「風と海の学校あきた」新しい秋田へ
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この4月に、男鹿市の県立男鹿海洋高校に併設した形で「風と海の学校あきた」という新しい学校が誕生しました。
この学校は、今秋田県沿岸を始め全国的に進められている洋上風力発電の施設機器の点検やメンテナンスに欠かせない技術者の資格を得るための数少ない訓練センターで、その設備内容は全国最高レベルのものです。
世界中の国々の工業化や生活水準の向上により、電力や熱需要、さらには自動車などが急激に増加し、それに伴い燃料となる石油や石炭などの化石燃料の消費が増加する一方で、化石燃料の燃焼に伴う大量の二酸化炭素の排出による地球温暖化が進み、これが近年の急激な気候変動につながり、地球規模で気候バランスが大きく崩れ、様々な弊害が生じています。
南極、北極の大量の氷河が溶けることにより海水面が上昇し、小さな島国では水没地域が増え危機的な状況になっている国もあります。
また世界中で、我々も昨年夏に経験したような極端な豪雨や、干ばつと熱波による自然発火の山火事が生じたり、雪国でも年によって大雪になったり、小雪だったり、とにかく予測できない極端な気候になりつつあります。
いずれにせよ、地球規模で大規模災害が頻発し、農林水産物への影響による食糧危機や健康への影響が懸念され、温暖化は最大級の人類の危機とも言われています。
そのような中で、本県は適度な風、豊富な水や地熱資源、広大な森林を活かし、大規模な洋上風力発電、水力発電や地熱発電、バイオマス発電など、多様な自然エネルギーを活用した二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーの先進県になりつつあります。
また、人間が生活するうえで二酸化炭素を全く出さないことはできませんが、若い樹木は二酸化炭素を吸収する作用があり、広大な森林の再造林とその木材を活用した木材産業の先進県にもなりつつあります。
「風と海の学校あきた」は、全国的に数少ない男鹿海洋高校の深さ10mプールや日本唯一の船舶操縦シュミレーターなどを備えた日本でも例のない設備の人材育成施設です。
本県の多くの若者がこの訓練センターで資格を取得し、県内の洋上風力発電施設のメンテナンス技術者として育ってくれることを期待しています。
また、全国から多くの若人が資格取得のために男鹿市を訪れますが、一定時期には資格更新のための再訓練も必要になるため、数年のうちには年間千名近い人が訓練のために男鹿市を訪れます。
ぜひとも、この学校に全国から訪れた人々を、男鹿市のみならず県民こぞって温かく迎え、本県のファンになっていただき、次は家族とともに観光で足を運んでもらうなど、交流人口の拡大にもつなげたいものです。