(幹事社)
では、定例会見を始めます。まず知事の方から発表事項があるということなので、よろしくお願いします。

(知事)
はい。今週の土曜日25日から30日にかけまして、タイ王国及びシンガポールを訪問いたしましてトップセールスを行うということでございます。今回は県議会議長のほか、県内4つの自治体の首長、あるいは県内の貿易関係団体、金融機関及び企業の方々など、全体で84名、ただ、これは全員が同じような日程ではなくて、皆さんにお配りしてますように、合わせますと10の色々な仕事がありますので、それに民間の方々も自分のところの仕事に出席するということであります。

特にタイでは、タイと観光のインバウンドも含めてやっておりますので、その、様々な観光分野についての集中プロモーション、あるいは、タイの場合はオリンピックのバトミントンの合宿ということで、美郷町の誘致、あるいは、現在私の個人的なルートであちらのタイのスポーツ大臣とやってますけれども、これはできればですが、バトミントン以外も含めて、かなり広範なスポーツの秋田での合宿等の包括協定、これを結ぶための交渉、あるいは、タイにたくさんの秋田の企業が行ってますので、その企業との交流、それから、秋田牛などの様々な農水産物の輸出促進という、あるいは、先般おいでになった俳優の方とのセッションなどもあります。私どもも総務部から農林水産部、観光文化スポーツ部、あるいは教員、学校交流の教育委員会、など、かなりの部が関わるものについて、これに様々な仕事が一体的にやっていこうということで、今回、タイにまいります。

それからシンガポールでは、秋田牛がかなり出てますので、その関係の秋田の食材も含めて、今後の売り込み、あるいは既に出ているものについてのフェアというんですか、そういうものもこれからやろうということです。シンガポールは、私初めてでございます。今回のシンガポールは、シンガポールと日本との外交関係の樹立50周年でございます。これは国から、日本とシンガポール外交関係樹立50周年記念事業としても認定されております。

いずれ、タイ、シンガポール、日本に対する関心や興味、非常に高い地域であります。様々な面の交流を多くしまして、秋田へのインバウンド、あるいは秋田の様々な物産の販売、あるいは教育交流などを通じて相互理解ということで、今回のトップセールスというんですか、この事業をやろうということで行ってまいります。ということで、私から以上でございます。

(幹事社)
はい。では、今の知事発表事項について質問がある社はお願いします。では幹事社からの質問に移ります。
あさって22日が参議院議員選挙の公示となりますけれども、今回の選挙戦で知事が議論を期待する争点等があればお願いいたします。

(知事)
議論の捉え方が人によって違います。例えば、野党の方はなんとか憲法問題、あるいは安保法案、ああいうものを争点というんですか、主要な議論の中心にということでありますが、そういう立場の方はやはり選挙の対策上、そういう取り方をすると思いますけれども、一般的にはやはり多くの県民は、アベノミクスが成功してるのかどうかは別にして、いずれ地方の経済の活性化、あるいは人口問題への国の取り組み、秋田のようなところは、例えば高速道路、そういうその様々な基盤整備、農業、TPP、今後の国の農業政策、こういうものが一般的には争点といいますか、こういうものについての議論というもの、そういう中で選挙が戦われるというふうに思っているのではないかと思います。
県民の皆さんの思いもその辺が中心ではないかと思いますけれども、ただ、やはり憲法問題等も相当取り上げられると思いますけれども、ただ私は、戦略上そういうふうにしようと思っている方は、それを盛り上げようとしようと思いますけれども、ただ一般的には県民の皆さんは、今私が言ったとおり、地方の衰退だとか、色々暮らしに直結する、福祉、医療、こういうものがやはり関心の中心ではないかなと思います。

(幹事社)
では、今の点について質問があれば各社さんお願いします。

(記者)
関連ということで、争点の一つにもなろうかと思われます、今回の消費税増税の判断を先送りして新しい判断と言われていますが、その点についてのご見解をお願いします。

(知事)
まあやむを得ないだろうと。ただ、これも世論調査で、仕方がないという意見、あるいはよかったという意見が多いですけれども、私からすれば、これで来年度の予算に穴が開きますので、これをどう補てんするのかということで、特に我々地方からは、地方財政にしわ寄せが余りにも多く来るようだと、色々な面で、今、地方創生の事業もやっておりますのでこれは困るなと。

ただ、そうはいってもお金はどんどん出てくるわけでないですから、どういうふうにバランスよく国が政策順位をつけて、これを吸収するかという。もう一つは、やはり経済の活性化になりますと税収が上がりますから、やはり税収が上がるように、やはり地方の景気も、アベノミクスが地方に全くその浸透してないというわけではないですから。一定のその効果はあります。

ただ、今のままではまだまだ我々、やはり東京一極集中という状態を何とか是正して、地方の、日本全体の経済がある程度活性化しますと、税収も上がりますので、そういう分は、ある程度税収でカバーできますので、そういうふうな方向の政策をとっていただきたいと。いずれ、選挙後に10兆円規模の補正予算を組むと言ってますけれども、これも単にばらまきではなくて、しっかり、公共事業もそうですけれども、新しい産業の芽が、こういうものが育つように、そういうふうな視点での補正をやってもらいたいと思います。いずれ将来、これは(消費税)上がりますので、そこまでどうやってもっていくかが一つの我々の注視すべき課題であろうかと思います。

(記者)
ありがとうございます。1点だけ確認をさせてください。
一番最初の部分で消費増税の延期は、やむを得ないというご見解ですけれど、その理由としては、アベノミクスが地方にまだ普及しきれていない現状ではやむを得ないという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
地方へまだその波及が薄いという点と、やはり海外の状況。確かに安倍さんが言うようにリーマンショックのような状態までは行ってませんけれども、今EUの関係、イギリスのみならずEUが空中分解するようだと、やはり日本の企業にも相当影響があると。あれが世界の景気経済の足を相当引っ張る可能性もございます。
あとは、例えばオリンピックのブラジルが、リオデジャネイロが破産状態だという。かつてBRICsという、ブラジル、ロシアだとか中国も含めて、今から4、5年前に株が一番高くて、それこそ一番の経済成長が続けられていた、ロシアも含めてBRICsがもう最悪の状態という。それを先進国が引っ張っていくような力が、今度はEUがああいう状態になれば、これも欠けるわけですので、なかなかその世界経済、見通しがちょっと暗くなってくる。そういう意味からすると、やはりもうちょっと待つべきだろうということです。

(幹事社)
そのほかありませんか。では、それ以外の事項について各社さんご自由に質問してください。

(記者)
少し関連もするんですけれど、参院選のことを改めてお伺いしたいんですけれども、前回の会見の際に知事はスタンスについて、選挙カーに乗るようなことはないということで、私個人としてはそれは表立って特定の候補であったり政党であったりということではないのかなという受け止めだったんですが、この期間、与党候補予定者の集会などにも顔出されているということで、改めてそのスタンスについてはどのように今お考えで、その選挙カーには乗らないという発言の意味としては、どのようなお気持ちだったのかというところをお伺いさせてします。

(知事)
あの、政治活動と選挙運動は違いますので、例えばこの土曜日から出張です。あと海外に行きます。帰っても、かなり出張が続くと。実際にその選挙期間中に秋田に意外といないです。そういうことと、前にも国政選挙では直接、選挙期間中に、公示になってから、そのいわゆる一般の皆さんに特定候補を応援するという、一般の皆さんの前で、これは今までもほとんどないと思います。ただ、スタンスとしては前にやはり与党自民党ということで、公明党、あるいは自民党の内部的な励ます会、こういうものには出ていますので、そういう場ではその内輪の会ということで励ます会に出て、激励をしているというそういう状況です。

(記者)
関連でまた質問ですけれども、2014年の衆院選の際は、知事、県庁の前で当時の自民系候補者と一緒に街頭に立たれて、道を通り行く人たちに手を振っていたと思うんですけれども、それは、前回はそういった個人的な関係があったかもしれないんですけれども、今回は少なくともそういったような街頭で一般の通行人向けに知事はこの人を支持しているんだぞっていうようなことは、しないということなんでしょうか。

(知事)
まあ、それはそのときの状況だね。例えば、県庁の前に、例えば与党の大臣が来て一緒のときに、無視するわけにはいかないと。ただ、私はいつも公務優先ですので、公務を休んで、そっちというわけにもいきませんので、そのときの状況ですけれども、さっき言ったとおり、その選挙カーに乗っておおっぴらというか、特にそういう時間帯、時間的余裕もございませんけれども、県庁前に来たときに、お昼休みに儀礼的に出て、これは私と石井浩郎さんとは仲がいいですから、そばに寄って頑張ろうぐらいは、まあやるかもしれない。

(記者)
今回から、18歳の選挙権、新しく得るということで、21日に正確な有権者数が出ると思うんですけれども、若者の政治参加、投票率をもうちょっと上げていくためにも、どのように促していきたいと思いますか。

(知事)
若い人、なかなか難しい。これは私もわかりませんけれども、若い人そのものが政治に、そんなに興味がないというものではないんです。結構あると思います。
ただ、若い人も将来年をとりますけれども、どうしても若い方直結の政策というのは、なかなかないんです。例えば産業振興にしてもやはり若い方は就職の問題がありますけれども、すぐにはピンと来ない。例えば大学生の、授業料が、国立大学も公立大学も私立大学と差がなくなっていますから、国公立大学の授業料を半分にするとか、給付型の奨学金を来年から導入するとか、そういう自分の身に直接関わるようなものが出てくると、やはり考えると思うんです。なかなかそこが出てこないんですよ。

単にその若いから、若い人(立候補者)が人気があるというわけでもないです。若い人は、年配議員の方がいい人もいるんです。年配議員の方が、非常に人気ある人もいるんです。若い議員は意外と若い人から嫌われる人もいるんだ。
というのは、口ばかりだから。若い人に合わせようとすると嫌われる。そういう意味で、そこら辺が非常に難しいけれども、やはり、今、若い人の一番の悩みは、やはり奨学金で自己破産だとか、それから優秀な人も、今、東京の大学にほとんど地方からの人が行けなくなってると。
やはり地方の自分のところの大学に我々は入ってほしいけれども、全部自分のところ(地元の大学)に入ったらおかしい。これも、その県人だけでまとまるのも、これも余りいいことではないですから、やはり若い人が、自分の能力を発揮する、そういうところに政治がどう関わるかというところが、まだまだ見えないから、やはりまだ相当若い方に浸透するのは難しいかなと思います。

ただ、安保問題のように(行動されている学生)、あれは一部でしょう。私の大学生のときもいたんです。私が大学のときも、今からもう50年前、ちゃんと今のシールズみたいな常に反戦平和のグループは、しっかりと今よりも強固にいたんです。今なんか、あれは、大したことないんだ。悪い意味じゃない。我々のときは、爆弾持って闘争でしょう。全共闘だとか、赤軍派だとか、革マルとか、私、その真っただ中にいて、もう殺し合いでしょう。すさまじいそういうグループがいたんです。ただ今は、やはり平和ですよ。そこまでして現状をぶち壊そうという、そういうパターンでもないんだな、今は。
ですから、あの、東大紛争だとか、私は東大でないけれども、東北大学でも学部閉鎖、あの当時の機動隊と放水合戦、あとは、これゲバ棒の殴り合い、あれを見てると、やはりあの当時は今以上にしっかりいたんです。
ですからやはり国民的に安保反対で、日米安保については非常に大きな燃え上がりになったんです。今は何となく平和的にやってますから、だからといって、逆に私はその全共闘とかああでなくても一般のノンポリの学生だったけど、我々の頃は、やはり若い方々は結構安保闘争そのものに理解を示したんです。

だからノンポリの人も結構理解を示して、相当、あの過激派集団を、是認はしないけれども、その方向性についてはある程度平和的に、あれほどではないけれども、ノンポリの連中もその行動を起こして、一般的には優しいデモをやったり、あるいは座り込みをしたんです。私もやったんです。私は結構コントローラーだった、全体の。黒幕よ。黒幕って言葉悪いけれども、裏で結構動かしてる。そういうムードは今ないでしょう。
ただ、当時の、そういう完全に過激派の方に行って、それから本当にさらに行った人は、これは大変なことになった。ただ一般に、ある程度になった人は結構、その後に転向して、企業幹部なんていうのは、大企業の団塊の世代の幹部は、大体あの運動で、究極の暴力行為までやらなかった人。究極の人たちはもう駄目ですから。あとはノンポリの連中も、しっかり社会人になっている。

これは昔の話ですけれども、18歳まで、マルクス・レーニン主義に対して、ある程度その共感を持たない人は青年ではないとか。でも、二十歳になって持ち続けてるのは勉強していない証拠だとか、それは逆に普通で、24、25になると、当たり前になるんだよ。一般の優しい日本人になる。このパターンですよ、昔は。だから、今とは違うんだな。今、完全関係ない人と、ある程度関係あるけれども遊び心でやっている人もいるんです。大学、国会に突っ込むとか、そんなことやったな、昔。今の人できないでしょう、そんなこと。若い人のエネルギーはあったよ、昔。私はそういう経験もしてきたし。
ただ、そんなことは今やっちゃ駄目ですけれども、やはり若い人も、すぐ若くなくなるから。だからいきなりその社会に幻滅感ずるのもおかしいし、余りにも期待かけるのもおかしいし、やはり自分でしっかり考えて、頭の中で自分で考えて、自分なりの信念を持って、少なくても他人に余り迷惑かけないように、その行動するという、そういう人はやはり増えてほしいと思います。

(幹事社)
ほかは他社さんありますか。よろしいですか。では、定例会見をこれで終わります。ありがとうございました。

(知事)
はい。

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