告をもらうことにしていますので、具体的な数値というのはちょっと把握しておりません。それから危険なことにあったということは、こちらの方では報告としては、今のところはございません。
(記 者)
後々報告があるというふうな理解でよろしいですか。
(自然保護課)
はい。自衛隊との協議の中で、報告できるものは報告していきたいというふうに思っております。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
防護の観点で質問したいんですが、今のところ、うずくまって、うずくまること、あと鈴をつけるということ、あとスプレーを持つという、この3つが柱だと思うんですけども。
(知 事)
一般の方の話ですかね。
(記 者)
はい、一般論として。で、この防護だけだと、まだけがをしてしまう可能性があると思うんですけど、防護をさらに強化するとか、何らかの対策を呼びかけるとか、そのあたりの見直しというのはお考えではないですか。
(知 事)
一般の方に対してですよね。
(記 者)
はい。
(知 事)
それはあれですか、どういった趣旨の。
(記 者)
けがを防ぐための何らかの呼びかけっていうか、従来のものを改める考えはありませんか。
(知 事)
今、それだけではけがをする可能性があるとおっしゃいましたけれども、ゼロにすることはそもそもできないですからね。少しでもましな方策という意味で、こういった周知をしているものですから、大きな状況の変化とか、違う動物が出てきたとかですね、そういうことでなければ、基本、クマの習性というのは今も昔も変わらない。まあ人を恐れなくなってきたという特性はあるにせよ、そう簡単に何かアップデートして、今度はこれでっていうようなものでもないんじゃないかなと思いますけども。
(記 者)
今のところ、現状で問題ないと。
(知 事)
問題はなくはないでしょう。それは100%は防げませんから。その前提でお願いしてる話ですので、そこに100%を求められると、ちょっと厳しいものがありますね。
何か、逆に言うと、そのご提案があるんであれば。
(記 者)
例えばヘルメットを開発するとか、そういった医者の先生なんかの提案もありますけども。
(知 事)
あっ、そういう道具的な話ですかね。
(記 者)
そういった防具の開発とか、そういったことは何かありますか。
(知 事)
それは、ヘルメットはかぶってないよりかぶってる方がいいのは間違いないでしょうからね。なので一般の方の話ですかとお聞きしたんですけど。皆さんに、そういったものを奨励するかということですかね。
うん、今まで思いついてない方策というのはあり得るかもしれませんので、それは猟友会の皆さんだとか被害に遭われた方々の状況をお聞きしながら、不断の検討はしていきたいなと思ってます。今すぐ新しくこうしますっていうことは、ちょっと今考えてないです。
(自然保護課)
すいません、自然保護課です。
先ほど防御姿勢の話ありましたけども、まず一番先には遭わないような対策を取ってもらいたい。もし遭った場合には、クマスプレーを携行して、来ないような対策を取ってもらいたい。で、その上でもし来た場合に、一番先に顔とか頭を狙われるということで、致命傷にならないような形のもので防御姿勢というような形ですので、けがをしないための防御姿勢ではないということをご理解いただきたいというふうに思ってます。
(記 者)
先ほど質問もございましたけれども、改めまして、県内の観光、商業に対するクマ被害の影響ですけれども、今後その状況を把握するに当たって、県として調査の有無であるとか、それから、その先に例えば、事業者への支援パッケージというような政策について、方針はございますでしょうか。
(知 事)
少なくとも状況の把握は、これからさらに努めていきたいなと思っています。どういう調査をするのか、または相談窓口など設置するのかということも含めて、今検討しているところであります。全てはそこからですね。
(記 者)
ありがとうございました。
(記 者)
よろしくお願いします。
自衛隊派遣についてお伺いします。協定の中には、今月いっぱいということで支援の期間が設けてますけれども、今日、県政協議会の中でも12月中旬まで結構クマが活動するんじゃないかという声もありましたけども、自衛隊派遣の延長というのは、知事の中でお考えはありますでしょうか。
(知 事)
可能性を排除するものではないですが、今、実際、ようやく活動を開始する市町村も出てきているという一方で、クマの出没の動向というのはまだまだ読めませんので、11月末というのは、当面の間という意味で一回区切った期限ですので、今の時点で延ばす必要があるとも言えませんし、必ずやめるということもまだ言えないです。状況を見ながらだと思います。始まったばっかりの市町村もありますので。
(記 者)
分かりました。あともう一点、環境省がクマの専門家を自治体に派遣するという、月内の派遣を目指しているということでしたけども、秋田も対象にはなるのかなと思うんですけども、その調整だったりで現状をお知らせいただけるものがあれば教えていただきたいです。
(知 事)
どうですか。
(自然保護課)
自然保護課です。
環境省の方が新しい形の中で、各市町村ですとか都道府県の方に専門家を派遣するということですけども、秋田県の場合3名、専門職員の方を雇用しておりますので、もしその中で連携していかないといけないとか、もしくは市町村の方から要望があれば、それについては対応していくということになると思います。
(記 者)
分かりました。ありがとうございます。
(記 者)
ガバメントハンターの関係でお伺いします。今日の県政協議会の資料の中にも体制整備の早急な検討というのも入っていて、政府のパッケージの方でも人件費の補助だったり、育成という部分が入ってましたけども、実際にその雇用というところになってくると、「人材が」というところはあると思います。そこに対して、そのガバメントハンターというところの知事の見解と、あと今週の要望で、もし国に対して要望するものがあればお願いします。
(知 事)
そうなんですよ、自治体の持つガバメントハンターということであれば、必ず人がいて、それをしっかりと雇用できる財政余力があっての話だと思います。そこが本県の場合は大きな課題であろうと思いますし、市町村の規模も様々ですから、首長さんたちとも今お話を少ししてるんですけどね。やっぱり市町村に任せるというのは、なかなかハードルが高いのかなと思っています。というのも、今年はこうやって特殊に出てきましたけども、例えば来年、豊作予想の年にどれだけその仕事の需要、所要があるのかとか、その間もずっと雇っていく話になるのか等々ですね、現実には様々なハードルがあります。やっぱり大事なのは、今年のような緊急事態の時に、すぐにきちんと集まって対応できる、すごい柔軟なマンパワーをどう維持するかっていうことと、そうした財政負担というものをどれほど国がみてくれるのかということですよね。大体は人口減少地域でクマ被害が多いという一般的な傾向がありますから、そういった現場の実情というのはちゃんと国に届けないといけないので、それは秋田県の役割だろうと思ってます。
その一方で、住民の安全を守るという任務に常時就いている警察という組織が、私の持論としては、今回ライフルを使用、速やかにすることができるような規則改正もしていただきましたけども、そこが常備、常に持っているマンパワーとして機能をなるべく持っていただきたい、それが一番私としてはありがたいなと思うんですけども、そこはまさしく国に声を届けていきたいなと思っています。
(幹事社)
クマ対策の関係は他によろしいでしょうか。
(記 者)
ちょっとすいません、先ほど質問するのを忘れておりました。クマによる犠牲者、全国的なデータというのは、たしか、数字が変わってるかもしれませんけども、環境省のデータでは今年は13人、まあ本当に変わってるかもしれません。で、県内の数字は、たしか3人だったと思うんですけれども、4人ですか。
(知 事)
今時点で4人です。
(記 者)
今4人ですね。で、日々警察の方からもクマによる被害者ではないかというふうな報告が上がってきております。一昨日も身元不明の遺体が見つかって、これもクマではないかというふうなことが言われました。メディアが言ってるんですけれども。クマによる犠牲者かどうかというのは、その判断は誰がするのか、ちょっと素朴な疑問ですけど、申し訳ありません。誰が判断するのか。
(自然保護課)
自然保護課です。
最終的には県警の方の判断になりますけれども、県警の方とこちらの方の、自然保護課の職員も一緒に行きまして、そういう現場の方の状況等をいろいろな意味で判断しながら、お互いにやっております。
(記 者)
分かりました。午前中の県政協議会の資料にも、その人身被害者には見舞金を給付するというふうにあります。ということは、現状4人ということは、つまり今のところでは4人に支払われると。これがまた増える可能性もあると。そういう理解でよろしいですか。
(知 事)
はい、そうです。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
よろしくお願いします。
実際問題、出没が相次いで、県民の方々の外出の不安とかが増している中で、先ほどの県政協議会の中でも、知事ご自身として、安心かどうかを判断できる客観的な情報発信をしていく体制を、時間がかかってもやっていく必要があるというようなお話が知事からありました。こういったものがやっぱり整ってくると、リスク管理だとか生活の在り方みたいなものも変わってくると思うんですけれども、知事としては、現状の情報発信の在り方について、例えばどういうところに難しさを感じているのかとか、あと、整えていかなくてはいけない情報発信の在り方みたいなところについて、どういうふうにお考えなんでしょうか。
(知 事)
行政が情報発信する時に一番躊躇するのは、それが100%と言い切れないかもしれないっていうことだと思うんですよね。先ほどの身を守る行動もそうだと思うんですけど、恐らく大丈夫ですっていうような言い方しかできないのは、科学的にはですね、仮にAIカメラなり、ドローンによる監視システムなりができたとしても、恐らく100%、小屋に入ってるクマだとか、大きな木の下にいるクマを見つけられなかったりするのが現実でしょうから、そういう状況を飲み込んだ上で、蓋然性としては高いですよと、いない、確認されませんでしたよっていうような情報の出し方が果たしてできるのかどうかということだと思います。これはもう受け手側の皆さんのご理解、ひいては日本社会の在り方ぐらいの勢いだと思うんですよね。いないって言ったじゃないかと、やはりその責任を追及するというような社会なので、今は。そこは一番大きなハードルじゃないかと思います、技術的なものよりも。
(記 者)
何かこう、客観的な材料を提供して、いずれはそういう安心かどうか判断するみたいなお話がありました。知事としては何かお考えというのは。
(知 事)
まさに今言ったようなことですよね。一回スクリーニングをしてみて、今のところ確認できてませんというのは、一回誰かがこう見てくれたという安心感にはつながると思うんですよね。それを相互理解の上で、ちゃんと県民の皆さんとコミュニケーションを取りながら、一応大丈夫であることは確認されたというのは、何もないよりも、通り曲がったらいるかもしれないっていう状況よりもましですよねっていう、そこの対応ができるかどうかというのは、ちょっと課題だと思います。
(幹事社)
よろしいでしょうか。
では、クマ対策以外の関係で何かご質問ある方いらっしゃいますでしょうか。
(記 者)
洋上風力についてなんですけど、今回、支援の補正予算、盛り込まれるようですけど、改めて72社に影響があったという点について、知事はどのように受け止めてますか。
(知 事)
あ、七十。
(記 者)
すいません。三菱商事の。
(知 事)
撤退のですね。
(記 者)
そうですね、先行投資に、すいません。
(知 事)
やっぱり私どもとしても、ああいう国家プロジェクトが来たと。で、可能な限り県内への経済波及効果を高めていきたいというスタンスで皆さんに挑戦をしましょうと旗を振ってきましたので、その結果70社を超える、それは影響があったという回答をいただいた企業ですけどね。その中で実際に投資をして、融資を受けてというリスクを負って挑戦をした会社については数社ということになってますが、そうやって一応ヒアリングをして、今把握を粗々できた状況ですけども、その第1ラウンドの三菱商事さんの部分が実はちょっと先だったと。要は、第2ラウンドの、今、潟上男鹿沖、あの方が先に進んでたという状況もあって、今回の撤退でたちまち会社が倒産の憂き目にという状況ではないということも確認をできましたので、その上での支援策ということですね。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
では、その風力発電の延長で、先般、三菱商事と秋田の未来づくり会議と、このキックオフがございました。これまでと違って、今度、洋上風力発電業者ではないという座組での、要は一対一の協議の場ということだと思うんですけれども、こちらの会議で今後の地域共生、どのように形づくっていくか、知事のご期待があればお聞かせください。
(知 事)
今、庁内でも三菱商事さん、総合商社ですので非常にウイングが広いと。いろんな可能性をお持ちだということで、庁内で三菱商事さんに、これまでの取組ももちろんあるんですが、これまで以上に何か力をお借りしながら、秋田県の課題解決に資する事業といいますか、分野というものがないかというのを当たってきて、今回幾つかぶつけているはずです。具体的に部局の方からお話しさせていただきます。
(産業政策課)
会議資料としても配付いたしましたけれども、例えば産業活性化のためにスタートアップの支援ですとか農産物の販売支援など、それから人材育成に関する協力、また、カーボンニュートラルに向けた環境価値の創造に向けた取組の支援ですとか、また、人口減少対策に向けた自動運転や無人店舗の関係、これまでやってきたような取組の延長ということで考えております。またその他にも、いろいろな社会課題はこれからもあると思いますので、そうした分野で協力いただけるということでご発言をいただきました。
(記 者)
ありがとうございました。
(幹事社)
そのほかいかがでしょうか。
ではないようですので、記者会見を終わりにしたいと思います。本日はありがとうございました。
(知 事)
はい、ありがとうございました。