イバラトミヨのお引っ越し ~身近な環境のバロメーター~
2013年09月26日 | コンテンツ番号 7531
平成25年9月12日、大仙市立清水小学校4~6年生の児童51名が、大仙市清水万願寺の人工池にすむイバラトミヨの引っ越し作業を行いました。
人工池は、絶滅危惧種に指定されている『トミヨ属雄物型』の保護を目的に、2003年にほ場整備事業により整備されました。他にも2つの人工池があり、毎年1カ所ずつ泥の撤去のため、今回のような引っ越し作業が行われています。
はじめに、トミヨの保護活動を行っている中仙南部環境保全グループの佐藤 海彦 代表より捕獲の仕方等の指導を受けながら、水抜きをした人工池でトミヨの捕獲を行いました。
佐藤代表からの挨拶。子どもたちも真剣に聞いています。
お話を聞いた後は、早速引っ越し作業の開始です。
恐る恐る泥の溜まった池へと足を踏み入れ、慎重に作業を進めます。
足はもう泥だらけ。ですが、みんな楽しみながらトミヨを捕まえている様子。
慣れてきたのか、体中泥だらけでもお構いなし。なかには転んでしまった子もいました。
作業終了後は、近くの川で泥を落とし、佐藤代表から感謝の言葉をいただいた子どもたち。
当日はあいにくの曇り空ではありましたが、雨が降ることもなく作業の行いやすい天候でした。泥だらけでへとへとになった子どもたちは一生懸命頑張り、たくましい姿をみせてくれました。
今年の夏は、「経験のない大雨」が容赦なく県内を襲い、多くの災害にみまわれました。この原因の一つに、地球温暖化が影響しているといわれています。
トミヨは15℃前後の冷たく、きれいな水を好み人工池近くの湧水がこの生息環境を可能にしています。地下水温は、その地域の年平均気温とほぼ同じデータを示すことがわかっています。
地球温暖化はこの地域の気温、すなわち地下水温を上昇させる可能性もあります。そうなればトミヨ生息には適さない環境になることも考えられます。
身近な環境のバロメーターとして、トミヨ生息の確認が地球環境の把握につながる。