細菌チームの業務
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細菌を原因とする感染症の検査、細菌性食中毒の検査、食品衛生や生活衛生に関する細菌検査、環境保全に関する細菌検査、及びこれらの業務の基盤となる調査研究を実施しています。
1.感染症に関する検査
細菌を原因とする感染症には腸管出血性大腸菌(O157等が含まれる)感染症、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、結核などがあります。秋田県内でこれらの感染症が発生した際に、県内の各保健所と連携して患者等の検査や原因究明のための検査を実施しています。また、感染源・感染経路の特定や集団感染の早期探知のため、積極的疫学調査として分子疫学解析法(細菌のDNAを解析することで、菌株間の関連性を調べる方法)を導入し、感染拡大防止のための行政対応を科学的に支援しています。
2.食中毒に関する検査
細菌性食中毒の原因菌には、病原大腸菌(腸管出血性大腸菌含む)、サルモネラ属菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ等があります。秋田県内でこれらの食中毒が発生した際に、県内の各保健所と連携して患者等の検査や原因究明のための食品等の検査を実施しています。
<食中毒検査で使用する培地>
各種の細菌が発育しやすい様々な培地を用いて、原因となっている菌を探索します。
3.食品衛生に関する検査
秋田県内で流通している食品の安全性確保のため、食品衛生法及び秋田県食品等の衛生指導基準に基づき、食品等の細菌検査を実施しています。
4.生活衛生に関する検査
公衆浴場・遊泳用プール等における監視指導のための衛生検査、温泉施設や旅館などの浴場を対象としたレジオネラ属菌検査を行っています。
5.環境保全に関する検査
秋田県内の工場・事業場排水、土壌等の環境における細菌学的な検査を実施しています。
6.その他
- 地方衛生研究所技術協議会レファレンスセンター業務(カンピロバクター、百日咳、薬剤耐性菌)
7.調査研究
新たに見つかった食中毒症状を引き起こす細菌などについて調査研究を行っています。
・Escherichia albertii(エシェリキア・アルベルティイ)
1991年にバングラデシュの小児から見つかった細菌で、2003年に新種として認められました。近年、秋田県内でも食中毒事例が発生しており、環境水や食品等における汚染実態を調査しています。また、国の研究機関などに協力して、検査法の開発や病原性の評価を行っています。
・Staphylococcus argenteus(スタフィロコッカス・アルゲンテウス)
黄色ブドウ球菌の一部とされてきましたが、黄色色素を産生せず、2015年に新種として認められました。秋田県内でも食中毒事例が発生したことから、本菌を迅速に検出する方法を開発し、流通している食品等における汚染実態を調査しています。