特集:全国最多4海域! 洋上風力先進県・秋田の今とこれから
コンテンツ番号:86883
更新日:
PDF版はこちら [1172KB]
音声版はこちら [4055KB]
(※以下、読み方が難しい語句や固有名詞の後に、読み仮名を記載している箇所があります。)
日本海から吹く強い風を生かして、洋上風力発電の整備を促進する区域として全国10海域のうち最多となる4海域が指定されている秋田県。本県沖だけで発電量は200万キロワット以上。これは一般家庭約150万世帯分に当たります。陸上よりも大規模な発電が見込める洋上風力発電は、再生可能エネルギーを大量に導入するための切り札として期待されています。
一般海域
1 八峰町・能代市沖(37.5万キロワット)
運転開始予定
2029年6月 1.5万キロワット × 25基
発電事業者
合同会社八峰能代沖洋上風力[ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社、イベルドローラ・リニューアブルズ・ジャパン株式会社、東北電力株式会社]
2 能代市・三種町・男鹿市沖(49.4万キロワット)
運転開始予定
2028年12月 1.3万キロワット × 38基
発電事業者
秋田能代・三種・男鹿オフショアウィンド合同会社[三菱商事洋上風力株式会社、三菱商事株式会社、株式会社シーテック]
3 男鹿市・潟上市・秋田市沖(31.5万キロワット)
運転開始予定
2028年6月 1.5万キロワット × 21基
発電事業者
男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy合同会社[株式会社JERA、電源開発株式会社、伊藤忠商事株式会社、 東北電力株式会社]
4 由利本荘市沖(84.5万キロワット)
運転開始予定
2030年12月 1.3万キロワット × 65基
発電事業者
秋田由利本荘オフショアウィンド合同会社[三菱商事洋上風力株式会社、三菱商事株式会社、株式会社シーテック、株式会社ウェンティ・ジャパン〈県内企業〉]
5 港湾内
能代港(8.4万キロワット)
2022年12月より商業運転中 4.2メガワット×20基
秋田港(5.5万キロワット)
2023年1月より商業運転中 4.2メガワット × 13基
発電事業者
秋田洋上風力発電株式会社[丸紅株式会社、株式会社大林クリーンエナジー、東北電力株式会社、コスモエコパワー株式会社、関西電力株式会社、中部電力株式会社、株式会社秋田銀行、大森建設株式会社、株式会社沢木組、 株式会社加藤建設、株式会社寒風、協和石油株式会社、三共株式会社]
- 全国初の本格的な洋上風力発電所
- 全国最多の「基地港湾」
(秋田県2港 / 全国7港)
NEW 浮体式洋上風力発電の実証事業が採択されました
浮体式とは洋上風力発電の基礎構造のことで、風車を浮体構造物に載せ、ロープや錨(いかり)などでつなぎ留めたもの。 2024年6月、由利本荘市とにかほ市の沖合(秋田県南部沖)における実証事業が国に採択されました。1.5万キロワット程度の風車2基が、2029年度から2030年度にかけて実証運転を行う予定です。
洋上風力の未来を担う人材を育成しています
訓練施設
風力発電所の運転開始後、約20年間の長期にわたって必要となる運転保守・メンテナンス業務は、地元人材の活躍の場として期待されています。県は、大学や高専、工業高校などの県内教育機関と連携し、普及啓発や地元人材の育成に取り組んでいます。
2023年2月、秋田火力発電所(秋田市)の構内に「風力トレーニングセンター 秋田塾」が、2024年4月には男鹿海洋高校(男鹿市)内に「風と海の学校 あきた」が開所。洋上風力発電における専門作業員および作業船乗組員の訓練に加え、自治体や教育機関との連携による海洋人材開発にも携わることで洋上風力発電事業の発展と人材育成に取り組みます。
「風と海の学校 あきた」訓練説明動画(動画タイトル:【風と海の学校 あきた】訓練説明動画)
「風力トレーニングセンター 秋田塾」のページはこちらから(東北電力 リニューアブルエナジー・サービス 株式会社のウェブサイト)
2024年4月に男鹿海洋高校内に開所した「風と海の学校 あきた」では、年間1,000人程度の訓練修了生輩出を目指すとともに、同校の生徒や近隣の小中学生などにも開放し、将来的な海洋人材の育成にも貢献します。
県内にも広がる関連事業への参入
洋上風力発電は、発電事業そのものに加え、風車の製造・設置工事・メンテナンスなど、さまざまな分野の産業に支えられています。関連事業の地場産業化や地域振興を目指す取り組みも進められています。
船揚場
2024年6月、日本海側では最大規模となる船揚場が船川港に完成。地元企業が出資する「秋田船舶上架株式会社」が船揚げし、修繕を行っています。洋上風力発電事業で使用するCTVや、海上工事の大型作業船などの整備も県内で可能になりました。
CTV(Crew Transfer Vessel)
洋上風車のメンテナンスに向かう作業員の輸送に特化した交通船。現在、能代港、秋田港で合計2隻が稼動中で、地元企業が出資する「Akita OW Service株式会社」が運航しています。
ダビットクレーン
CTVと風車間の部材などの積み下ろしのため、各風車に設置されるのがダビットクレーン。東光鉄工株式会社は県外企業と共同で国産ダビットクレーンの製品化に取り組んでおり、2024年度中に、洋上風力関連製品を製造する専用工場が完成します。
ワークウェア
風力発電のメンテナンス作業用に安全性・快適性・ 作業性を兼ね備えた特殊作業服を廣瀬産業株式会社が開発しています。電気事故にも対応するため、さまざまな規格を満たした生地を使用。作業員の安全を縫製技術でサポートしています。
もっと詳しく知りたい方は
パンフレットは美の国あきたネット(県内中高生・保護者向け洋上風力発電啓発資料について)をご覧ください。
企業紹介ガイドブックは美の国あきたネット(秋田風力発電関連企業ガイドブックについて)をご覧ください。
お問い合わせ先
県クリーンエネルギー産業振興課 018-860-2281