例年にくらべて遡上尾数は「少なめ」、遡上時期は「遅め」と推定

1.遡上量

    これまで常磐川における投網1回あたりのアユの採捕尾数と、阿仁川での釣獲尾数とを調べた結果や聞き取りから、採捕尾数が多い年は、米代川水系だけではなく、雄物川、子吉川水系などでも、遡上量が多く、友釣りで多く釣れることが分かっています。
    常磐川での4月下旬~6月上旬までの投網1回あたりの採捕尾数は0.3尾/回(図2、表1)でしたので、今期の遡上尾数、釣獲尾数は、例年(2010~2017年の平均)よりも少なめと推定されます。
 図1 調査河川
                                              図1 調査河川
 図2 常盤川での採捕尾数と阿仁川での釣獲尾数との関係(2010~2017年)
                             図2 常盤川での採捕尾数と阿仁川での
                                        釣獲尾数との関係(2010~2017年)


表1 常盤川での採捕尾数と阿仁川での釣獲尾数
 表1 常盤川での採捕尾数と阿仁川での釣獲尾数

    なお、遡上尾数が少ない年には、釣獲魚の体長は大きくなる傾向があります。しがたって、今期は例年よりも大型になると推定されます(図3、表2)。
 図3 常盤川での採捕尾数と8月に阿仁川で釣獲されたアユの体長との関係(2010~2017年)
                          図3 常盤川での採捕尾数と8月に阿仁川で釣獲された
                                     アユの体長との関係(2010~2017年)

表2 常盤川での採捕尾数と阿仁川で釣獲された
アユの平均体長
 表2 常盤川での採捕尾数と阿仁川で釣獲されたアユの平均体長

2.遡上時期

    調査地点が友釣り漁場内に位置する阿仁川の米内沢頭首工における、アユの初確認日は6月25日でした。これは、例年(6月13日:2010~2017年までの月日の平均値)に比べて12日も遅いことや、漁協からの聞き取り情報から、県内全域でも今期の遡上は「遅め」と推定されます。