●知事発表
  なし

●幹事社質問
 (1)今年の抱負について(今年の一文字について)

●その他質問
 (1)イージス・アショアについて
 (2)関係人口について 


 (幹事社)
 幹事社の河北新報です。今年もよろしくお願いします。

(知 事)
 はい、明けましておめでとうございます。

(幹事社)
 知事からの発表事項はないということですので、幹事社質問に移らせていただきます。
 幹事社からは1点、新年の抱負と今年1年を表現されました漢字1文字について発表をお願いします。

(知 事)
 これからいよいよ当初予算の編成ということで、前からお話してたとおり財政事情は、そう良くないですし、人口減少によって交付税の方も大分減ということで。どういう予算を作るかというのが一番の今の重要事項です。
 まず、やはり、産業経済も含め、様々な基盤整備も含めて、県の力をつけるということで、やはり相当選択と集中という予算の編成を今指示しています。
 また、私は3期目の任期の最後の年ですので、事実上、様々な事業で、特に例えば人口減少問題などは、これはこの後も延々と続きますが、例えば田沢湖線のトンネル整備の問題、あるいは国道105号線の整備の目途、あるいは、この後、秋田市の方から近々に最終結論が出されるということですが、サッカースタジアムの問題、あと、幾つか例えば海外の航空便の問題、これも、様々なルートで今やっておりますので、そういう喫緊の重要な課題については、何とか目途をつけて、しっかりそういう目に見えるものについては、まず頑張っていきたいと思います。

 あと、やはり人口減少に伴う地方の集落対策、あるいは地域の利便性の確保、こういう地味な問題もございますが、これはこの後もすぐ解決できるものではないですけれども、しっかり知恵を絞って、職員と一緒になって、また、関係機関と一緒になって、そういう問題についても前向きに捉えていきたいと思います。
 先程言ったとおり、株の方も下がってます。様々な面で海外情勢、これは非常に気になりますし、多分国政の方も20日から開会される国会が非常に波乱含みといった中で、国の予算編成が年度内にしっかり終えるのかどうかと。
また、多分ですが、東京オリンピックの後にいよいよ今の現政権の審判というものもあると思います。ですから、内外情勢、非常に波乱含みの中で県政をどのように安定させ、色々なことで外の問題で影響を受けますが、そうした影響の中でどのような選択をして、しっかり県政を進めるかという、これが今年1年の大変な大きな課題であろうと思います。

 そういうことで、今年の1字ですが、まずオリンピックという躍動感、これもございます。また、ある意味で何となく、秋田県は沈滞ムードですので、例えば先般の最新の人口動態ですと、めったにないことに50人ほど社会増があったということもあります。ただ、これは外国人労働者の割合が 大きいのですが、ただそれもある程度プラス要素として考えますと、秋田は躍進までいきませんが、何とか少しこう、嬉しいことがあるような、そういう年にしたいということで、『躍(やく・おどる)』という字にしました。

(幹事社)
 それでは、各社この件に関して質問がありますでしょうか。

(記 者)
 今の漢字の『躍』という字ですが、理由を何点かご説明いただいたと思うのですけれども、もう少し詳しく込めた思いを教えていただけますでしょうか。

(知 事)
 まず、東京オリンピック・パラリンピックがありますので、そういう意味で、どちらかというと夏頃までは非常に日本全国、何となくそういうふうな、内外情勢非常に緊迫化してますが、まずスポーツを通じて何となく元気のいい話題がたくさんあればなと思います。
 また、当然まだ東京オリンピック・パラリンピックに出場する県関係の選手の発表はまだこれからですので、まずそういう選手がたくさん出て、活躍して欲しいという、活躍の「躍」でもあります。
そういうことに加え、県政の方でも、ある意味で「やった!」という、何となく躍進する、躍進までいかなくても、まず、「おお、いいど!」という、そういう成果が幾つかあればいいなという思いを込めてます。

(記 者)
 年末のご挨拶で、記者室においでいただいたときに、「来年はイージスじゃなくていいです」という話があったと思うにですが、これはこの「躍」という字をもう意識しての発言だったと。

(知 事)
 そうですね。「いいね!」、イージスじゃなくて、「いいです」の、いい方のやったと、こういうものがいっぱいあって欲しいなと思います。

(記 者)
 わかりました。ありがとうございます。


(幹事社)
 ほかに関連する質問は、無ければ個々の質問でよろしくお願いします。

(記 者)
 年末最後の会見の時に、イージス・アショアの関係で、色々水面下で注文を防衛省側につけていらっしゃったんだという話で、学校・文教地域や、そこはやはり買ってもらうと、学校は離してもらうというような話をしたんだけれども、全部これ駄目だったと、全部蹴るんだと。最悪の場合を考えて注文つけたけれども、全く取り上げてもらえなかったというお話があったのですが、ここもうちょっと具体的に、どういった経緯で、いつ頃の話かということをお聞かせください。

(知 事)
 例えばあの当時、何としてもあれ(イージス・アショアの配備)が実行されるとすると、あまりにも学校が近い。ですから、ある程度緩衝地帯を設ける上で、あの周辺の学校、あるいは県有地もございますので、あの周辺を買ってもらって、例えばあそこに隊員の官舎を作って、一定の緩衝地帯にすると。
 あるいは、様々な措置をとるために、例えば相当な防護壁、外周を金網ではなくて、しっかりした、何かあっても例えば爆風が飛ばないような、そういうものが造れないかということを言ったのですが、あと、これ、今だから話せますが、色々な面で交付金が、実はないんです。飛行場は、航空機、あるいは港、ああいうものはいつも動きますので、騒音だとか粉塵が発生したりします。あの場合(イージス・アショア)は、何か起きなければ、有事以外は静かですので、交付金を出すという意味合いが非常に薄いということで、真剣に我々には、ある程度受け入れるとすればこういことをして欲しいということについての回答がほとんどゼロということで、今のままでは、あのような状態では非常に難しいだろうというふうにだんだんと考えが至ったということです。

(記 者)
 学校は、秋田商業高校とかを具体的にイメージしてということになるのですか。

(知 事)
 商業高校も含めて、あの周辺、もう少し離すということできるかどうか。そういうことで、すぐそばに県有地もありますので、あそこまでずっといきますと、ある程度、直の部分が数百メートル広がりますので。
 また、それも「前例がない」と。「全て前例がない」と。前例と言ったって、ああいうものは、前例が無いですから。新規にそういうものを作ろうという意思があまりなかったと。また、金をかけたくないということががありありと見えたと。ですから、この後も、色々な住民対策は出てこないだろうという意味合いに取ったわけです。

(記 者)
 元の大臣なり副大臣がいらっしゃったときの場では、こういった話はされてなかったと思うのですけれども、いつ頃どういった形でお話をされたのでしょうか。

(知 事)
 当然あの時点で、2・3回目、何回かの説明の際に。この種の問題は水面下でやりますから、こういう問い合わせ、例えば「交付金は増えますか?」とか、「こういうことをやることによって、そういうことはできますか」ということを、こちらが事務的に質問しますが、これに対する回答、これ正式なものではないですから、事務的なやり取りは、これ、私がやるというよりも事務方がそういうことをやったり取ったりする中で、そういうふうな流れになったということです。

(記 者)
 事務方同士のやり取りの中でということになるんでしょうか。

(知 事)
 はい。

(記 者)
 わかりました。


(記 者)
 知事は従前から、新屋への配備は反対だけれども、配備自体は反対ではないという趣旨の発言をされてたと思います。
そこには、知事の軍事的見地からのものなのか、それとも日米関係ですとかそういう国際的な情勢を踏まえた上での発言なのかという、その真意をちょっと詳しく聞かせていただけますか。

(知 事)
 いずれこれからの主流の軍事作戦、これがやはりミサイル中心だとしますと、米軍の日米安保条約がありますが、今のトランプ政権も含めてアメリカの力、世界の警察官という立場が非常に弱まっていると。そうしますと、米軍は自分の基地をまず守る、これが主流になります。全面戦争のときは出てきますが、やはり日本も独自の防衛戦略がある程度必要だと思います。そのときに一定の今のイージスの構成でいいのかどうかは別にして、やはり日本もだんだんアメリカに全部頼っているということができないのではないかと。そうしますと、独自に一定の防衛網を築くということは必要なんだろうと。
 ただ、非常に中途半端なんです、今のは。ですから、そういう意味で中途半端であれば非常に、むしろ、誰とはいいませんが、制服組の方は、やっぱりいざというときに、すぐ背中に、住民が密集地帯にいるのでは作戦とれないんです。
 ですから、あの新屋の場合は、多分多くの、実際あの基地に勤務する、あるいはそういう隊員は一番やりにくいというふうな感触が聞こえてくるんです。これ制服組ですから、表で言えませんが、そういうニュアンスの話は私自身にも、一部制服組の人から聞こえるんです。ですから、そういうものがあって、あの場所が非常にまずいのではないかとそういうことです。安保条約もありますが、これだけでは、今の状況でいえば、果たして米軍が全面的に日本に対してどういうふうな、どんな場所でも全て防御するかということなると、なかなか難しいのではないか、そういう意味合いもあります。

(記 者)
 米軍の話が出ましたけれども、今月の19日で現行の日米安保が署名されてから60年ということで、先程内外情勢の動きが県政に影響という話もありましたけれども、イージス・アショアの問題を抱える秋田県の知事として、今の日米安保について感じていることですとか、知事の日米同盟観みたいなものを伺えればと思うのですが。

(知 事)
 やはり安保条約があるということは、日本が経済的にこれまで繁栄というものは、やはり軍備にそう金をかけないで、アメリカの核の傘の下でそういうことがベースと。安保条約の効能はあったというふうに思います。ただ、これからアメリカが全世界、オール地球全体に様々な面で日本をどういうふうに見るか、日本の位置、地位を。日本の経済的地位、あるいは戦略的地位、これが果たして、どういうふうになるか。昔よりもだんだん低くなっている。その場合にアメリカが、安保条約を全て一本に、色々な面でサービスするかという、もう既にトランプさんは、もっともっと費用をよこせといってる。
 そうしますと、金で守ってやるということになる。金で守ってやるということは、全部そういうことでできるかどうかということが非常に難しい時代です。ですから、安保条約、これまでのそういう効能は認めつつ、これからどういうふうに日本がアメリカから、ある程度自主的に日本が行動するとすると、安保条約は安保条約としても、日本独自の防衛観、防衛力を増強するかどうか別にして、日本は防衛についてどういうふうな覚悟で臨むかという、これはこれからの課題になるのかなと思います。

(記 者)
 ありがとうございます。


(記 者)
 イージス・アショアについてですけれども、先程知事がおっしゃっていた官舎だったり、緩衝地帯という、知事が求めるそういった条件がクリアされれば、今後候補地が選定されるにおいて、住宅地が近かったとしても、配備は認め得るということでしょうか。

(知 事)
 それと同時に地域住民の安全対策をどういうふうにやるかという、これの答えがなかったと。そのほかにもいっぱい条件がありましたから、それはまず、そういうことがあり得るのかどうか、そこの確認だったんです。それが全部クリアされても果たして認めるかどうか、これはまた別の問題です。

(記 者)
 最低限の条件として、そういった知事が求めるようなものがあって、更にその上に、より詳細な安全対策が必要だったということですか。

(知 事)
 はい。

(記 者)
 わかりました。
 あとそれから、年明けにもとおっしゃっていた防衛大臣との面会の方については、日程等決まりましたでしょうか。

(知 事)
 防衛大臣がアメリカのハワイに、あれ(イージス実験施設視察)を見に行くということで、1月中には是非ということで、何とか日程を取ってもらうということで強く言ってます。まだ日時決まってません。
いずれ中旬に大臣がハワイに行きますから、それを見てからかなというふうな感じがしますが。ただ、うちからは、2月議会もありますし、1月中には是非、我々別の日程もキャンセルしても行きますからということで、強く防衛省に言ってます。

(記 者)
 知事、冒頭で、近々の重要課題については任期中に何とか目途をつけたいというふうにおっしゃって、幾つか挙げていただいてたんですけども、すいません、聞き取りづらかった部分があるので、イージス・アショアに関しても、この近々の重要課題というご認識でしょうか。

(知 事)
 いずれ、新屋(の再調査の結果)については、4月以降に結果が出ますから、これは別に年を越さなくても、その結果が出てからそう遠くない時期に県として、正式にそれに回答するということになります。

(記 者)
 そうすれば、任期中ということに限らず、年内には新屋については、防衛省の配備計画についてのある程度の最終的な判断を県として出したいという認識でよろしいですか。

(知 事)
 まず新屋です。そのほかに何が出てくるかわからないから。新屋以外がもし出たら、これまた、そう簡単に調査が進むかどうか、ですからまず新屋が、新屋については一定の結論が、物理的に夏頃までには出す必要があると思います。

(記 者)
 新屋についての判断は、いつその再調査の説明があるかわかりませんが、夏頃までを目途に判断をしたいということですか。

(知 事)
 多分5月頃に来ると思うんだね。ですから、その結果、速やかに出すかどうか。ただ、そう時間をかけるつもりはございません。

(記 者)
 わかりました。ありがとうございます。


(幹事社)
 ほかに質問ございますでしょうか。

(記 者)
 知事、先程の職員の皆さんへの挨拶の中で話された「頭の良さそうな人ランキング」についてでですが。

(知 事)
 福井県は6位だった。(※年頭の挨拶の中では、「福井県は上位に入っていない」と発言されていたもの。)

(記 者)
 そのランキングに絡めて、明石康さんとか佐々木毅とかそういった方を輩出しているということで、一方で逆にいえば人材の流出かなという発言があったかと思うんですが、人口問題を考える上では、こうした人材を秋田にどうやって定着させるかということが大事だというふうな一方で、最近は関係人口とかそういったこともいわれますし、秋田から出ていって離れていても出身の方であるとか、もしくは秋田にゆかりのある方、こうした方の力をどういうふうに地域の活性化とか課題解決につなげていくかという考え方もまた重要かなと思うんですが、こういう考え方についての知事のお考えを教えていただけますか。

(知 事)
 県人会、特に一昨年から県人会の全国のルート、これは非常に県人会の方々の協力を得て、色々な情報を上げてもらう、あるいは秋田の宣伝、PRについて様々なそのアクションをとってもらうということで、県人会対策については、一昨年から相当力を入れてやってます。その中で相当実業家人もいますし、色々な意味で活躍している人もいます。
 また、県に関係ない方も何かの縁で、誘致企業の方で秋田で勤務した方、これ、サポーターズクラブがありますが、このサポーターの方々、県出身者もいますが、そういう秋田に1回勤務した方もいますので、そういう方々との定例的な情報交換もしてます。色々なアドバイスももらってますので、そういう点で関係人口という、そういうところもある程度これから大事になるのかなと思います。
 ただ、地方創生も、国が最初、東京の人口抑制、地方への還流、これがうまくいかなかった。
 そうしたら今度、移住・定住、次に関係人口。なかなか、国の方もうまい言葉を作るんですよ。それが、悪いことではないけれども、全て関係人口で事が済むと思っても、これもおかしいと。東京圏で、またぞろあの物凄いマンションをバンバン建てて、どんどんどんどんオリンピックの後、何万人も住むでしょう。それどうもちぐはぐなんだな、うん。東京を大きくしておいて、東京の人口を抑えるといっても、ここら辺は非常に国の地方創生でだんだんうまくいかなくなったものだから、どんどん亜流のことを考えるという、ただ、関係人口はいいですけれども、これに惑わされることはなく、しっかり本当のいい意味の関係人口、これを地道にしっかり取り組んでいくことは必要だと思います。

(記 者)
 そういった地方創生の関係人口とは別に、いわゆる東京一極集中の是正というものは、しっかりとやるべきだというふうなお考えですかね。

(知 事)
 うん。

(記 者)
 わかりました。ありがとうございます。

(幹事社)
 ほかにはありますか。
 それでは、知事、ありがとうございました。

このページに関するお問い合わせ

総務部 広報広聴課
TEL:018-860-1076
FAX:018-860-1072
E-mail:joukai@pref.akita.lg.jp