つながる「ふるさと」、オガチの底ヂカラプロジェクト  趣旨

湯沢雄勝地域には川連漆器や稲庭うどん、清酒や味噌醤油など、秋田を代表する数多くの地場産業があります。また、国内外に誇るトップクラスの技術を有し、長年、地域とともにその歴史を刻んできた企業・事業所が多く存在しています。

このプロジェクトでは、湯沢雄勝の顔とも言える経営者らが、管内産業の魅力をより深く学び合うことで、地元企業や人物等の魅力を再認識するとともに、「ふるさと教育」を通して、地域の子どもたちや若者に、地元の良さや郷土への誇りを伝える土台を築くことを目指していきます。

ジバゼミ開催の概要 

ジバゼミ〖じばぜみ〗とは・・・

管内企業等や伝統産業の特長や強み、地域に根ざした事業展開の理由や意義等について学ぶ、交流勉強会のことです。

「社会科見学編」と「地場産業体験編」の二種類があります。

開催概要と講師

【開催日時】平成30年6月27日 9:30~

【講師】農業生産法人株式会社相川ファーム 代表取締役 菅 忠一郎氏

【会社概要】さくらんぼやコメ、ネギなどを栽培する農業生産法人。原料から加工、販売まで、一貫して自社で手がける。

      代表取締役の菅忠一郎氏は、真剣に農業に取り組む姿勢と、明るく個性的な人柄で、多くの人を惹きつける。

      今も「忠さん」を慕って、関東近辺などから現役女子大生が訪れるほど。

講師が説明する様子の写真

株式会社相川ファーム 代表取締役 菅 忠一郎氏

ゆるぎない強い信念で、即行動 

さくらんぼ導入のきっかけ。それは、従来の農業スタイルを変え、複合経営による通年収入の安定化を目指したい、とする強い思い。

視察させていただいたさくらんぼ農園は、もともと杉苗を植えていた土地だったそうですが、今から約30年前、夏の暑いさなか、近くから購入した山土を、奥様と二人で一輪車で運び入れ、盛り土したのだそうです。

「ピンチは、チャンス」

たわわに実るさくらんぼ。「あのとき二人でかいた汗が、いま、見事なさくらんぼに実った」と笑顔で語ってくださいます。

が、ここまでの道のりは、決して平たんではなく、最初はさくらんぼの7割が枯れてしまうなどのアクシデントに見舞われたそう。また、さくらんぼを原料にしたワインを製造するに至った経緯や、出来上がるまでの紆余曲折。思いを成し遂げたときの感動、原動力となる顧客のうれしい反応などを教えていただきました。

忠さんのすごいところは、まさに「ピンチは、チャンス」の言葉のとおり、徹底的に原因を究明し、自分の目標に突き進もうとする強い信念。これが、強さの秘密です。

 ジバゼミの写真① ジバゼミの写真②さくらんぼワイン

                                                                   

 農業生産法人株式会社相川ファームの思いと魅力 「ここがポイント」

①アイデア実現のためには、スピード感が大事。ビジョンさえ明確であれば、芯がぶれず、失敗も少ない。

②積み上げ方式で進めるのではなく、最初に明確な目標を定めて深掘りしていく。

③ブランディングに、キャラクターづくり、そしてストーリーは不可欠。

人的ネットワークは生命線。特に、行政には積極的に情報を取りにいく

⑤言いにくいことを伝えてくださる顧客の声を真摯に受け止め、次に生かす。日々、進化することこそ大事。

⑥働き手は会社の財産。女性が増えれば、家族も増える。女性の雇用の場を確保し、人口減少に少しでも歯止めをかけたい。

⑦どの企業にもある、強み、弱み。管内企業が互いに補完しあうコラボレーションを目指せたら最高。

 

意見交換 参加者の感想

・語られた言葉は極めてシンプルだが、全てつながっている。力強さを感じた。

・さくらんぼと発酵、地域文化が結びつく着想が素晴らしい。

・失敗するかどうかの前に、まず行動すること。そして、その行動力の中に、相談できるネットワークが形成されていること。直接バイヤーに足を運ぶフットワーク力など。全てに感嘆した。

・商品のターゲットが明確。また、さくらんぼワインに向かうときの決断の流れと速さ。全て筋が通っていて、先を見ているところが素晴らしい。

・生産から加工までの一貫生産の中に、元気な高齢者や女性の雇用など、地域振興までを考慮されていることに驚いた。

・一次産業から加工まで、決して妥協を許さない。折れずに信念をもって、最後まで目標につなげようとする探求心とこだわりに脱帽。 

・普段、社長と顔を合わせることはあっても、これほどまとまった話を伺ったことはなかった。この企画に参加できて本当によかった。

 ジバゼミの内容を記録した用紙ジバゼミの写真

 

 ジバゼミレポート

ジバゼミレポート1(農業生産法人 株式会社相川ファーム編)

 見事な手さばき。さくらんぼレディたち。

 見学した当日は、選果作業のまっさかり。 

さくらんぼの箱詰め作業の写真①さくらんぼの箱詰め作業の写真②さくらんぼの箱詰め作業の写真③

選果場では、輝く笑顔の「さくらんぼレディ」たちが、華麗な指裁きで箱詰め作業に精を出していました。

 ジバゼミ、今後の予定


次回(7月20日)の訪問先は、株式会社秋田研磨工業様です。

引き続き、レポートをお楽しみに。 

 プロジェクト早わかり


 

つながるふるさと、オガチの底ヂカラプロジェクト実施要領

第一回実行委員会(キックオフイベント)の模様はこちら