シジミ等の生育状況試験(H28年度秋田県水産振興センター業務報告書より)

2018年05月21日 | コンテンツ番号 30887

 平成28年度秋田県水産振興センター業務報告書の「シジミなど湖沼河川の水産資源の維持、管理、活用に関する研究(シジミ類の増殖技術開発)」について紹介します。

<本研究の要旨>

 八郎湖におけるシジミ類の増殖技術の開発を目的として、ヤマトシジミを対象として、放流追跡調査、中間育成試験、モクズガニによる食害試験、コイなどによる食害防止対策試験などを行った。
 前年と同様に、八朗湖に放流した稚貝の生息密度は8月以降急激に低下することを確認した。
 コイに対する食害試験などの結果から、殻長5~6mm以上の稚貝への食害に対しては、防風ネット(目合4mm)の敷設が効果的であると推察された。

 本報告のうち、ヤマトシジミの放流種苗追跡調査とヤマトシジミのコイの食害防止試験の概要は以下のとおりです。
詳細は、平成28年度秋田県水産振興センター業務報告書[19839KB]p.194~198 を参照ください。

(1)ヤマトシジミの放流種苗追跡調査(2015年放流群)

①試験方法

 H27.7月に、十三湖産及び小川原湖産ヤマトシジミを使用して得られた着底稚貝(殻長0.1~0.2mm)をSt.4に618万個、St.5に348万個放流し、月1回生息密度を測定。

②場所

 調整池内の南部排水機場付近
   [52KB]

③調査期間

 H27.7~H28.7、H28.7~H28.11

④結果

 両地点の生息密度は、平成27年9月には104~148個/㎡であったが、平成28年7月以降急速に低下し、10、11月以降は生息を確認できなかった。
 これまでの調査でも、8月以降に急激な低下が確認されているが、本調査での主な原因としては他の生物による捕食が考えられた。

        表1 放流種苗の追跡状況(St.4)
 [42KB]

        表2 放流種苗の追跡状況(St.5)
 [39KB]

(2)ヤマトシジミのコイの食害防止試験(H28)

①試験方法

 ヤマトシジミの放流種苗追跡調査箇所を対照区として、同放流箇所の湖底に保護用プラスチックネット(目合10mm、縦2m×横3m)を敷設し、ネット下のシジミの生息密度等を月1回測定。

 [42KB]

 ②場所

 (1)と同じ場所 

③試験期間

  H28.7~H28.11

④結果

 プラスチックネット敷設による試験では、St4、St5いずれも、ネットを敷設しない対照区ではシジミが確認できなかったが、ネットを敷設した保護区では、11月時点で生息密度22~37個体/㎡、殻長は、放流時に0.1~0.2mmだったものが、3.1~16.5mmまで成長が確認された。プラスチックネットを湖底に敷設することにより、コイなどの食害が軽減されるものと考えられた。

     プラスチックネットによる食害防止試験(St.4)
 [70KB]

     プラスチックネットによる食害防止試験(St.5)
 [70KB]

※プラスチックネットのほか、漁網囲網や防風ネットによる食害防止試験も行っております。
 詳細は、平成28年度秋田県水産振興センター業務報告書[19839KB] p.194~198を参照ください。