令和7年1月6日知事記者会見
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●知事発表
なし
●幹事社質問
(1)新年の抱負について(今年の一文字について)
●その他質問
(1)来春の知事選の対応について
(2)政府の令和7年度当初予算案について
(3)能登半島地震を踏まえた今後の対応等について
(4)物価高について
(5)新サッカースタジアムの建設について
(幹事社)
あけましておめでとうございます。1月幹事社の秋田テレビです。よろしくお願いします。
知事発表はないということですので、早速ですけど幹事社質問ということで、まずは新年の抱負について、今年の一文字についてお願いします。
(知 事)
あけましておめでとうございます。残り3か月半ですが、まずよろしくお願いします。
新年ということで、少し明るい希望のある字を書きたいと思ったけれども、私が自分で思うところは、非常に今年は、国内外とも様々な出来事が相当あるんじゃないかと。で、これを見通すことは、今の状況ではなかなか難しいと。あとは日本の今の現状を考えますと、これから相当ブレイクスルー、これが必要かなと。何となく、今の日本の状況の中、この器の中でごちょごちょやってると。これを突破するという、行政も政治も、あるいは企業も経済も、そういう観点があるんじゃないかということで、これ(今年の一文字は)「曇(どん)」です。
「曇(どん)」というのは「日」の下に「雲」があるんです。「雲」は、雲があっても晴れて、ぽつぽつ雲があっても青空が見えるという。「曇(どん)」は全体が曇ってると。だから青空が見えないという。ですから、今の状況、日本の経済、あるいは行政も何となく、この雲の下だけで物を考えてる。やっぱり、雲を突き破ってその上に行きますと青い青空が見えます。これを見ようとする勇気、あるいは発想の転換、これが一番今必要かなという。またトランプ政権が発足しますと、相当いろんなことが起きます。その時にどういうふうにこれを対応するか。今の雲の下、今の状況の中で何とかしようと思ってもなかなかできない。やはり相当発想の転換、あるいは立場を越えて様々な対応、これが必要かなという、そういうことでこの字を選んだということであります。
(幹事社)
ありがとうございます。では、この文字、一文字の件に関して質問ある方はどなたかいらっしゃいますか。
(記 者)
今年もよろしくお願いいたします。
今の一文字だったんですけれども、秋田県においてはそこの雲を突き破るためにはどんなことが必要になってくるとお考えでしょうか。
(知 事)
まず今まで様々やってきて、何となくうまくいってることもあります。ただやはり、同じことを相当やってだめなものはだめというか、なかなかそう簡単に結果が出ないものを、全く発想を別にして、がらっと施策の方向性、あるいは中身を変えることも必要かなという。
ただ、そうはいっても本県の持つ様々な特徴がありますんで、これから全部が外れるわけにはいかないけども、何となく私自身も何か今やってることが、全部が必要ではあるけれどもね。先ほど言ったとおり真ん中の幹の部分、枝葉のところをやっても、幹の部分にどう触るか。これがどうかなという疑問を抱いてまして、まずはそういうところについて、様々な職員の知恵と発想、これをどんどんやってほしいなということで、これは国もそうです。国の施策と連動しますので、「地方創生」という言葉自身もああいう言葉がいいのかどうか。「地方創生」でしょう。あくまでも地方なんですよ。日本の創生かなという、「日本創生」だと東京も入るんですね。これ、こういうことを何となく逃げてるような、全部が枝葉の部分で、これを中心にやって、何か本当のところは触らないという。どうもそんなふうに最近の政治経済、政治情勢、経済もそんなふうに思っています。是非本県もそういう思い切った経済対策とか、そういうことをやりたいなと、やってほしい。また、3か月半ですが、例えば今の洋上風力、あれはもっと。今、水素の関係、能代や県もやってるけども、もっと踏み込んで。あとは、やっぱりデータセンターとか、ああいうものをもう少し踏み込んで、県の対応として積極的にやりたい。今やってますが、これを3か月半ではできませんので、是非そういうふうな、これから主流になるもの、これを中心に県としてもできる範囲で攻めの姿勢でやってほしいなという、そういうふうに思います。
(記 者)
ありがとうございます。今、幹と枝葉の話、先ほどの年頭の挨拶のほうでもされてましたけど、秋田県にとって幹の部分というのは知事としてはどうお考えなんでしょう。
(知 事)
やっぱり農業と、やはりこの広大な土地、あるいは森林資源、あとは今の風力、ああいうことをもう一歩、地元の経済、あるいは県民の暮らしにリンクするような、もう一歩二歩踏み込むことが必要かなという。若干の私の想定もありますけども、相手もあることですが、相手があるといって、相手を待っていても始まりませんので、相手がアクションを起こす前にこちらからアクションを起こすという、この積極性が必要かなという。
(記 者)
ありがとうございます。
(幹事社)
ほかにありますでしょうか。
ではないようですので、次の質問に移らさせていただきます。
まず知事選についてです。先月、自民党が自主投票を決定しました。このことに対しての知事の受け止め教えてください。
(知 事)
自民党がご両人に対する評価というか、支持が分かれたという。単純に言えば、相当数が片方でこうだと(「支持がどちらかに偏っていれば」という意)、またそうでしょうけども、こんな状態(「支持等に差が無い」という意)ですからね。ただ、今の状況、非常に私と違って、何というか、しばらくぶりの選挙ですんで、今の県議会議員の皆さんも、16年前の状況は分かりませんので、今の状況だとあんなふうになっちゃったのかなという。ただ、逆に自民党の今の状態からすると、自民党が一本化することが果たしてどうか。逆に言えば、分裂しまして自主投票になれば、野党のほうがどう出るか。そこら辺の底辺で様々あるようですよ。
(幹事社)
はい、ありがとうございます。各社様から質問をお願いします。
(記 者)
よろしくお願いします。
昨年末になりますが、政府のほうが約115兆円の当初予算を閣議決定しました。その中でもいろいろ項目ありますけども、知事、この決定についてどのようにご覧になったかっていうのをお願いします。
(知 事)
予算の中身自体は、本県の要望がかなり通ってますんで、ここはいいのですけれども、問題はこれから。この状況、国債の借入れが非常に多いと。ただ、税収が非常に多いですけど、税収が多いということは物価が上がっているということ。賃金も上がってますが、あらゆるものが上がって、当然物価が上がれば消費税がいっぱい入ると。これをどういうふうに評価するか。逆に国債がどんどん発行されますんで、この後どういうふうな財政状況(になるか)、これ非常に危ないんですよね。前に私が言ったとおり、今、できることは何でもやるということが果たしていいのかどうか。「足るを知る」というか、日本はこれが限界でしょう。限界ですから、何でもかんでも全部を要望どおりにやっていたら、いつかは破綻します。これが今の日本の最も大きい課題で、政治家は要望あれば、選挙がありますんで、予算をつけたいと。これを繰り返しますと、最後は財政破綻。これがあるから若い方が将来に対して希望を持てないんです。若い方は予算が多くなることを、相当危なっかしく見ているんです。で、確かに我々の年代は、もう何年も生きませんので、これを何年も生きないからといって将来の若い方に負担を押しつける。これは危ない。ただそうはいっても、うちのほうもある程度の県債をやってますが、しかし私の就任当時は、基金がなくて大変でした。まだ次の知事が誰になるか分からないけども、一定の余裕を持って、厳しいながらも余裕を少し持って。これが必要なんです。だから何でもかんでも要望に添ってやるということは無理なんです。だからまたトランプさんが、連邦職員を減らすとか、ああいう強いリーダーシップがアメリカなんです。だからアメリカは、当然そういうすごいことをやるんです。だから日本の場合、何かみんなの言うことを聞いて、みんなで自分の手足を食ってるような。だからこれだと若い方が将来に対する希望を持てないんですよ。これ、私も偉いことは言えないけども、何となく県債を増やすことについて、何か後ろめたい感じがするんです。だからまずは必要なことはやりますから、なかなかそう簡単に何でもかんでもできないという。ここら辺が非常に国のほうの予算も我々にとっては満足はいきますが、果たしてそれでいいのかどうか。ここですね。
(記 者)
ありがとうございます。すいません、もう一点だけなんですが、能登半島地震から1年がたって、で、県のほうでも半島地震の対策等々いろいろ検討してきているところだと思うんですが、知事は最後の予算編成の中で、どういったふうにこの半島地震に関して、方向性というか、予算、政策、そういったものをつけていきたいかっていう考えはありますでしょうか。
(知 事)
あの能登半島地震の今の現状、私、1年経過しても水道がない(水道が復旧していない地域がある)。あんなことがあっていいんですか。単純に言えば、災害対策現場が全部、県とか市町村ということでは、できないですよ。あの状態、もう1年もなって、まだ何にもあのまま。あんなの私だったら耐えられない。国ももっと漁港とか水道とか。単純に言えば地盤が全部ぐちゃぐちゃになってましたから、水道を通すことはそう簡単にはできないけども、別の方法、配管を臨時的に地中でなくて、上を通すことも、できるんですよ。何にもしないでしょ。あとは、部分的に簡易水道みたいなことも、できるんです。あの状態、まだ放っておくんですか。あれはやっぱり県としても、もっと国に対して強く言うべきです。で、こういうことを我々も能登半島地震から学んで、あのような状態にならないように、できることは今から備えるという。だからあれを反面教師にしながらやる必要があると思うんです。気の毒ですよ、あの方々。全くあの状態(のまま)。うちは経験あるんです。日本海中部地震。あの時、港はめちゃくちゃです。クレーンが倒れたんです。あれ、すぐ直ったんです。突貫工事でやったんです。あと、何か変な噂が(出てきていて)、要するに、(すぐに)できるけども、地元の仕事は延々と続いたほうがいい場合があるという、これはおかしいんだよ。これ、報道にはあまり出てないけども。確かにこのSNSで、ある建設会社が全部できるからやると言ったら、「ぽちぽちやってくれ」という。これは国とか県がコントロールをしなきゃだめなんですよ。だから、いずれあの事例を学びながら、ああいうふうにならないような、住民の皆さんに安心してもらえるような、必要なことは今から準備して対応するということが必要かなと思います。
(記 者)
ありがとうございます。今のお話だと、特に水道の話がありましたけども、そこの部分についても何かしらの対策を考えていきたいという考えでしょうか。
(知 事)
様々な方法でできるんですよ。これをやろうとしないんです。やる気があればできます。当然金は国が出すべきですよ。災害復旧でしょう。完全に土が動いてましたから、完全に今から全面的に本来の水道(と同じように復旧することは)、あれをやろうと思っても無理。でも、別の方法はあるんです。で、昨年、八峰町の水道は、全面的に直るまで、上のほうを通した。埋めないで、上を通した。ああいうことができるんですよ。それで2週間ぐらいで直ったんです。だからできるんですよ。できることをやってない。だからこれは、そういうことが当然本県でも起こり得るから、そこはちゃんとそういう想定をしながら、そういう時にはどういうふうな工事方法(で行うのか)、ここまで深堀りして決めておかなきゃだめですよ。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
よろしくお願いします。
午前中の所感(県職員向け年頭のあいさつ)のところと、あと、「曇(どん)」という文字のほうにちょっと戻りますが、すいません、午前中のお話の中で私が非常に印象に残ったのが、その気概という言葉と、まあゲームチェンジとまではおっしゃりませんでしたが、新たなものを作り替えるぐらいの思いというか気概を持ってやってほしいというお言葉と同時に、国に期待するだけではなくて、自分たちのある資源をどう生かしていくか、その中に知事がおっしゃったのは人情とか文化、それから有形無形の資源と確かおっしゃったと思うのですが、知事のお考えになるその秋田県の有形無形の資源とはどういうものか教えていただければと思います。
(知 事)
一般的には農業資源。あとは今の風力の関係、ああいうエネルギー。あと森林資源。あと文化面から言いますと、本県、本当に地域によって、古くから南北で全然違うんです。だから、秋田県で一体に捉えるんでなくて地域ごとに捉えますと、相当、いろんなのがあるんです。これが、まだ表に出てない。だからここをどういうふうにやるか。あと自分たちが、自分のところのものを、「こんな風習、こんな文化は大したことはない」と、評価しないのです。自分のところのものを評価しないで、発展はないのです。だからそういうふうなあるものを。昔からPR不足と言われますが、PRというよりも、自分のところの文化、あるいはそういうものを誇りに思えば、黙っていても発信できるでしょう。だからそこがまだまだ少ない。あと遠慮がちなところと、積極的ではないという評価がありますんで、まずは自分の足下を見つめて、これをどう生かすか。これが知恵だと思うんです。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
今のに、ちょっと午前中の訓示(県職員向け年頭のあいさつ)の関係で関連して、やっぱりその思い切った施策とか既存の原理原則にとらわれないで発想の転換を職員の方に求められたというところを聞いていて、逆に知事ご自身、これまで4期やられてきて、トップとしてはそういったその新しい発想とか原理原則にとらわれない施策を取ると、そういうところに舵を切ることが難しかったことの裏返しであるようにも受け取れたんです。そこについてこれまで振り返って、少し早いかもしれないですけど、これまでの任期でどういうところに原理原則からはみ出たことをするところへの難しさがあったのかとか、そのあたりとか。
(知 事)
単純に言えば、何かを完全にやめること、縮小して別のことをやるという、非常に抵抗があるんです、相当。これを、ぶち破ることができればいいけれども、なかなかできない。単純に言えば、私が就任した当時、細かい趣味的、本当に個人の趣味のようなそういう補助金がいっぱいあったんです。全部切った。ところが、結局来るんですよ、反発が。これをどう超えられるか。だからそこはなかなか難しいことがある。で、市町村で敬老会のお祝い金をやめて、子どもや若い方のほうに使おうというと、大半が反対なんです、ほとんど。ああいうものは完全に反対されればできないです。だからなかなか難しい。これを対決姿勢でやると、市町村クラスだとできるんです。県クラスだとそうはできない。こんなことはあといいんじゃないかと思うことがあるんだけども。当然毎年チェックをしてこうやるということをやってますが、どんどん、こうやると陳情が来るんです。で、陳情はバックに政治勢力がいる。だから全部そうなっちゃうんだよ。だから自分なりにうまく収めながらやったことはありますが、なかなかできないというのが今の現状だなという。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
今、物価高がさらに進んで、今後の今年の県民生活への影響っていうのをどのように見てらっしゃいますでしょうか。あと、お米も大分上がりましたけども、その辺の見通し、どのように見てらっしゃいますでしょうか。
(知 事)
燃料費等、油も上がりますんで、2月補正で国から相当、物価高騰の補正予算がありますんで、あれを使って、そういう点では、生活困窮者の灯油補助や燃費補助、こういうことを全部やります。ただ、お米、これは今の値段が正解なんです。あれを安くしますと、ますます農家が疲弊します。お米が高いように見えるけど、そうでもないんです。だからまずはお米はあの値段が当たり前だと思う。今までが安すぎると思います。ただ燃料は相当、車がなければ生活できない本県のようなところ、あとは物資輸送費も相当響きます。燃料のほうは、やっぱり円安がどうなるか。本当は今の円安、大企業の輸出企業はいいけども、円が100円ぐらいの時、意外とあの頃は不満がなかったんですよ。だから企業がこれから難しいのは、トランプさんが輸入に対して相当制限すると、これは円安でもできないでしょう。円安だからインバウンドが来る。でも異常なんですよ、これ。やっぱり円が安すぎる。だから、円高になったほうが民間の一般の暮らしはよくなるんですよ。何で円安をこんなふうにやってるか、私は疑問です。
(幹事社)
ほかにありますでしょうか。じゃあ私からすいません。
ちょっと話変わって、秋田市のサッカースタジアムの件なんですけど、秋田市は5,000人規模を想定しております。一方でクラブ側は1万人規模が将来必要なんじゃないかという見方もしています。改めてあちらで造る場合、建設費とかもいろいろ変わってくると思うんですけど、どういった規模のものが理想的だとお考えでしょうか。
(知 事)
物理的に入るかどうか、あのスペースに1万人。あと経費の問題。そう簡単に1万人といっても、5,000人だから市がオーケーしたと。これが1万人になるとまたどうなるか。まあ2倍にはならないけれども、相当制約を受けます、あの面積。そうしますとどうなるか。あとやはりブラウブリッツが全くおんぶにだっこだと、これは反発が出ます。だからブラウブリッツがどういうふうに経営をするか。まず、経営とブラウブリッツの負担とか、これをやらないとそう簡単にはできないなと思います。
(幹事社)
分かりました。
では、会見以上となります。ありがとうございました。