令和2年7月8日(水)「知事臨時記者会見」(首都圏等との往来に関する注意喚起について ほか)
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●知事臨時記者会見
「首都圏等との往来に関する注意喚起について」
「豪雨時の避難について」
(幹事社)
幹事社の産経新聞です。
最初に、知事からメッセージがあるということですのでお願いします。
(知 事)
はい。まず、本県においては、4月の中旬から新規の新型コロナウイルスの感染者が出ておりません。毎日数件の、あるいは10件近い検査も行われておりますが、これについては、県民の皆さんの大変なご協力、あるいは様々な措置をしっかりとっていただいてることで、感染者がこの2カ月半余り出てないということに対し、県民の皆さんのご努力に心から感謝を申し上げたいと存じます。
さて、東京においては、一旦下火になりましたが、ここ1週間程度、新規感染者が増加しておりまして、今月の2日以降、1日当たり連続して100人を超えております。また、隣接する埼玉県、千葉県、神奈川県でも感染者数が増加しているほか、先月19日からは首都圏との移動制限が解除されたことに伴い、東北でも宮城県、山形県において、東京都由来ではないかと思われる感染者が確認されております。こうした状況を踏まえまして、県民の皆さんには、首都圏への移動に関しては、その必要性を十分に勘案の上、より慎重にしていただきますようにお願いいたします。
また、様々な事由によって東京においでの際においては、いわゆる新宿など夜の繁華街、要するに従業員の接待が伴うような夜の飲食店の立ち寄りについては、十分に注意を払っていただきたいと思います。また、東京の場合、飲食店も狭い、あるいは非常にお客の数も多いということで、また、感染のルートが不明な方もたくさんいらっしゃるという状況であります。そういうことで、会食あるいは昼食、食事等においても十分に周辺を注意して、3密(の回避)、あるいはマスクの着用、手の消毒等について、念入りに行っていただきたいと思っております。
また、国が提供しております感染接触アプリ「COCOA」について、スマホを持ってる方は是非これをダウンロードして、十分に活用してほしいと思います。
また、東京あるいは首都圏から帰ってからは、体調の管理、あるいは自分の体調について十分注意を払って、少しでも異常が感じられる場合については、帰国者・接触者相談センターに速やかに相談してほしいと思います。また、例えば東京における立ち寄り先についてのメモ、あるいは帰ってからの行動履歴をしっかり控えておいて、万が一感染した場合には、濃厚接触者あるいは様々な影響について、速やかに対応がとれるような状況をつくっていただきたいと思います。特に、医療、福祉、教育関係に携わる方については、ご本人は行かなくても家族の方が東京等との往来、あるいは友人が東京方面から訪問して、ご自分の知らないうちに家族の方が接触しているということがあり得ますので、特に家族の行動、あるいは友人・知人との接触においては、首都圏等との往来の確認など十分に注意してほしいと思います。また、各事業所の皆さんにあっては、首都圏等において感染者数が大変増加しておりますので、順次策定が進んでおります業種ごとの感染拡大予防ガイドラインの実践について、しっかり確認し、このガイドラインに沿った措置をとっていただくようお願いいたします。
なお、イベントの制限に関しましては、適切な感染防止策の実施を前提に、7月10日からの1段階緩和について予定どおり行うものといたします。
これから夏休み、お盆の帰省の時期を迎えますが、特に若い方は無症状の場合があることから、感染拡大を防ぐため、自重した行動をとることなどについて、ご家族の皆さんから十分にアドバイスをお願いしたいと思います。要するに、帰省に関しての健康の確認、また、東京などの状況次第では、場合によってはこの後、注意喚起から自粛要請に至る場合もございますので、特に若い方の行動については十分に注意を払っていただくように、ご実家等から是非、ご子息あるいはお孫さん等についてアドバイスをお願いします。
ワクチンあるいは治療薬ができるまでは、まだ時間がかかると思います。今後、県においては、PCR検査体制の拡大、入院医療等の体制整備を順次進めてまいりますので、そういうことに伴って県内においても最悪の場合に備えることにいたしてございますが、まずは、県内においては高齢者が多いということを十分に考慮しながら、感染者を増やさない、出さないということに主眼を置いていきたいと思います。ただ、県民の皆さんには、これについて余り過敏になることは必要ございません。常識的に3密対策、あるいはマスク、あるいは手洗い、様々な面においての注意を十分にすることによって守ることができますので、そういう点についてご理解の上、これからも常にそういう意識をもって行動していただければ幸いでございます。
次に、豪雨災害の関係でございます。
九州地方を中心に、記録的な、というよりも歴史的な豪雨によりまして大変な洪水が起きております。一瞬の増水によって多大な死傷者、行方不明者が出ております。まずは、お亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われました方々に心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。
これから秋田においてもこの梅雨の終わり、また今後、台風あるいは集中豪雨が十分に予測されます。県民の皆さんの間には、秋田は急峻な地形もないし、これまでの経験からしてそう大きな災害に、よほどの水害においても人命に関わることはほとんどないという意識が強いものと思われます。しかし、これまでの経験が全く通じないような猛烈な被害、猛烈な雨量がこれからも考えられますので、是非とも油断のないように、とにかく避難については十分に前もって準備しながら、空振りで結構ですので、是非避難の行動については速やかに行ってほしいと思います。特に、特別養護老人ホームなど高齢者福祉施設においては、お年寄りの入所者の行動が自由になりませんので、周辺の職員、また管理者において、また各々市町村等においては、十分に注意を払って、特にこういう施設の避難については、その(災害の)可能性のあることが感じられた場合には速やかに行ってほしいと思います。
避難においては、コロナの関係も十分配慮しながら行うことが必要でございます。避難所の体制についても十分に注意を払って準備を進めていただくように、特に市町村にはお願いいたします。ただ、準備が万全に整うことができない場合でも、命の方が大切です。そういうことで、急激な水害の被害の状況が勘案される場合については、まずは避難を第一に考えた行動をお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
(幹事社)
それでは、幹事社から何点かまず質問させていただきます。
今回の注意喚起につきまして、感染拡大地域への移動については必要性を十分勘案し、より慎重に対応してほしいという呼びかけのようですが、反面、知事は先ほど、企業の出張、事業者の出張についてはほとんどない状態にしてほしい。また、県民に対しても、私的、感染拡大地域からの帰省などについては、遠慮してもらうように呼びかけてほしいとおっしゃいましたが、十分慎重な対応という呼びかけ、ちょっと県民にとっては分かりづらいと思うんですが、これは自粛要請に比べてどの程度のものなのか。
(知 事)
前回の自粛要請は、可能な限りテレワーク等を使って往来を避けていただくと。ただ、その後に企業活動等において、相当その影響が出てます。ですから、経済を回すために是非必要な場合については、往来について自粛となりますと、せっかく立ち直っております県内の経済がまた非常に厳しい状態になります。そこは両立するという立場で、テレワーク等でできるものについては従前のとおりでありますが、これまで企業においては、必要があっても事業を一部止めて、往来を自粛していたところもたくさんございます。そういうことで、企業活動をこれ以上止めることについては大変な状況になりますので、そういう点で、企業活動に必要不可欠なところまで自粛には至らないと。ただ、最初の段階は東京全体にそういう危険度があるという状況でとらえておりましたが、現在では夜の街、あるいはある地域に偏ってますので、東京に行ってもそういうところに立ち寄らない、あるいは、そういう飲食店もなるべく控えることで、安全性は保たれると考えておりますので、自粛というよりも、必要性に鑑みまして各々判断をしてほしいというところでございます。ただ、やはり企業の方でもそこら辺を十分に踏まえて、人数を絞ったり、あるいは、企業の方でも(東京に)行った際には外出をしないようにという指示を出してるところもございますので、そこら辺については、企業の方は対応について十分に考えておりますので、そこは個々のご判断で行動をお願いしたいと思ってます。
(幹事社)
一般県民につきましては、例えば感染拡大地域にいる親戚を訪ねるとかそういうようなものは。
(知 事)
はい。一般県民に関して、まず観光は控えてほしいと。完全に観光は、不要不急ですから。ただ、身内の不幸とかについて、今までもほとんど控えておりましたが、場合によっては先ほど言ったとおり十分に注意の上、なるべく滞在日数を少なくして、そういうところに立ち寄らないような状況で行くのは、やむを得ないんじゃないかと思ってます。
(幹事社)
今回、慎重な往来の呼びかけという形ですが、こうなりますと、県内の観光地、そういう観光関連業者は、今までずっと気をもんでおられたと思うんですが、また厳しい状況になるのではないかと、実際なってるわけですけども、風評も加わって、より厳しくなるのでないかという懸念があると思うんです。その点につきまして、県としてはどういう支援、あるいは対応されていくんでしょうか。
(知 事)
従来から観光については、7月いっぱいは東京方面からは注意(徐々に)ということで、完全に解除とはなってません。あとは、この後、Go Toキャンペーンがありますが、国の方で遅れてますので、その際に国がどういう判断を下すか。ただ、、県の宿泊券のプレミアム券でお盆頃まではお客さんも入ってますので、お盆頃まではまあ十分ではないにしても、まず県内の方で回すことができるんじゃないかと感じてございます。私の周辺のお年寄りに聞きますと、県外の方が泊まるようであればそこには行かないと。同じことなんですね。そこら辺は、他の県もそういう状況になろうと思います。
(幹事社)
ありがとうございました。
それでは各社どうぞ。
(記 者)
先ほど知事から、観光については控えてほしいというお話がございましたが、今回の資料だと、観光に関しては感染状況に注意しながら行っても差し支えありませんとありますが、首都圏についてはもう明確に控えてほしいということでよろしいんでしょうか。
(知 事)
はい。首都圏については控えてほしいです。
(記 者)
分かりました。ありがとうございます。
もう一点、知事から、今後の状況次第では自粛要請に移行する可能性もあるというお話もありましたが、その移行する際の基準とか何か考えられてるものがあれば教えてください。
(知 事)
東京都での最大の数(感染者数)である200名を超える状態が続くようであれば、これは前に戻ります。その際に、早めに、国が例えば緊急事態宣言を出さなくても(やります)。今考えますと、県内に感染者がいなければ県内の旅行、あるいは県内の飲食店は、かなり安全だと捉えることができますので、むしろ東京都の場合は、ある程度(の感染者が)いても仕方がないと。ただ、うちの方は、感染者が1人でも少ない方が経済は回ります。ですから、水際対策をむしろ中心に行っていきたいと思います。
(幹事社)
分かりました。
最後に一点。イベントの緩和については予定どおり、10日に、5,000人規模までやっていくということですが、これは県内で感染者がいない状況を鑑みて、ということでよろしいでしょうか。
(知 事)
はい。また、その数のイベントの予定がないんです、全く。
(記 者)
分かりました。ありがとうございます。
(記 者)
さっきの観光のところでもう一点ちょっと確認したかったんですが、秋田県知事の立場で呼びかけができるかどうかは別として、首都圏から秋田に観光に来るっていうことについても控えてほしいという考え方でしょうか。
(知 事)
はい。往来について、首都圏の観光は、可能性ですね。首都圏でも23区以外で全く(感染者が)出てないとこもあるんです。ですから、一概に言えるかどうか。ただ、やはり首都圏の方が大勢来るような状態は、避けてほしいという。今、県のプレミアム宿泊券で土日を中心にかなり混んでますので、新規の観光の受け入れっていうのはほぼ無理と。で、東京都知事さんもの小池さんも、首都圏の方は地方との往来を遠慮してほしいと言っていて、そこはあちらの方とちょうど合ってますので、完全に来るな、とまではできませんが、そういう点について情報発信をして、今のところなるべく(往来を)やってほしくないという。あと、さっき言ったとおり、お年寄りで今宿泊券を使う方は、そういう外からのお客さんがいるとこへは行かないよ、という声がすごく大きいんです。
(記 者)
今知事がおっしゃったように、都知事が都民に対して、不要不急の移動を自粛してほしいって言ってる一方で、政府は一律の移動自粛は必要ないっていうことを言ってますが、この発信の食い違いについて、知事はどのように見られてます。
(知 事)
政府の方は、どうしても首都圏の休業要請をすれば、また金がかかるという頭があるのかなと。ただ、首都圏は特殊ですから、業種ごと、あるいは場合によっては地域ごとといったピンポイントで自粛要請とか移動の制限、こういうものを、まあ制限までいきません。いきませんけども、そういうことはやってもいいと思いますが、東京都と国の認識が少し違うというのは、私どもも非常に困るんです。是非とも、東京都と国の認識を一つにしてほしいと思います。
(記 者)
関連で最後に一点なんですが、今の東京等で感染が広がっている中で、緊急事態宣言をまだ出していないという政府の判断についてはどう考えられますか。
(知 事)
(緊急事態宣言を)出すとしても、全体というよりも、場合によってはピンポイントというように、政府の情報からするとそう捉えられますが、いずれ23区のどこにもでも接待の伴う飲食店があるんです。そこら辺の問題が区によって差がありますから。ただ、明らかに歌舞伎町とかの新宿の界隈や池袋といったところは、非常に雑然としてる。そういうところについては、やっぱり少し別の角度から考えてほしいなと思います。
(記 者)
緊急事態宣言ではなくても、別の何らかの対策を政府として考えてほしいという。
(知 事)
はい。
(記 者)
分かりました。ありがとうございます。
(記 者)
今の政府の立場に関連してなんですけども、知事としては、今後、自粛要請に状況を見ながら発展していく可能性があるということですけども、政府の方で県外への移動は自由ですとかっていう、今、都知事に対して釘を刺しているような発言がある中で、国に先だって県が自粛要請とかも含めて呼びかける必要性というのは、知事としてはどう考えてらっしゃいますか。
(知 事)
自粛要請まではいきませんけども、これは東京以外の知事さんのほとんどみんなが言ってるんです。やはり、若い方の感染経路が分からないというのが一番困るんですよ。で、確かに、経路が分からないっていうのは、本当に分からない点と、あとは、自分から言えないというのもありますが、論理的に考えれば、感染経路が分からないということは、どこでも感染する可能性があるっていうことですよ。ですから、今まで県内では感染ルートが全部分かってますから、そこを避ければあとは大丈夫ですが、東京の場合はどこに行って誰がうつるかっていうのが分からないわけです。これが一番困るんです。街の中で完全に消毒とかができるわけないですから、特にうちの方は高齢者が多いですから、数人(の感染者)が入ってきただけで、高齢者に感染しますと、すぐに命に関わりますので、東京などの取り扱いと地方(の取り扱い)は違ってきますよ。これは、東京以外の知事さんも、何らかの注意喚起を今始めている状況ですので。
(記 者)
政府の緊急事態宣言が出ないまでも、秋田県として自粛を呼びかける必要性はあると考えてる。
(知 事)
ですから、あくまでも、そういうお店(接待を伴う飲食店)の(営業)自粛というよりも、往来の自粛は、この後、場合によっては東京が最盛期の200人を超えるような状況が連続すれば、もう少し強い注意喚起から自粛要請に至る可能性もあります。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
期間についてお伺いしたいのですが、開始は明日からということで、先ほど知事のお話の中で、8月10日ぐらいで東京の状況次第では注意喚起から自粛要請に、というお話もありましたけど、まず当面のところ、これについては1カ月程度は出続けるのが目処という捉え方をすればいいのか、そのあたりいかがでしょう。
(知 事)
まず、お盆頃までです。これから帰省シーズンで移動が多くなりますので、お盆の状態まで見たいと思います。
(記 者)
先の段階に進まずに、これがお盆のとこである種終わるということになったとしても、また再度会議等を開かれて解除については判断される、といった辺りは。
(知 事)
はい。場合によっては、先ほど言ったとおり、お盆の前に東京(の感染者数)が相当多くなると、やはりもう一段強い自粛要請を8月に出す可能性もありますので、今月末がどうなってるか。まず今月末で一旦見ますし、また国が8月1日からの扱いについては別途何らかの情報を出すと言ってますんで、そういうものを十分に踏まえた上で、その後の措置について検討したいと思います。
(記 者)
原則としては、今出されてるものはお盆頃までで。
(知 事)
はい。
(記 者)
県としても、その7月末の段階で状況を整理して、その先の対応について8月上旬に判断されるという形。
(知 事)
はい。
(記 者)
はい、ありがとうございます。
(幹事社)
知事のスケジュールもありますので、質問はあと一社にお願いします
(記 者)
豪雨に関連しての質問なんですが、コロナに対応した避難所を今後つくる必要がありますが、ほかの自治体では宿泊施設や旅館を活用したりとか、その開所に係る費用を助成したりとかそういった動きがあるようですが、県としてはどういったふうに避難所の開設を考えてらっしゃるのでしょうか。
(知 事)
秋田市の一部を除けば、相当公共施設、体育館とかが安全なところに相当数ありますので、場合によってはそういうこともあり得ますが、そこまで行かなくても、うちの方では急峻なところはないですから。ただ、水の増え方が異常ですから、まず垂直避難、あるいはそういう避難所、あるいは様々な状況でなるべく早く指示を市町村が出すように、ということで、また県も情報提供をしっかりやっていきたいと思います。
(記 者)
ありがとうございます。
(記 者)
あの、往来についてですが、隣県もしくは仙台、その辺りについての往来については、どのように知事はお考えでしょうか。
(知 事)
仙台と山形は少し出てますが、クラスターとか、そこまでいってません。山形、仙台も東京由来ですので、東北で隣県までは、今のところ、そう神経を使う必要はないのかなと。
(記 者)
ありがとうございます。
(幹事社)
では、これで終了します。ありがとうございました。