鳥海山の火山防災
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 鳥海山は、今から約200年前の1801年に少しだけ大きな噴火をしました。
 そのあとも、ときどき(100年間に1~2回くらい)噴火を繰り返してきました。
 いつかは分かりませんが、おそらく、これからも噴火をすると考えられています。
 
 このページでは、もしも鳥海山がまた噴火したときに、「どんなことがおきるのか」、
「どこまで被害がでそうなのか」、「噴火に備えてどんな準備をしておくとよいのか」などに
ついて()せています。


 ■ 火山防災マップ [ 鳥海山の火山ハザードマップ(災害予想範囲の図)を見る ] 
 もしも鳥海山が噴火したら、どのような災害が起きるのでしょうか。
 ここでは鳥海山が噴火した場合の予想される現象(どんなことがおきるのか)とか、災害の予想範囲(どこまで被害がでそうなのか)について紹介しています。





●枠の着色の意味
 鳥海山で被害が出やすい現象です。
 とても注意が必要です。
 鳥海山でおきるかもしれません。
 注意しておきましょう。
 最近の噴火の様子からは、鳥海山ではあまりおきにくいと考えられています。

水蒸気爆発(すいじょうきばくはつ) ・ マグマ水蒸気爆発(すいじょうきばくはつ)
 鳥海山が噴火するときにおこります。
 地下深くのマグマの熱で地下水が少しずつ熱くなって水蒸気になり、地面の一部を圧力で吹き飛ばすような激しい爆発のことです。
  地下水がマグマに直接ふれた場合には、もっと激しい爆発になることが多くなります。そのような爆発は、マグマ
水蒸気爆発(すいじょうきばくはつ)といいます。

噴石(ふんせき)火山弾(かざんだん))、 降灰(こうはい)火山灰(かざんばい)
 火口から噴石や火山灰が出てきます。噴石は火口から数km以内に落下する大きな岩の塊で、人に当たるととても危険です。
 大きな噴石は、直径1m程度にもなります。鳥海山の約200年前の噴火では、火口の近くに噴火を見に行った人が噴石にあたって8名が亡くなっています。
 火山灰は風にのって流されて風下側に積もり、野菜を枯らせたり、道路をぬかるみにして車が走れなくなるときがあります。

融雪(ゆうせつ)による火山泥流(かざんでいりゅう)
 山に雪が積もった時期に、噴火の熱で雪が()けると、火山泥流が発生することがあります。火山泥流は、流れる途中で地面をけずり、土砂や岩、樹木をとりこみながら高速で流れます。
 北海道にある十勝岳(とかちだけ)の噴火(大正15年)の噴火では、火山泥流によって144名の方が亡くなっています。


火山(かざん)ガス
 火山ガスは噴火の時に火口から噴出したり、噴気地帯で噴出したりします。二酸化硫黄、硫化水素などの有毒ガスが含まれています。
 鳥海山でも、噴火が始まると火山ガスがたくさん出てくるかもしれません。

土石流(どせきりゅう)
 火山灰が降り積もった地域では、雨が降ると土石流が発生しやすくなります。噴火がおさまった後も数年間にわたり、降雨時に発生しやすくなります。

空振(くうしん)
 「くうしん」と読みます。「からぶり」ではありません。
 強い爆発によって火口から発生する空気の振動です(しょうげき波といいます)。
 他の火山では、窓ガラスが割れたりしたことがあります。


溶岩流(ようがんりゅう)
 マグマが火口からあふれて斜面を流れ下る現象です。
 溶岩流はスピードが遅く、走って逃げることもできますが、800~1000℃という高温のため溶岩流の通り道にある建物や樹木は焼きつくされ、溶岩に埋もれてしまいます。
 また、川や水たまりに入ると突然爆発しますので、近寄ることはとても危険です。

火砕流(かさいりゅう)
 火砕流は高温の噴出物が沢沿いなどを猛烈なスピードで流れ下るとてもおそろしい現象です。
 鳥海山では、広い範囲にみられるような火砕流は、十数万年前のものしか見つかっていません。

地震(じしん)
 噴火するときには、マグマが地中を移動します。このときに地震が起き、ゆれを感じるような「有感地震」も起こるかもしれません。
 他の火山では、噴火の前後で、震度5弱以上の大きな地震も起こっています。


山体崩壊(さんたいほうかい)(いわ)なだれ
 噴火や地震がきっかけとなり、山が一気にくずれる現象で、山体崩壊(さんたいほうかい)といいます。山体崩壊(さんたいほうかい)によって崩れ落ちた大量の岩石や土砂が、とても速いスピードで流れ下る現象を(いわ)なだれ(岩屑(がんせつ)なだれ、ともいいます)と呼びます。






 鳥海山の火山ハザードマップ(災害予想範囲の図)を見る 



  非常時の持ち出し品と避難(ひなん)する格好
 鳥海山は、現在はとても静かですが、いつの日にかまた噴火を始めるかもしれません。
 ここでは、もし鳥海山が噴火そうなときに知っておくと役に立つ「噴火へのそなえ」について紹介します。



 ひなん生活が長くなると…

 雲仙普賢岳の噴火でひなんした人たちの
 仮設住宅(かせつじゅうたく)
 もし鳥海山が噴火して、その噴火が何ヶ月も何年もつづいた場合、体育館などの一時的なひなん場所で生活することはとてもつらくなります。
 そのため県や市がつくってくれる仮設住宅(かせつじゅうたく)に引っ越して、噴火が収まるまで、そこで生活することになります。
 仮設住宅でのひなん生活は、体育館などよりは暮らしやすいですが、それでも自分の家にくらべたらとても不便です。
 
 火山の噴火が長びくとこのような不便な暮らしをしなくてはならないという問題もおきるのです。



 普段から災害にそなえて準備しておきましょう
 鳥海山が噴火したときには、どんな災害がおきやすいのか知っておきましょう。 普段から、おうちの人といっしょに非常持ち出し品を準備したり、確認しておきましょう。  自分の家の近くのひなん場所をおうちの人に教えてもらいましょう。  もしも鳥海山に異常がみられたら、すぐに先生や大人の人に知らせて、市役所に連絡してもらいましょう。



 もし噴火しそうになったら…
 気象庁が発表する情報を聞くようにしましょう。
気象庁のホームページ
//www.jma.go.jp/
 火山が噴火しそうなときや噴火したときに、気象庁が発表する情報には、次の3つがあります。
緊急火山情報(すぐ逃げる)
臨時火山情報(逃げる準備)
火山観測情報(注意して聞く)
 テレビやラジオのニュース、新聞、市の広報誌などの正しい情報を聞きましょう。  うわさやデマを信じないように気をつけましょう。
 
インターネットの掲示板などでは、「○月○日に噴火する」などといった無責任な予言やうわさ、デマ情報が流れることがありますが、信じてはいけません
 もしひなんする必要になったときは、先生やおまわりさん、市役所からのひなん指示にしたがって行動しましょう。



  鳥海山の火山防災対策
 火山が噴火しそうになると、このようなさまざまな対策を行います。
 また、工事に時間がかかるものなどは、万が一の噴火に備えて、火山が噴火していない平常時から少しずつつくる準備をすすめています。
火山防災対策のイメージ図

 
 火山噴火のときに発生する泥流や土石流から人命や財産を守ったり、被害を軽減するために「砂防(さぼう)えん(てい)」などが建設されます。
 また、土石流の発生を川の上流で早く見つける(検知する)ための雨量計や監視カメラを設置します。



秋田県がつくった砂防えん堤の例
生物や環境に配慮した工事をすすめています。







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秋田県建設部河川砂防課 〒010-8570 秋田県山王四丁目1-1 電話 : 018-860-2519 E-mail : sabo@mail2.pref.akita.jp