ノロウイルスによる食中毒に注意しましょう!
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毎年、冬季期間を中心にノロウイルスによる食中毒が発生しています。ノロウイルスの特性上、食中毒としては大規模なものになりやすく、死者を出すこともあります。正しい知識を身につけ、食中毒を防ぎましょう。
Ⅰ ノロウイルスとは
ノロウイルスとは、人に感染することによって、嘔吐や下痢、腹痛などを引き起こすウイルスです。
このウイルスは、人の小腸でのみ増殖するウイルスで、少ない量でも感染すると、上記のような症状が出ます。
また、患者のふん便や嘔吐物に汚染された下水が海水に流れ込むと、その海域に生息している二枚貝がプランクトンとともにウイルスを取り込んでしまい、その貝を十分に加熱しないまま食べてしまうことで、発症することもあります。
人によっては、症状が出ないままノロウイルスに感染している(不顕性感染)こともあり、自覚がないまま感染を広げてしまうため、注意が必要です。
Ⅱ ノロウイルスの特性
ノロウイルスの特性は大きく分けると以下の3つになります。
(1)感染力が強い
少ないウイルス量でも感染がみられます。
(2)寒さ・乾燥に強い
インフルエンザウイルスと同様で、寒さに強く、乾燥すると空中に漂います。この漂ったウイルスを取り込むことで、感染することもあります。
(3)症状がなくてもウイルスの排出が続く
症状が治まっていたとしても、感染から2~3週間の間、便からウイルスが排出されます。
そのため、
「前日に体調不良だった従業員が扱った食品が原因で起こった」
「原因となった乾物に感染力を持ったウイルスが約2か月も付着していた」
というような食中毒の事例がみられます。
また、消毒用アルコールによる消毒は効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的です。
消毒するもの | 濃度 | 消毒の方法 |
---|---|---|
ふん便や嘔吐物が付着した床、衣服、リネン類、トイレ、風呂など |
約1000ppm (5%原液を50倍に希釈:ペットボトルキャップ2杯分の原液を500mLの水に加える) |
・ ふん便や嘔吐物 ペーパータオルや布で静かにふき取った後、希釈した消毒液で浸すようにふき取り、最後に水拭きを行う。 使用したペーパータオルや布はビニール袋に密封して廃棄する。 ・衣服、リネン類 ふん便や嘔吐物をふき取った後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いをする。もみ洗いをした後、85℃・1分間以上の熱水洗濯か、希釈した消毒液に漬け込んで消毒を行う。 もみ洗いに使用したもの・場所は消毒を行う。 |
ドアノブ、調理器具、おもちゃなど |
約200ppm (5%原液を250倍に希釈:ペットボトルキャップ1杯分の原液を1Lの水に加える) |
希釈した消毒液で浸すようにふき取る。 次亜塩素酸ナトリウムには金属腐食性があるので、消毒液を十分にふき取る必要がある。 |
Ⅲ ノロウイルスによる食中毒を防ぐには
ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、
ノロウイルスを「持ち込まない・ひろげない・つけない・やっつける」
ことが大切になります。気を付けてほしいポイントは以下の3つです。
1. 衛生的な手洗い
ノロウイルスによる食中毒の主な感染経路は、従業員の手を介して食品や施設に汚染が広がるというものです。
手のしわや爪の間など、洗い残しがないように、しっかりと手洗いを行いましょう。
衛生的な手洗いのやり方(画像2枚目参照)
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流水で手を洗う
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洗浄剤(ハンドソープ)を手に取る
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手のひら、指の腹の面を洗う(手のひらをこすり合わせる)
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手の甲、指の背の面を洗う(手の甲をこするように洗う)
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指の側面、指の付け根を洗う(指を組んで洗う)
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親指と親指の付け根を洗う(親指を握って洗う)
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指先を洗う(猫の手で指先を洗う)
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手首を洗う(手首を握って洗う)
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洗浄剤(ハンドソープ)を十分な流水で洗い流す
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2~9をもう一度行う
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手をふき、乾燥させる
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アルコールによる消毒を行う
2. 従業員の健康管理
胃腸炎の症状がある(体調が悪い)場合は無理せずに休みましょう。
3. 中心部までの十分な加熱
ノロウイルスの活性(感染力)を失わせるには、食品の中心部が、85~90℃で90秒間以上の加熱が必要です。
特にノロウイルスによる汚染の可能性が高い二枚貝などは、中心部まで、十分に加熱を行うようにしましょう。