平成26年6月9日知事記者会見
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知事発表事項
- 国民文化祭の開閉会式の概要について
幹事社質問事項
- 6月議会の補正予算案のポイントについて
- 秋田内陸縦貫鉄道(株)の新社長の内定について
その他
- 公立高校入試の採点にかかる調査結果について
- 宜仁親王殿下の御薨去について
- 北秋田市阿仁熊牧場のリニューアルについて
- 平成25年人口動態統計について
- 秋田まちづくり(株)について
- 時間 13:57~14:42
- 場所 プレゼン室
(幹事社)
よろしくお願いいたします。
まず、今日は知事から発表があるということですので、お願いいたします。
(知事)
まず発表の前に、三笠宮家の御次男でございます宜仁親王殿下が、昨日、御薨去(ごこうきょ)あそばされました。突然の訃報に深い悲しみの念を抱いております。
宜仁親王殿下は、平成19年の秋田わか杉国体で御来県されております。
また、平成15年から20年まで6年連続して大潟村で開催されました、全日本学生水上スキー選手権大会においでになるなど、これまで8回、御来県されております。
わか杉国体の時には、私は、秋田市長でございましたけれども、体操競技を御一緒に観戦させていただくなど、いろいろとおそばで御説明を申し上げた記憶がございます。非常に熱心に御覧いただいたことを、今、思い起こしてございます。
県民の皆様とともに心から哀悼の意を表したいと存じます。
私からは、報告事項でございます。
国民文化祭の開会式と閉会式の概要について、このほど概略がまとまりましたので、今日お話させていただきます。
「第29回国民文化祭・あきた2014」の開幕まで、あと117日でございます。おかげさまで、市町村事業や県民参加事業など、今のところ順調に準備が進んでおります。
来る29日には、開催の100日前のカウントダウンイベントを県内8カ所で、各市町村と連携しながら行い、開催機運の醸成を図ることにしております。
まず開会式でございますが、プロローグでは、「組曲・秋田の歌」を披露した上で、開会式典を執り行います。
続くオープニングフェスティバルでは、「伝統と現代の出会い」をテーマとして、「なまはげと秋田美人」、「根子番楽と現代音楽」のコラボレーションを披露し、次に、時代や社会を切り開いた秋田の7人の先人たち、いろんなジャンルがありますけれど、どちらかというと、文化、あるいは芸術関係、あるいは秋田にちなんだ、例えば農業、こういう形の方の7人でございまして、あまり政治の方は入っておりません。いろいろな選び方がありますけれども、秋田らしいということで7人を選んでおります。
メインとなります「大いなる秋田」の演奏は、合唱と吹奏楽に管弦楽を加えた新編成でございまして、現代舞踊など様々なパフォーマンスを交えた形で披露し、「発見×創造 もうひとつの秋田」を表現するステージとする予定であります。
総出演者は850名前後でございます。主な出演者として、藤あや子さんや天地人の大間ジローさんにご出演をいただくなど、秋田に縁のある方々にも参加をしていただきます。
なお、7月1日から開会式の一般入場者の募集を開始する予定でございます。
次に、11月3日のフィナーレイベント・閉会式でございますが、17の秋田県全ての国指定重要無形民俗文化財を一堂に集め、実演、披露いたします。場所は、広小路や中土橋周辺を通行止めにして、あの一帯で行いたいと思っております。
閉会式典では、県民会館でございますけども、次期の開催県に国文祭旗を引き継ぐほか、秋田の今と未来を映し出すミュージカルを披露し、次の世代の若い人たちが秋田の文化を継承していく契機にできればと考えております。
以上が国民文化祭の開会式と閉会式の概要でございます。資料をお渡ししてございますけれども、ご参照ください。
私からは以上でございます。
(幹事社)
今の発表事項について質問のある社はありますでしょうか。
ないようですので、幹事社質問に移らせていただきます。
午前中の県政協議会の内容とちょっと重複をしてしまうんですが、改めて、6月議会の補正予算の重点項目というところと、あと、内陸縦貫鉄道の次期社長の内定が決まりましたけれども、この人選と、改めて期待をするというところで教えていただければと思います。
(知事)
まず今回の6月補正の予算の内容でございます。
総額が84億700万円ということで、特に大半が国の農政改革に対応するため、新たに策定する「農政改革対応プラン」に基づき、緊急的かつ集中的に推進する取組、また、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づく事業、経済・雇用対策等について計上いたしておりますが、かなり農林水産業に傾斜した内容になっております。
特に国の農政改革への対応といたしまして、米の生産調整目標の配分が4年後に廃止され、自由競争という形の中に農業も入ってきます。
そういうことで、規模拡大や複合経営などによる経営発展に取り組む農業者を、ハード・ソフト両面から強力に後押しするという内容でございます。いずれ、ほとんどの内容が、大規模化、あるいは法人化、そしてまた経営の概念をより農業に持ち込まざるを得ない状況でございまして、そういう意味からすると、今までいろんな制度がございましたけれども、やはり認定農業者や法人が今後どういう方向で何を狙うかという、そういうソフトの、ある意味ではプランニング、こういうものをまずやっていただきまして、そのプランニングに基づくハード整備等々に様々な県の政策を入れていくということでございます。
また、当然、そういう中で米そのものを、これは米がなくなるという話じゃないですから、やはり秋田の場合は米作が中心にあって、その周辺で複合経営という形を取っていかなければなりませんので、米そのものに対しては、今まであまり畑作以外の米作そのものの、基盤整備は一生懸命やっていますけれども、その米作の機械化、効率化等については、いろんな個別の支援事業はあまりありませんけれども、そういうものも今回一定の補助率で入れ込んでおります。
また、財源でございますけれども、県単独の基金でございます「農林漁業振興臨時対策基金」、これが今のところ平成27年度まででありますけれども、29年度末まで、いわゆる減反廃止となる直前まで2年間延長するという措置を取ることにしております。
今後、この4年間の取組の所要額、ざっと80億円と見込んでございます。現在、当初予算で若干積み増しもしてございまして、残高が30億円あります。これに、さらに本年度中に50億円の積み増しが必要でございまして、今回が25億円、残額は今年度中に財政状況を勘案しながら補正予算で対応したいと思います。
県財政が厳しい中でこうした財政措置は、県としての農業に対する様々な意味で一つの大きな転換期でございまして、ここ4年間が踏ん張りどころであります。
農業を切り離して考えることはできないのが秋田の産業構造でございまして、県民の皆様のご理解を得ながら、何とかこの4年間に新しい時代へ展望できる農業にしたいということで、特例のこの財政措置を取るということにしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
予算の方は大体こんなところです。
もう一つ、内陸縦貫鉄道の新社長でございますが、現在、JTBの東北法人営業秋田支店に勤務されております佐々木琢郎氏に内定という発表がございました。
私自身、個別にこの人事には関わってございませんけれども、いずれ、内陸縦貫鉄道の沿線市町村、あるいは関係者からは、やはり人口減少時代で、地域住民の乗車だけでは、とても先細り。当然、観光客をいかに入れ込むかということが非常に大きな要素となりますけれども、やはり今の観光全体を見ますと、個人観光であっても相当やはりネットワークの中で観光旅行を組むという、そういう一つの大きな流れとなっておりまして、そういう意味では地元の事情をよく分かって、ある意味では地元といろんな面で、観光関係、あるいは市町村と意思疎通を密にしながらネットワークを活用できる人材ということで、こういう形になったものと思いまして、私もこの佐々木さんには、ひとつ全力を尽くして、そう簡単に右から左へ行くわけではございませんけれども、一つのネットワークの使い方、あるいは旅行のエージェントとして培った長い経験から、内陸線とその周辺の観光資源の売り出しの仕方、そういうものを出していただいて、内陸線にとっての今後の方向づけを何とかお願いしたいと思っています。そういうことで期待をいたしております。
(幹事社)
ありがとうございました。今の2点について質問のある社はお願いします。
(記者)
農業関連でお聞きします。
「第2期ふるさと秋田農林水産ビジョン」で、農業算出額を平成29年までに数十億円上げる一方で、米の比率を5割まで落とすという目標を掲げていますけれども、知事としては、米偏重からの脱却は長年の課題だったわけですけれども、実現できると思っていらっしゃるのかどうか、また、実現するためには何が最も必要と考えていらっしゃるのかを教えてください。
(知事)
今まで初めてなんです、こういう米についての比率を、数値目標を出すのは。非常に難しいことであります。
私としては、これは自信があるかというと、やってみなければ分かんないんですけれども、何でも計画は。
ただ、いずれ米について、かつてはいろんなことがあっても、減反に応じていれば値段が安くても量ははけていたんです、一定の。ところがこれからは、それはできない。
ですから農家の方は今までのように、まあこれが逆に言うと農家の方々のやる気をそいだという、逆に経営意欲というんですか、経営概念を持つことが、そのために薄れてきたというのがあるんですけれども、自分で考えてやはり行動しなきゃならない。
その場合に、どう考えても米の需要が拡大するということはあり得ないわけでして、やはり米というものは、日本全国からするとマイナス基調になるという、それを前提にすると、秋田の農業が生きていくためには必然的に米以外のものにチャレンジしていく必要がございますので、まず我々として、机上の今のいろんな、実際に基盤整備なんかやっていますので、田んぼのこれからの基盤整備の状況、あるいは秋田の不利益な、田んぼに向かないところに別のものをやるということも踏まえると、かなり難しいけれども理論上50までは下げられるだろうと。
ただ、私どもさらにその先はもっと下げなきゃならない。50では通過点。さらに下げざるを得ないということで、まずはその通過点として半分という、今までは、こういう目的、逆に言うと、昔、この減反をしているときにこういう目標を立てたら非常に、ある意味では議論を呼んだでしょうけれども、今は割と、できるできないは別にして、そうせざるを得ないというのが今の農家の皆さんもだんだん感じてきているんじゃないかと思いますので、県がこういう目標を決めて、そのかわり、それをやるための農業法人、あるいは認定農業者、そういう方々が自分で様々なこれからの営農計画、プランニングをしながら、いろんな前向きの投資をするのであれば、あるいはそれに対して指導、あるいは積極的に支援していこうという、それとセットですね。
だから我々の政策が順調に受け入れられて進めば、これは商品ですから全体のその世界的な動きに左右はされますけれども、今のところ例えばネギだとか、枝豆なんか、まずうまくいっていますので、そういうことで何とか県としても正念場ですので頑張っていきたいと思います。
(幹事社)
ほかにありませんでしょうか。
じゃあ、このテーマでほかにありませんでしょうか。
(記者)
今の農業施策の関連なんですが、農家の方に受け入れてもらうということも大きな課題になってくると思いますが、知事としても一生懸命、メッセージを発していくということなんでしょうか。
(知事)
そうです。私は事あるごとに、秋田は全ての産業が農業とどっかで接点がありますので、商工団体、あるいは経済団体の総会シーズンですので、そういう中でも米の将来見通し、また、米以外の可能性、さらにその目標、こういうものを積極的に、その必然性をいろんなところで話していますので、何とかそのほかにこれから当然県として組織的に、農業者のいろんなつながりの中でこういうことをより強くメッセージを発して理解をしていただきながら、一緒に頑張ろうという雰囲気をつくっていきたいと思います。
(記者)
分かりました。
(記者)
今回のテーマとは別の問題なんですけれども、教育委員会の方で入試の採点ミスが5年連続13件というのが発覚いたしまして、都教委の方が都教委の方の再調査をしたところ、2年間で18人が不合格だったというようなことが明らかになっています。秋田県としては、そのような再調査であるとか再発防止策について、直接的には県教委の担当だと思いますけれども、知事としてはお考えというのはありますでしょうか。
(知事)
やはり入試だとか、こういうものが間違っていたという、これ確率的にはあるんだな。手でやるということは、学問上ゼロにはできないですけれども、ただ、ほかのものと違って非常に影響がありますので、今後やはり正確を期すということは当然であります。
あとは、全体としては教育委員会に任せておりますので、これからそういうミスがないようにということは私からも望んでおります。
(記者)
具体的に指示するという関係ではないかと思いますけれども、再発防止に関して、こうした方がいいというふうなお考えとかっていうのはありますか。
(知事)
これは先生方の現場で、どうやってつけているのか私も分かりませんから、それは全体として間違いのないように念には念を入れてということで、これは当然そういう考えでありますけれども、中身の問題はやはりこれは我々はよく分かりませんので、それはそちらの方にお任せして、教育委員会で措置を取るということだと思います。
(記者)
再調査は必要あると思われますか。
(知事)
秋田の場合、ほとんどの学校は、定数割れなんですね。ですから、あまり関係ないとこもあるんですね。ただ、そこまでは、地元の教育委員会の判断が、そういうことでありますので、それは教育委員会の判断に任せます。
(幹事社)
ほかのテーマについて質問。
(記者)
桂宮様の国体のときの御様子について、もう少し詳しくお話いただけますでしょうか。
(知事)
国体のときに車椅子でありましたので、我々非常に神経を使ったのは事実でありますが、宮様がどちらかというと車椅子でもあまり神経を使わないようにという心配りはなされていたように感じます。
それから、もともと活発な方でございましたので、体操競技を一緒に見させていただきましたけれども、非常にお楽しみの御様子でございました。
ただ、車椅子ですので、いろんな移動のときも、やはりそんなにバリアフリーでもないところ、体育館などございますので、そういう点は非常に気を遣われたと思います。
大変おやさしい目をした方でございますので、本当に残念でございます。
(幹事社)
じゃあほかに。
(記者)
ちょっと時期が早いんですけども、来月の中旬にオープンします熊牧場の件で、佐竹知事が全てを受け入れるというふうなこと、北秋田市と締結しましてお決めになったことだと思うんですけれども、今後どのように経営を進めていくのか。
特にまずどのように集客をして、その次、どのように維持をしていくか。現時点で決まっている分で構いませんので教えていただけたらと思います。
(知事)
やはりマスメディアの影響ってすごいですね。私が例のマツコ・デラックスの(番組に)、ミールのあの話だけでも、その後1週間に(県の動画配信サイト“Web TVあきた”のアクセス数が)40数万件のヒット。実は、デスティネーションキャンペーンより多いんです。
そういうことで、一つはあそこの施設をいかに有効活用して、例えば動物の命の大切さを教える教育的機能、あるいは観察。
生々しい檻ではなくて、強化ガラスで隔てて5センチの間隔で接しますので、ちょっと今までにない牧場ですので、そういう接し方ということで、楽しいことは、最初の人は楽しいです。
そういうことで、本来の熊牧場の様々な情報発信の努力、こういうものは必要でございますが、当面、全国的に、当時、熊を救えという声が非常に多くて、せっかくでございますので秋田があれを救ったということで、これをオールジャパンで、いかにまず熊牧場ができたということと、あそこで熊を受け入れたということを知ってもらうということで、私もいろいろと考えて、最後、これは初めて言うんですけれども、熊本県の知事に「くまモン」をオープニングで出てもらえないか、直接熊本県の知事に談判をいたしました。
その結果、(7月)19日に熊本県の方で「くまモン」がスペシャルゲストで、オープニングの日にイベントに参加をしていただける。やはり今一番(人気)のゆるキャラで有名なのが「くまモン」ですので。
「くまモン」そのものは熊本の人というものですけれど、あれは誰が見ても熊さんに見えるんです。ですから、熊さんつながりで、「くまモン」が、そのオープニングに駆けつけていただければ相当宣伝効果はあるのかなと。
通常は「くまモン」は、いろんな県には、いわゆる熊本を売り出すというプロジェクトで訪問しますけれども、まだ秋田に来ていません。
ただ、本来の「くまモン」の、全国を訪問する「くまもとから元気をプロジェクト」とはちょっと別でありますので、通常、「くまもとから元気をプロジェクト」は直前でなければ発表しないそうですけれども、今回はそれとは別のちょっと特別にお願いして来ていただくということで、イベントの詳細がこの18日に最終的に決まりますので、18日に皆さんには担当部局から記者発表いたします。
本来の「くまもとから元気をプロジェクト」という事業についても、来ていただいたこの機会に、幾つかどっかに現れるのじゃないかと思いますけれども、これは直前に熊本県の方から発表がございますので、我々はちょっと今知るよしもないということでございます。
いずれ最初の(7月)19日のオープニングには、このニュースを何とか全国に広げたいと思っています。熊つながりというんですか。それと同時に、その後、先ほど言った学習機能、あるいは最新の珍しい展示というか飼育環境ということで、様々な形で、また県と地元と、北秋田市と一緒になって情報発信を常にしていきたいと思っています。
(記者)
今の「くまモン」の話ですが、これはもう決定ということでよろしいんでしょうか。
(知事)
はい。(7月)19日に来ていただくことは決定しています。ただ、どういう形か今(調整を)やっていますので、これは18日に発表いたします。
(記者)
「くまもとから元気を」っていうプロジェクト以外での形では、ちょっと稀なケースということでしょうけれども。
(知事)
そうですね、うん。
(記者)
どういうような趣旨で今回はこう、協力いただけるということになったんでしょうか。
(知事)
実は、熊の関係の自然保護団体は、どちらかというと西日本に多いです。ですから、そういう意味で九州にもそういう団体もございまして、いずれ私が熊本県知事に、そういう話をしたところ、非常に熊本県の知事もご理解をいただいたということで。いわゆる命を救うという、その行為そのものが、動物の命を大切にするというのは、全て。熊本の知事さんが、どちらかというとそういう何といいますか、人権派というんですか、そういう雰囲気の方で、これについてはご理解をしていただいて、それじゃあ協力しようということになったということです。相当前から、もう去年から熊本県知事に会うたびに、よろしくお願いしますとやっていました。最終的にオーケーが出たと。
(記者)
すいません、今の熊本県知事に最初にお願いしたのはいつで、オーケーが出たのはいつで、あと、何回ぐらいお願いしたんでしょうか。
(知事)
予算が昨年の2月ですから、去年の知事会のあたりか。
昨年の知事会だと思います、7月。それで、最終的に事務的にいろいろやりとりして。
それで、最終的に熊本県から(オーケーの返事が)出たのが先月の末です。
何回か知事会だとかそういう会議で会うときに、こうやってよろしくってやっていますので、ほんの立ち話で。
ただ、知事会のときは、ちょっと説明した記憶があります。今度7月、この直前に、14日、15日、16日、知事会ですので。、また御礼をしなければならないと思っています。
(幹事社)
時間もそろそろなんですが、ほかになければ。
(記者)
先週発表されました人口動態統計について2点お伺いします。
出生・死亡ともに、これまでの傾向どおり厳しい数字が並んだと思うんですが、これに対する知事の受け止めをお伺いしたいというのが一つ、もう一つが合計特殊出生率です。秋田県は1.35で、全国で38番目の低さということになりました。
秋田県の下を見ると、宮城、埼玉、千葉、大阪とか、軒並み都市部が並んでいるわけですが、秋田県が地方にありながら合計特殊出生率が低いということについて、何か要因のようなもの、知事お考えになられていれば教えてください。よろしくお願いします。
(知事)
人口千人当たりの数字は、これからもずっと続きます。これはドンドン高齢化がトップでいきますので、婚姻率と出生率は相当劇的に、全国をものすごく上回っても全国平均ですね。そうですよ。母数のところがボンボン高齢化していきますので、ですから出生率と婚姻率が最下位を脱するということは、生態学的には難しい。かなりよくてもせいぜい全国平均よりも下。
ただ、そういうものを排除した合計特殊出生率が、ちょっとまた下がったということで、今いろんな面から、これは遡っていくと、昭和20年、そこまで遡って、その後の世代ごとの人口の動態、こういうものをずっと調べていかなきゃならない。単なる婚姻率だけではないんじゃないかと。今、いろんな面で調べていますけれども、あの例の人口問題対策連絡会議。
まず、現象面として、割と第3子目となるとガクッと減るんです、秋田は。都市部も、2子目、3子目は減るんです。島根、鳥取、北陸などは、第3子目が多いです。実は結婚した人が子供を生む率では、秋田は、第1子目を生む率はそんなに低くないです。実は1子目は結婚すれば意外とスムーズ、秋田の場合は。1子目、2子目ぐらいまでは生むんです。3子目以降がどうもほかの県と比べてドンと落ちる。そうしますと、大家族のところがやっぱり3子目(を生む)。
秋田は大家族に難しい土地柄なんです。これは秋田市が都市部一極集中。私もそうですけれども、秋田は冬もありますから通えないんです。ところが島根、鳥取とか北陸関係は意外と山が海のそばまで来て、県庁所在地の中心地と農村部が30分ぐらいで全部通える。だから北陸関係は非常に2世代、3世代同居が多いです。実は都市部は全く秋田と同じように、単独世帯が多いですから、都市部はどうしても地方から行った人が多いですから、だから秋田もやや秋田市一極集中だから、秋田市周辺にあまり人口がありませんから、人口のあるところに来ますと多世代同居は無理なんです。そういうこともあるんじゃないかと。
それから、全体的に人口減少のあれが、婚姻率だとか、出生率、そういうものも、ずっと傾向値として、農業ウエイトが大きくて、米のウエイトが大きいところはずっとこうだ。
実は皆さん方はあまりよく分からないでしょうけれど、秋田は突然一瞬で、千人単位で減ることがいっぱいあったんです。これは鉱山ですね。昭和20年代、30年代前後からその後、例えば尾去沢鉱山なんか一晩で1,200人の人がどっかに行かざるを得ない。
ですから、秋田は明治の頃は例えば院内銀山なんか2万人もいましたから。ですから、その鉱山の関係が一日にして閉山しますと、その日にいなくなるわけでないですけれども、二、三年でもう、例えば角館の日三市鉱山なんて、なくなって3年で3,000人がいなくなったとか。それから木材、上小阿仁の営林局管内なんか、木材関係(の仕事に従事する人)が7,000人ぐらいいた。こういうのが、国有林野の改革で、バッといなくなる。
ですから、世代ごとに飛んでいきますので、秋田の産業構造の転換が、あるときにこういうものに対して、ドン、ドン、ドンといくんです。どうもそこら辺まで、そういうことがどういうふうに説明がつくのかということで、データを今整理しています。
そこら辺の都市構造だとか、鉱山だとか木材というのは、一千年の歴史ですから、そういう中でそうならざるを得なかったという面もあって、それに現代の論理をこう当てはめてもなかなか説明がつかない、非常に難しいかなと思っています。
増田さんのレポートもこの間、毎日新聞さんが書いているんですけど、やはり単に現在の事を見るだけじゃなくて、歴史的に経緯を考察した上で、これを議論しなきゃならないということで、今、いろんな面でデータを整理しています。
私が、昭和47年に県庁に入ってすぐやらされたのが、尾去沢鉱山の閉山です。1,200人がいなくなるということは、ちょうど働き盛りです。子供を生む世代がドンといなくなって、北海道へバンと(行きました)。
そういうことは、ものすごい。だから鉱山労働者だけでも何万人でしょう。そのピークが昭和30年前後。だから昭和32、3年が秋田で一番人口が多いです。それから、ダ-ッと下がる。
鉱山と木材と米、この3つで、米はだんだんだん(人口が下がっていく)。鉱山、木材はもう、その頃もう、昭和30年代で、ダダダダ。一瞬で、ドンと落ちる。ですから、その地域の基盤が、スパッとなくなる。鉱山は終戦直後で20幾つあった。例えば協和の荒川鉱山だとか、ああいうところは何千人いましたからね。私も分かるんですよ。角館で日三市鉱山って。私がまだ小さいときは、鉱山の方が、一つの集落をやっていた。今行きますと、ゼロですよね。ですから、そういうものも全部積み重なっているんじゃないかと思うね。
あとやっぱり都市構造だね。多世代同居が多いと、子供は3人になるんですよ。2人、3人。ですから、ちょうど秋田は逆に都市型の構造になっているんです。
それ以上のデータ整理を今やっていますので、また、これがまとまればそういうこともお話できるのかなと思います。
(記者)
ありがとうございました。
(知事)
はい。
(幹事社)
時間も大分過ぎていますが。
(知事)
最後に一つ。
(幹事社)
はい。
(記者)
エリアなかいちの商業施設についてお尋ねします。今月に入って運営会社の体制が変わりまして、今日午前中に今後のビジョンについての説明が会見でありました。知事も報告を受けていらっしゃると思いますけれども、こちらの構想についてのご所見をお聞かせください。
(知事)
社長が代わって、新任の社長と、今後、食彩プロデュース、あそこが中心になっていろんな構想を練るということで、私からも社長には頑張ってくれと、それから、食彩プロデュースさんにはいずれ様々な、自分のところだけじゃなくて、全ての会社の方と連携をとって、全体のいろんなその売り出し方、あるいはお店の構成も、飲食店も含めて、いろんな構想がおありのようですから、ひとつしっかりやってくれということでお話しています。金融機関がバックでございますので、金融機関としての使命感でもってやっていただけるのかと思って期待をしております。
いずれ、あの種の場所は非常にいいわけですから、どういう形でということで、全体をもう一回、社長も統括しながら、全体のその構想を、さらに深掘りしてやるというお話もございまして、社長はやる気がある方ですので、私も昔、木内さんは使って、役人には珍しく商売向きな人ですので、何とか頑張ってもらいたいと思います。
(幹事社)
はい。では、時間ですのでありがとうございました。
(知事)
はい、どうも。