■ 鳥海山のめぐみ みなさんは、鳥海山の「めぐみ(恵み)」と聞いて何が思いつきますか?
「水がたくさんわき出ている」 「登山ができる」 「景色がきれい」 「温泉がある」……そう、どれも正解です!
わたしたちは、毎日 鳥海山のめぐみをたくさんもらって生活しているのです。
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■ めぐみ その1 【きれいな風景・景観】
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鳥海山は、秋田県と山形県の県境にまたがるとても大きな火山です。
標高は東北地方で2番目に高い2236メートルです。(1番目は、福島県にある燧ヶ岳の2356メートル)
鳥海山は、ふもとから見上げる鳥海山の雄大な姿や、山の上で見る美しいお花畑など、とても素晴らしい風景を私たちに見せてくれます。
この美しい風景は、私たちの宝物といってもよいでしょうね。
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田んぼに映った「逆さ鳥海山」 |

ニッコウキスゲと鳥海山 |
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めずらしい 「影鳥海」 |
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■ めぐみ その2 【たくさんの湧き水】
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鳥海山は、日本海からの湿った空気がぶつかってたくさんの雨や雪が降ります。鳥海山山頂あたりの降水量は1年間に12,000mmもあるそうです。これは平地より6倍以上多いことになります。
このたくさんの水が鳥海山の中にしみこんで、少しずつ湧きだし、平地や海岸にたくさんのわき水を与えてくれるのです。
このきれいで豊かな水が、農業や私たちのくらしににとても役にたっています。また、海の底に湧き出た水は、おいしい岩ガキを育てたりもしているのです。
これらの水をたくさんためている鳥海山は、まるでたくさんの水を吸い込んだスポンジのようなものです。固い岩石でできた山なのに、スポンジみたいな役割をしているとは、おもしろいですね。
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鳥海山に降った雨や雪はすき間の多い岩石にしみこんでいきます。まるでスポンジに水がしみこんでいくようなイメージです。 |
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鳥海山の地層を詳しく見ると、水を通しやすい層と通しにくい層があり、通しにくい層のすぐ上を流れていきます |
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地層の間を通ってきた水は、山の斜面にある割れ目や海岸などから湧きだします。このため鳥海山の周りにはたくさんの湧き水があります。 |
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■ めぐみ その3 【豊かな大地(平地)】
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鳥海山のふもとにひろがる私たちの街や水田、畑は、じつは鳥海山から流れてきた土砂が少しずつたまって平らな土地ができたのです。
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鳥海山は今までに何千回も噴火をくり返してきました。そのときに、土石流や火山泥流もたくさん発生しました。この土石流や火山泥流で運ばれてきた土砂がたまり、現在の豊かな平地が作られたのです。
今から約2500年前にも鳥海山でとても大きな山崩れがありました。このときに流れてきた岩や土砂も、現在のにかほ市の平地の一部を作っているのです。
私たちは、鳥海山の噴火で流れてきた土砂の上に住んでいるなんてびっくりですね。
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■ 地震で持ち上がった象潟の九十九島
江戸時代の象潟は、たくさんの小島が浮かぶ浅い湖でした。
ところが、1804年(文化元年)に象潟の沖合を震源とする大きな地震があり、このあたりの地面は2メートルも持ち上がってしまったのです。
そのため湖の水は海に流れ出ていってしまいました。
まだ象潟に浅い湖があったころの様子は、当時のびょうぶ絵で見ることができます。このびょうぶ絵には、湖にあるたくさんの小島が描かれています。
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「象潟屏風図」
(別名 金屏風)
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秋田県指定有形文化財 |
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■ めぐみ その4 【気持ちよい温泉】
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鳥海山の地下にある水(地下水)が、マグマの熱で温められると温泉になります。
そのため火山のまわりには温泉が湧きだしていることが多いのです。
鳥海山のまわりにもいつくかの温泉がありますよね。
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■ めぐみ その5 【わたしたちの住む地域のシンボル】
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鳥海山は、私たちの住んでいるふるさとのシンボルです。
いつまでも鳥海山のめぐみを大切に受けながら、鳥海山とともに暮らしていけるとよいですね。
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にかほ高原と鳥海山 |
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日本海から見た冬の鳥海山 |
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ここで紹介した以外にも、鳥海山のめぐみはたくさんあります。
どんなものがあるか、自分たちの身の回りをみたり、先生や大人のひとに聞いたりして調べてみましょう。
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