サケガシラが漂着しました

写真:サケガシラ1

写真:サケガシラ2

写真:サケガシラ3

  • 和名
    サケガシラ
  • 学名
    Trachipterus ishikawae Jordan and Snyder, 1901
  • 大きさ
    体長153cm

2011年2月14日に、男鹿市の鵜ノ崎海岸に漂着したサケガシラが届けられました。発見したのは男鹿市の漁師さん。この時期に岸に寄ってくるミズダコ捕りの途中に打ち上げられているのを見つけ、その独特の姿に「リュウグウノツカイ」ではないかと思ったとのこと。

サケガシラは、日本海や太平洋の沖合の中深層域に分布します。1)眼が直径5cm以上と非常に大きいのは、光が乏しい世界に棲むからでしょう。秋田県沿岸における本種の漂着は、近年では2004年2月(秋田市出戸浜;体長148cm)、2006年9月(由利本荘市;体長106cm)3)に記録が残っています。この他、当センター職員が記憶に留めているものも合わせると、漂着数は多い年で年数尾といったところでしょうか・・・。

今回持ち込まれた個体はかなり鮮度が良かったので解剖したところ、長さ35㎝もある卵巣、長さ20cmほどの乳白色の大きな肝臓、鮮やかな緑色の液体が詰まった直径5㎝ほどの胆嚢も認められました。また、鰾(うきぶくろ)はありませんでした。筋肉は乳白色で水分は多いようですが弾力がありました。

サケガシラは捕まる機会が少ないためほとんど食用にされていないようですので、参考のために試食しました。あくまで主観ですが、刺身は適度な歯ごたえと旨味があり、美味しいといって良いものでした。

文献

  • 1) 中坊徹二編(2000).日本産魚類検索図鑑 全種の同定.東海大学出版会.
  • 2) 尼岡邦夫(2009).深海魚 暗黒街のモンスターたち.ブックマン社.
  • 3) 魁新報2006.10.1付記事