平成25年5月27日知事記者会見
コンテンツ番号:7224
更新日:
- 知事発表
- 海フェスタおが~海の祭典2013 in 秋田~について
- 平成26年度国の施策・予算に関する提案・要望について
- 幹事社質問事項
- 内陸線の利用者減少と今後の見通しについて
- 藤里町の県道西目屋二ツ井線の土砂崩れによる規制解除の遅れと白神山地世界遺産登録20周年記念事業への影響について
- その他質問事項
- 給与の減額について
- 地域防災計画について
時間:13:39~14:21 場所:プレゼン室
(幹事社)
よろしくお願いいたします。
今日は2つ、知事からまず報告の方をお願いいたします。
(知事)
まずその前に、このプレゼンルームが新しくなりました。前よりは大分広くなって、ゆっくり、それからカメラマンの方も、こう撮りやすくなったんじゃないかと思います。今回からこの部屋でプレゼンをいたします。
また、私の記者会見以外に、前からも皆様方からお話がございました。その時々の話題、あるいはニュースについて、別に私でなくても広報監、あるいは各部局長、あるいは課長からでも、状況に応じて適宜必要なことについては記者会見をするということで、私の記者会見以外にもそういう形でこれからいろいろ情報発信の方を密にしていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
私からは今日、先にまず2点でございます。
「海フェスタおが~海の祭典2013 in 秋田~」についてでございます。
ご承知のとおり、いよいよ7月に集中して行いますけれども、この海フェスタの開催、秋田では初めてでございますが、全国から多くの方々がお客さんでお見えになります。こういう機会を通じて交流人口の拡大、あるいは秋田の様々なPR等を行いまして県内の活性化につなげていきたいと思います。
県としても、対象市町村と一緒になって大いに、このフェスタがスムーズに進行できるように協力し、一緒にやっていきたいと思っております。
また、本番までの様々な広報活動についても、市や県の広報紙をはじめ皆様方に積極的に情報発信、PRをしてまいりますので、よろしくお願いします。
また、この海フェスタは、夏(の開催)でありますが、秋からはデスティネーションキャンペーンがありますので、そういうことに一年間を通じて様々な形でこの交流人口の拡大が図られるようつなげていきたいと思っております。
パンフレットにも記載されておりますが、おおよその事業計画もまとまりました。自衛隊さんの協力によりまして、松島航空隊にブルーインパルスが戻ってまいりましたので、その「ブルーインパルスの飛行」も中に入っております。また、「帆船の一般公開」、あるいは「OGAの歌謡祭」、「お笑いライブ」等々いろんな形でこの期間を通じて、大いに海フェスタを盛り上げていきたいと思っております。
これが一つであります。
もう一つは、今年度の予算が国の方で確定いたしまして、いよいよ、あっという間にまた来年の予算編成がこの夏から国の方で始まるわけでございます。
そういうことでございまして、今後、国に対しても26年度の予算編成に関しまして、県としても施策・予算要望の時期に入るわけでございます。そういうことで、例年とほぼ同じような日程でこれから来年度の国の施策予算に関する提案要望の取りまとめ、あるいは活動に入るわけでございます。
要望項目は、今まとめておりますが、全部で63項目ぐらいになろうと思います。特に重点的なのが、いわゆる「高速道路の関係のネットワーク化」であります。ようやく国の方でも未着手路線について一定の事業化、あるいは計画段階評価等々入ることになりましたので、問題はこの後、これをいかに予算を今度はきちっと獲得して、できるだけ早くこれを開通させるというそちらの方に重点が移っていきます。
また、特に風力発電を中心とした自然エネルギー関係の県内立地については、非常に今、様々な形で県内資本も含めて、打診のものも含めますと相当、我々としても思いのほか来ております。こういうものについては、ただ全体のバランス、あるいは環境の問題もありますので、その全て右から左というわけにいきませんけども、おおよその方向としては我々もこの自然エネルギーの立地条件に合ったものについては、これを増やしていくという県の政策でございます。その際の導入促進に対する、やはり送電網の整備、こういうものについても、その方向性といいますか、国においてもこれを手掛けることになりました。北海道が最初でありますが、来年度以降、日本海側、秋田を中心としたラインについても実現するよう働きかけたいと思っております。
また、農業関係について、所得安定対策の見直しがございますが、いずれにしても安倍政権の農業政策について、どういう方向になるのかこれを見据えながら、我々としては現場に合った形での様々な施策支援について、特にこの経営所得安定対策の見直しも含めて要望していかなきゃならないと思っております。
いずれ関係省庁への要望の前に、県の国会議員に、昨年も大体同じ時期にやっておりますが、ご説明をすることになっております。6月1日の土曜日の午後に国会議員への説明と意見交換会を行います。また、6月中旬から下旬にかけて、それぞれ主要なものについては私が、また、各部局長、副知事も含めて、それぞれ概算要求までの段階についていろいろと要望、説明に伺うことになろうかと思います。
ということで、私からは以上でございます。
(幹事社)
今までで質問のある社はあるでしょうか。
(記者)
先ほど知事のご発言の中で道路の整備について要望していくということがあるんですが、実際に道路がほぼ目途が立ってできてくるというこの段階において、県内の経済をこの道路を基盤にしていかに発展させるかというようなことについてのお考えがあれば教えてください。
(知事)
これはですね、関係市町村にももう口を酸っぱく言っております。道路が完成して、それが必ずしもすべてそれで終わりというんじゃなくて、むしろ道路が完成するのがスタートになるわけでございます。特に日沿道の方は、やはり山形から秋田、新潟までのラインができますと、県北も含めてですけれども、特にこの山形県境部分の日本海側、鳥海山麓を中心としたかなりの観光関係の、あるいはあの地域、ややちょっと秋田では海岸部、漁港、あるいは割りと温かいところでございます。そういうことで農業や漁業も含めて、やはりこの道路を活用した観光、あるいは産業振興策を、もう今から、本当は今からでなくもっともっと前から、現地でもやっておりますが、そういうことについて具体的に取りかからなきゃならないし、県としてもやらなきゃならないし、また、地元の市町村、あるいは地域の方々も、そういうものに備えて、多分そんなに遠くない将来に完成されますので、これを十分今から取り組んでほしいということ。
また、内陸部の雄勝地域も、あそこはやはり温泉資源もございまして、今まで岩手県、宮城県から、冬季交通が不通の道路であります。これがスルッと通りますので、やはり県境部分、山形とのタイアップも含めて、また、湯沢、横手周辺も含めて、新たな取り組みが必要であろうと思います。
さらに、一部、トヨタの自動車関係の組み立て工場が大衡村と北上の方にありますけれども、関東自動車。山形からのルートを通って秋田、秋田から横手、横手から北上というこういうラインも一つ、仙台の方を回らなくてもいいラインでございます。そういうことも含めて、こういう東北全体での工業分野、新しい分野についてのネットワークも組めるわけでございますので、そういうことも輸送面のコスト、あるいは即時性も発揮できますので、そういう点も含めて県内に例えば内陸部に自動車工場等々の対応もこれから必要になってきます。
いずれこういうことは、我々今までもこれを想定しながらやっておりましたけれども、いよいよこれをスピードアップしなきゃならないという状況であります。
(幹事社)
ほかにあるでしょうか。
なければ幹事社から2つ質問させていただきます。
まず1つは、先日、内陸線の年間の利用者数が40万人を割るという発表があったと思うんですけれども、定期外では微増しているんですが、まだまだ厳しい状況が続いていると思います。これについて知事の所感と今後の見通しについて伺えればと思います。
それで、2点目なんですけれども、世界遺産登録の20周年になった白神山地につながる藤里の県道が土砂崩れによって通行止めになっていると思います。これの復旧の見通しと記念事業への影響についても、あわせて伺えればと思います。
(知事)
まず、内陸線でございます。いずれ平成24年度の利用者が37万人ということで、前年度から約1割程度減少しております。そのうち特に定期の利用者が18万人で、大分大きく減少しましたけれども、いずれこれかなりの部分、カウントの仕方で、実は内陸線の職員の移動が今まで社員定期という形で扱っていましたのでカウントしていますけども、ほかの鉄道会社も同じようですけれども、無料パスにしたということで、扱いを簡便化したことによって、これがカウントされないようになっていまして、実質的な減少は2万6,000ぐらいということでございます。
ただ、全体としてはやはり、いわゆる観光だけではないんですけれども、定期利用以外の利用、当然観光客だけではないんですけれども、やはり域外者を中心とした通勤・通学以外の者は約1万3,000人増加しております。そういう中で定期の通勤・通学がかなり落ち込んでおります。これは全体として、沿線の高校生の絶対数がやはり少なくなっている。もう一つは、どうしても高齢化もありますけれども、いわゆるその近場に勤める人がかなり人口減少によって少なくなっています。特に若い人は、やはりどうしても車が中心でございます。そういうことで、地域利用というのは、これからも人口減少によって増加というものは、現実的にほとんど見込めないという状況であります。
ただ、この中で観光利用等について、ある程度24年度も頑張った結果、分析しますと、この分は増加しているとみなされると思いますので、やはりそういうところをより強めて、何とか一定の経営を維持して、この路線を維持していかなきゃならないというのが今の状況であります。
いずれ、ちょうど分析してみますと、定期の通勤・通学と定期外の観光、あるいは観光だけじゃないですけども、ただそんなにないんですよ、あそこね、地域の人全体、この部分が半々なんですね。ただ、ご承知のとおり定期の方々の収入っていうのは僅かなんですよね。角館から田沢湖、鷹巣に通う人はほとんどいないんです。あそこの、むしろ仙北市の西木から角館、あるいは阿仁から鷹巣あたりの、せいぜい二駅か三駅、ここの部分が定期利用者で、これが約18万幾らあります。ただ、ほかの定期外の方は、割りとこう全部乗りますので、こっちの方がはるかに収入多いんですね。
ですから、やはり通して乗るとなると観光客が中心であると推測されますので、何とか24年度も若干増えておりますので、これに期待をかけていかなきゃならないと思っております。
それから、藤里の件であります。私も昨日、白神山地の(世界遺産登録)20周年で行ってまいりました。地元の方も大変期待をしております。この県道西目屋二ツ井線については、我々もできるだけ速やかに復旧ということで担当部局に指示しておりまして、現在ですね、地滑りの原因、あるいは地滑りの状況についての調査等を今現在継続して実施しておりますが、それと同時に、まずは暫定的な開通に向けて復旧工法を検討いたしまして、現在のその地滑りの状況等から、横にボーリングをして地下水位を低下させると。あとあるいは、地滑りを引き止める工法、これらを組み合わせて、先週から準備工事に着手いたしました。そういう中で、まずは落石等から車両や通行人を保護する仮設防護柵を設置して、それができた段階で通行規制を解除したいと思います。現在の状況からすると、準備等工事期間に約1カ月程度であります。ということで、何とか6月末から7月のシーズンに入りますので、6月末から7月初旬にかけて、何とかこれを開通させたいと思っております。その後、今度は、やはりいろいろな調査、あるいは地滑りを感知する計器や警報装置等により、監視を今度は継続しながら、抜本対策としての本格的工事にかかりたいと思っております。
いずれあそこは、もともとほとんど車が通らないような山道でありまして、かなり無理なところであります。また、あそこら辺全体が、皆さん方よくわからないと思いますけども、昔、白神スーパー林道(青秋林道)という、青森まで通す林道の話がちょうど私が県庁の職員の頃ありまして、あれ毎年少し工事しては崩れ、工事しては崩れて、非常にあの土砂が、あの地域は白神山系、全部ではないんですけども、相当その脆い場所もございまして、やはりかなりこれは道路としては、こういう状況については相当気をつけながらやらなきゃならないところであります。
ですから白神山地の特有の事情からして、これを全部強烈な広い道路を作るというのも本末転倒になりますので、我々としては今の道路を活用しながら、できるだけ自然を壊さない範囲で、しかし安全に通行できるという状況を作っていかなきゃなりませんので、いずれ抜本対策としてそういうことを今これからいよいよ取りかかるという状況でございます。
(幹事社)
ありがとうございました。
ここまでのことを含めて各社さんからお願いします。
(記者)
すいません、新聞報道もありましたが、例の国が地方に職員給与のカットを求めている話で、5月20日現在で32道府県が何らかの形でカットする方針を決めています。知事会を含めて地方六団体、それから知事ご自身も交付税を盾にして職員給与のカットを迫るようなやり方というのはおかしいと再三おっしゃられていて、私も全くそれについては同感なんですが、ただ一方で、国は7月から、遅くとも7月からの実施を求めていて、条例の改正案を出すとするならば6月議会ということになります。各自治体もぎりぎりの判断を迫られているようで、今日午前中、秋田市におかれてはやらないというふうに市長が明言されたという具合に伺っています。秋田県としては、この問題についてどのように対応されるかご所感をお聞かせください。
(知事)
全体として、我々としては、とにかくこの交付税をこういう手段に用いるというのは、我々は飲むわけにはいかないと。ただ、現実の問題として、やはり交付税の減少というものが相当あって、県の政策的な財政運営に支障を来すようなことがあれば、これも必ずしもこういうものを仕方がないというわけにもいかないという状況で、非常にジレンマであります。現在、まずは全国の状況をいろいろ今、情報を取っているのと、まだ交渉等には入っておりません。いずれもう少し我々としては、実は交付税の算定そのものがまだはっきりしてません。いろいろ片方ではその分は削るけれども、場合によっては、今までの若干ですね、これまでの行政改革、こういうものを加味して、そこにはプラスだという、そういう算定もありますので、全体として我々のところで、具体的に、実質もしやらないとするとどのぐらいになるのかという、そういう見込みもあるんですよね。ですから我々としては、ちょっとまだそこがはっきりしないところがございます。秋田市なんか多分全体として相当これまでやってきたからということでしょうけども、我々としても非常に、秋田は人員削減は全国でトップクラスなんですよね。そういうことで総人件費の減らし方というのは非常に多いわけでありますので、そういう点も含めてどういう交付税算定になるのか、この辺はまだ最終確定しておりません。そういうことで今そこら辺を勉強中ということと、交渉ではありませんけれども職員組合の方もそういうところについて、現在いろいろな地域と都道府県、ほかのところと情報を取りながら、具体的にどうなんだという勉強を重ねている段階であります。もうちょっとこれについては最終的な判断というものは、県、まず執行部としての対応については、もうちょっと時間をかける必要がありますが、ただ、最終的に6月議会の尻がもうちょっとで決まるわけでございますので、そういう点をにらみながら、非常に短い時間でこれは最終判断しなきゃならないと思っています。
(記者)
いずれにせよその6月議会、今、知事がまさにおっしゃられたように6月議会という終わりが決まっているとなるとですね、やるかやらないかのご判断も含めておそらく今週中とかそれぐらいに決めないとならないと思います。この現実問題を踏まえると確かにその交付税が減らされていると困るのはわかるんですが、そうすると今まで強く反発してきたその知事だけではないですが、地方六団体として反発してきたことと、なかなか整合性がとれないなという気もします。いつをご判断のその締め切りとされるのか、それからあと、先ほどのお答えともしかしたら重複になってしまうかもしれないですけども、これまでのその非常に強いスタンスとの、もしやるとするならば、その整合性をどのようにお取りになられるのか、その考えをお聞かせください。
(知事)
最終的な判断は、6月に入ってからでも間に合います。この種のものはもうやるとなると、やはりお互いに立場というものをそう簡単に変えるわけにいかないわけであります。
ですから我々としては、やるかやらないかというそこについては、相当やはり、国に対してのこれまでのスタンスも含めて、一定の考え方を出した上でやらなきゃなりませんから、そこもまとめるとするともうちょっとかかりますけども、ただ、非常に物事は最終的には単純な形になるのかなと思ってますので、もうちょっと余裕はあります。6月に入ってからでも十分間に合います。ただ、お互いに、交渉ではないんですけれども、組合側も全国の状況がありますので、何らかの、全く何も避けて、これが全くそのスッと何もなくとは思っていないと思います。我々もまた、先ほどお話しましたとおり、ちょっとその交付税の算定がきちっとしないことには、それじゃあどうなのかという組合に対する根拠も示せないという話もありますので、やはりもうちょっとそこはかかります。ただ、非常にやはり、なかなかこれ、国も地方がどうしても逃げるわけにいかないような、そういう仕組みづくりの交付税で攻めてきていますし、非常に我々としては本当にジレンマで、どこまでも反発したいんだけれども、ただそうは言っても、それによって財政に穴を(あける)となると県民に迷惑をかけますので、そこのとこの兼ね合いがどうなのかなんですね。
(記者)
わかりました。ありがとうございます。
(記者)
度々すいません。
先週末で日本海中部地震から30年を迎えました。これを受けた知事のお考えと、今後、県としてどのような取り組みを、実際に今後取り組んでいくべきものとして強化していこうと考えている点についてお聞かせください。
(知事)
あの、前にもお話しましたとおり、日本海中部地震を想定して、あれをある程度教訓にしながらこれまで防災計画等々あったんですけれども、東日本大震災で大分さらにそれを上回る、考えられ得る最大限のものを想定して今、津波対策等について各市町村に情報を流しているわけであります。それで、その中で前からもお話しましたとおり、完全にこれを物理的に防ぐことはなかなか難しいと。ただ、場所によっては避難タワー等々作るような計画も各市町村で行っています。あるいは、各市町村では主要な公共施設、こういうものをこの後建てるとすると、場所をどうするのかという、そういう具体的なことにも反映されてくるわけでございますが、県としてはやはり今のところ情報伝達、これは県、市町村のみならず、いわゆる市町村とその住民との情報伝達、ここら辺についてまだまだやるべきことがあるだろうと。
もう一つは、普段からの避難対策、避難訓練について、これまで毎年やっていますけども、こういうものについて、より臨場感を出した避難訓練もしなきゃならないと。
もう一つは、地域の方々に具体的にそういう情報がなかなか伝わっていないというのが現状なんです。全体としてはわかるんだけども、それじゃあ自分のところ、あるいは自分のエリアではどういう対応を取るのかということで、今、自主防災組織、地域の町内会単位等で大分組織率も上がっておりまして、やはりこういう自主防災組織の住民の皆さんに、相当ある程度その地域リーダーを養成していかなきゃならないということで、今年から初めて自主防災組織のリーダーの方の情報交換会、研修等も行おうといたしております。そういうことで、物理的なハードのもので全体をやるっていうのは、これはとてもとても県だけの力でできませんので、やはりこれから市町村のそういう政策も含めて、一方では国に対して大きなそういう防災対策のハードのものの制度化、そして情報伝達、あるいはそういう避難等の現場のことについては、県がいろいろな情報を提供しながら市町村、あるいは住民の間で、とにかくいつでも何らかの状況に対応できる、そういう癖をつけるような訓練、あるいはシステムを取っていかなきゃならないと思っております。これでというのはなかなかいかないですね。各市町村で大分違うんですね。津波想定調査で、ある意味では自分のところまで、あるところまで、津波が最大限来るか来ないかでじゃあどうするのかという、そういう具体的なところに入っておりますので、そういう点についてはやはり市町村の判断も出てくるんですよね。
(記者)
あともう一点、すいません。
国が出している被害想定と県が今まとめているマグニチュード8.7という想定がずれている現状があります。また、秋田県と青森県、山形県とも想定している震源域であったり、津波の高さの想定さえも違ってきている。こういった点について、どうまとめながら進めていくお考えでしょうか。
(知事)
国の方が最終的な評価というか最終的なものはまだ先であります。全体としては国としてはまだ出しておりません。それで、これですね、地球物理学というのはやる人で全部違うんですね。学者で全部違うんです。ですから、日本全国統一したものというのはなかなか出るという状況にはないと思います。ただ国のものがいずれもうちょっと今調整して出てきますので、出た段階でそういうものとどう突合させるか、もう一つは、単純じゃないんですね。ジワッといく場合と、ドンといく場合とザーッといく場合と、全部違うんですね。ですから、そこら辺のいろんなパターンによって、秋田の学者の先生方は、あくまでも考えられ得る最大限と言っていますけれども、その地域によっては若干の動き方によって違う場合もあるのかなと思いますけれども、これを全部横並びに整合性をとってやるとすると、皆さん、場合の数ってわかるでしょう、場合の数全部クロスしちゃうんですね。めちゃくちゃ場合の数多くなって、対応というのは難しいのかなと思いますので、大体上の方になりますと、その津波の高さが15メートルも16メートルも変わらなくなるんですよね。ですからやっぱりそこら辺はなかなか統一をとりにくい点ありますけれども、いずれ国のものについてはまだ最終版出ていませんので、その段階でもう一回議論はあると思います。
(記者)
すいません、先ほどのバーッといったり上が上がったり下がったりっていうのは津波の話ですか。
(知事)
いや、地殻変動です。
(記者)
地殻変動の話ですか。
(知事)
地殻変動がですね、ズルッという場合とジワッといく場合と、全部違うんですね。バサッといく場合もあります。
(記者)
それが避難とかそういう地域防災計画にどう影響されますか。
(知事)
それは全部その一つ一つ、これを全体を総合して、その中で一番大きい考えられ得る最大をとっていますので。ただ、マグニチュード8.7でも、非常に津波が少ない場合も多い場合もあるんですね。ですから、我々としてはまず最大限のものをとっているという想定です。
(記者)
で、その想定に基づいて避難計画であったりとか、防災計画の中のいろんなきまりがあると思いますけど、そういったものに反映させていく上で、それをどう整合させていくのかという、そっちの方を聞きたいんですが。
(知事)
難しいですね。ですから我々として今出した津波の関係のこれでまず第一弾でやって、もしその大幅に国のものと違う場合があれば、そこは補整していくしかないでしょうね。
ただ変な話、確率から、1万年後にパンッと起きても1なんですね。今起きても1なんですよ。ですから、どうもここら辺ですね、人命にコストはないというけれども、全部に対応できるということは、これ嘘を言うことになるんですね。だから今、我々の社会のシステムの中で、可能な限りこれに対応していくという、ですからやはり物理的には何ともし難いとなると、やはり避難だとか情報伝達。ただ、その避難にしてもなかなかお年寄りの避難がなかなかうまくいかないとか、そういう非常に個々の隘路はありますが、そういうものをどうやってカバーしていくかというところで、一律にその津波の高さがこうだから、それにはこうだと、ここの場合はこうだというのは、なかなかそう分けて考えるという話にはならないのかなと思います。なかなか難しいですね、これね。変な点、物理的に十何メートルだとすると、それに対応して全部例えば海側の町は一切全部山の上に行くとなるとそれはいいでしょうけども、あくまで確率ですよ。津波の来る確率より、その山の上の山崩れの確率の方が多くなったりするんですね。そういう場合だってあるんですね。ですから、全部津波が来るんだという前提で、これを絶対的に防ごうとすると、別の災害に対して今度は備えなきゃならない、あるいは経済的にそれに全部金を使って福祉を全部なくするか、そっちの方の不幸になる人が多かったりすると、これも本末転倒ということで、なかなかここはですね、日本の国全体を、今の強靭化法も今一緒にやっていますけれども、そこら辺の割り切り方をどうするのかというのは、これ国民的課題になりますよ。それは何百兆円かけるといいでしょうけれども、その結果、日本が財政破綻してどうなるのかという話も出てくるし、いやあ難しいですね。
ただ、実際やっぱりある程度の海岸部の指導というよりも、海岸部にある重要な建物なんかを建て替えるときは、相当やっぱりこういうことは考えていかなきゃならないし、やはり津波対策とすると海岸部での避難通路の確保だとか、そういう場所だとかと、これはやっぱり具体的に相当きめ細かく市町村とともに県としても問題意識を持ってやらなきゃならないと思っています。高さだけで、ここだからこれ以上だからっていう話にはなかなかならないんではないかと思うんですね。
津波、場合によっては避難タワーだってものすごい勢いで来て、何か別のものが崩れてそれに当たると、それがタワーごと倒れますからね。あの波の力ってすさまじいですからね、なかなかそういうところも全部カバーというのは、ちょっと素人の考えではなかなか難しいですよ。そういうところを、だから我々としては、秋田大学に今、そういう具体的な勉強というか、対策についても、やはり学者の先生の意見を相当聞いていかなきゃならないということで、恒常的に今のところ何年間か秋大にそういう講座を先生方にお願いしているという状況でもございます。
(幹事社)
残された時間が僅かになってきたんですが、最後お願いします。
(記者)
重ねての質問になるんですけれども、国とのその災害の被害の想定が違った場合に、どこに避難するか、あるいはその津波のタワーをどこに建てるか、避難場所をどこにするかという現実的な部分で随分違いが出てくる。
(知事)
国の方がいつ出るかわかんなんですよね。
(記者)
市町村、困っていると思うんですけど。
(知事)
国が出すかはまだ全くわかっていません。ですから、我々としては国を待っていられないから県の先生方でやって、国がまた別の想定を出してくれば、まず国がやることですから、相当先じゃないですか、多分。4年とか5年先じゃないかな、下手すりゃ。それは地方とも調整するんですよ、国がね。だってその道の先生がやったことに対して、また国が二重にやるっていう話じゃなくなるんですよね。
(記者)
まあ、今は暫定的な。
(知事)
暫定というか、国がやるから正しいんで、県がやるから浅いというんじゃないですね。それぞれみな専門の学者ですから。ただ、原子力も同じで、学者ってみな違うんですよね。だから本格プレート移動となると小松左京の世界になって、いわゆるマントル対流の上昇によっての本格移動だとすると、それこそ日本列島はなくなっちゃうんだな。そういうことだって確率的には何十億年とかってなると、多分数億年単位では日本がなくなるという、全くね、津波なんていうもんじゃなく全部海底に、ムー大陸みたいに沈むということも、これは学説的にはあるんですね。ただ、そこまでは考えないんだよね。ですからやっぱりただ今の状況だと、国もやりますけども、相当県ともそういうことは今までの自治体でやったのも参考にするんじゃないかと思うんですけどもね。
(記者)
最終的にはそこまでの違いは出てこないというふうにお考えで、県、市町村が具体的に何を、、、。
(知事)
これは学者の先生の言うことですから、学説によって全部違いますけども、我々がお願いした先生方はそういう結論づけていますし、そういう推測評価をしていますので、我々としては今、それだってすさまじいですね。ですからやっぱり、国で最終的に何年かわかりませんけども出た段階では、もし極端に違えば、そこはまた検証する必要があると思いますね。
(記者)
現段階では市町村が防災計画を作る場合は県の想定で、、、。
(知事)
そうです。ええ。
(記者)
わかりました。
(知事)
大分難しいね、これ。哲学論になっちゃうよね。いいかな。
(幹事社)
はい、時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。